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【第1章終幕目前】異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です 〜足立区から毎日通勤。なぜか本社プロジェクト!S級冒険者はミノタウルスと野菜のカレーで、ほのぼの居酒屋タイムの常連です。  作者: 柿野たね
第1章 異世界でコンビニ始めました

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第98話 ギルマスはファミプで街産の食料品を扱って欲しいらしい。交渉バトル開始(笑)

「たん、たた、たんたらったった、たらたらたん♪

 たん、たた、たんたらっ……」


 店内に誰もが既知のスマホの着信音が鳴り響き、あさが応えた……。


「もしもし?」

『あささん、山野です』

「みゆきちゃん、引っ越し準備順調?」

『はい。順調で、親の許可ももらいました。お店も大丈夫ですか?』

「いろいろあったけど、みんな元気よ。」


『いろいろはすごく聞きたいけど、……帰ってから聞きます。夜はそちらに戻っていいですか?』

「そう言われると嬉しいわね。待ってるわね。」


『福の神、ミナさんにプロポーズしたりしてません?』

「この電話の直前よ!見てたの?(驚)」

『えぇ!そんな予感がしたんです。……残念、また見逃したかぁ!』


 またイベントを見逃してしまったみゆきだった。


「みゆきちゃんって、見逃すわねぇ〜。……他にもいろいろあるから。待ってるわね。」

『はーい。少し荷物持って帰ります。寮の駐車場って、私たち使っていいんですか?』

「ちょっとまってね。……りおちゃん、寮の駐車場って、入寮者って使えるの?」


「事務所の管理は会社。柵の外はウチだから月一万円で貸してる。社員さんは3割引にしようか?」

「私はそれでいいと思うわ。みんな可愛いもの。」


「兄さん、寮のとこは、いくらにするの?」


 シナモンが社長に慌てて聞いていた。


「お隣に合わせて、一万円のつもりだったのに。千住からすると十分安いよ。」


「相変わらずケチね。」


「みゆきちゃん、うちの駐車場3割引月7千円、寮のところ1万円だって。どちらもプラス消費税。」

『あささんのところ、借ります!あっちの方が出し入れしやすい!』

「今日から使って、支払いは来月からでいいわよ。」


『軍曹!ずっと着いていきます!夕方、帰ります。』


「じゃ、あとでね。」


「あささん、僕も借ります!」

「兄さん、半分出すよ!」

「共同出資だもんな!」(笑)

「私も!うちのそばより安い!!」


 福田兄弟と、ことりも手を上げた。


「あささん、通勤用に、私も借りていいでしょうか?」

「柳田さん、それは会社の駐車場でいいわよ。料金いらないわ。既婚者の福利厚生でOKよ。」

「シナモン室長、では、お言葉に甘えます。」


「兄さん、うちも安くしないと、誰も入ってくれないわよ。」


「じゃ、うちは月7千5百円、その代わりオートゲート来月までにつける。」

「私も、車通勤にするわね。福利厚生ね。」

「シナモン!……じゃ俺も!」


「寮のとこ、高級車が集まってるから、あささんとこでお願いします。」

「ことり、ぶつけた時、大変そうだよな。」(汗)


 駐車場戦線の勝利を確信し……


「ふふふ、勝ったわね。」(悪)

「ファミプ社長に勝った!」(悪)


 こうして勝利に酔う悪代官夫婦であった。となろう報告書には書いておこう。



「駐車場とはなんなんだ?」


「あ、マツさん。我が家が貸し出してる、馬車置き場です。」

「彼ら、近所に住むことになるので、我が家の馬車置き場に馬車を置くそうです。」

「彼らは、馬車持ちでなのか?一人一人高級取りなんだな。」

「ふふ、社長が、頑張ってるからね。」(笑)


「私、コンパクトカーよ。高級取りって言われてもねぇ。」(笑)

「シー。……ことりちゃん」(秘)


 あさが唇に人差し指をあてて微笑んでいた。


「山野は問題なしね。」

「シナモン、そうだって。」



「さて、12時半?ご飯1時からって言ってたのに、早かったわね。」

「ギルマス、このあとお客様、来ますかね?」

「うちの奴らが、カレー食べに来るぞ」

「あ、誘いましたね。大丈夫です。そう思って、おかわり1杯だけでお願いしました。」


「半蔵さんのところも来ますよね。」

「試食ぐらいでいいぞ。聖餐の食事がブランチだからな。」

「そうだとありがたいです。」

「いや、これが家で作れるなら、こちらもありがたい。」

「結局、エリンギとセロリ以外は、ギルマスにいただいた材料で作りました。」


「あさ、作り方教室したら?」

「そうね。作った方が楽しいわね。」

「野菜がないわよ。」


「ストレージに、追加入れておいたぞ」


「「「えぇ!いろいろありがとうございます。」」」


「ギルマス。ファミプで、ダンジョンさんのお肉やお野菜、扱った方がいいんですか?」

「できれば、扱ってもらいたい。店の近隣に食品を扱う店がない。街民から要望が出てる。頼めるか?」

「ちょうど明後日、棚を調整しますから検討します。」


「見てくるね。」


「リスト」

==========

 肉類

 野菜類

 きのこ類

 果物類

==========

 野菜を選択

==========

 にんじん

 じゃがいも

 かぼちゃ

 玉ねぎ

 大根

 ナス

 トマト

 アスパラガス

 ブロッコリー

 キャベツ

 きゅうり

 レタス

 ほうれん草

 小松菜

 ……

==========

 きのこを選択

==========

 しめじ

 なめたけ

 きくらげ

 ……

==========


「『あさから画像共有通知。承認しますか?』……承認します。」


 普通に、うちの近所の八百屋で売ってる商品と同じだった。きっと近接種を翻訳魔法が判断したということなんだろうな……。見てみたい。


「ギルマス、沢山ありがとうございます。」

「りおん、商売になりそうか?」

「後で商品見てからですが、大丈夫かとアルノとも相談して、ご返事します。価格交渉はシナモンですかね(悪)。」


「シナモン、お手柔らかに頼むよ。」

「え、わたしなの?」

「お兄さんに任せられるかしら?」

「あさ、私がやるわ!」(汗)


「あさは使えそうなものあったか?」

「アスパラガスとしめじのカレーを作ろうかと……」


「アスパラ、今シーズンだな。」

「うちの庭にもニョキニョキ生えてます。」


「しめじって、採ってきたんですか?」

「森でよく採れるんだよ。アスパラガスもじゃがいもも、ダンジョンの中で農家が栽培してるぞ」

「えっ?」

「ダンジョンの中に、色々な野菜の栽培に適した階層があってな、その階層のほぼ全域が畑だ。」


「もちろん、城外にも畑はあるわよ。でも、撃ってくるでしょ。命かけて作れっては言えないわよね。作ってくれてるけど。」

「ほんと、戦争って迷惑ですね。」


「で、あさ、カレーの作り方、エリーたちに教えてくれるかしら?」

「自分で覚える気はないにゃ!」

「ジュリエットだものね」(笑)


「うん。このあと準備して、カレーの試食して、一緒に美味しいカレーを作りましょう。」

「あさ、この甘い野菜のコツ、教えてくれるにゃ?」

「このカレーが家で食べられるのは、嬉しいな。」



「おじいちゃん、来たよぉ。美味しいのって、何?」

「おっ来たな。」

「父さん、この香りは美味しいもの香り?」


「これがカレーの香りだ。辛いけど美味しいぞ。で、アイ母さんは?」

「ギルドのお留守番がいなくなるわよって。紅葉ちゃんたち連れて行ったわよ。」

「美味しいの、みんなのも買ってきてねって。おばあちゃんが言ってた。」

「言ってた。」


 今日もクイーンさんとは会えないみたい。ギルドではお会いできるかな?


 ……


「アイさん、のぞみちゃん、ことりちゃん、いらっしゃいませ。」

「こんにちは。あささん、この刺激的な香りは何?美味しいもの?」


「ふふ、食べてみますか?」


「アイ、めっちゃ辛いけど、美味しかったのにゃ!」

「私も食べた!美味しかったぁ〜」


「あ、カザリ!久しぶりぃ〜。元気してた?」

「アイぃ〜。たった今大変だったぁ〜。旦那が死ぬかと思った!」(涙)

「えぇぇ〜」(驚)


「魔法弾が弾いた岩のかけらが、旦那の足に当たって、大怪我したの!」

「あそこで歩いてるわよ?」(笑)

「あさお姉ちゃんが直してくれたの!」


「えぇっ?ココちゃん。……あささんって、すごいの?」

「りおオジちゃんが骨をパズルみたいにして、あさお姉ちゃんがダメなとこ取って、治してくれた。」


「あささん、詳しく聞いてもいい?」

「いいですけど、カレー試食しながら、目撃者から聞いてもらっていい?……自分で話すのは、ちょっと恥ずかしいので。」(小)


 あさの声がだんだんデクレシェンド、ディミヌエンドして行った。


「ココちゃん、あささんはお姉ちゃんで、りおんさんはオジサンなの?」

「うん。合ってるでしょ」

「合ってるなぁ〜」(汗)


「アイさん、そこで納得しないで。訂正お願いします。」

「ご自分で……。頑張ってね。」(笑)


 ココちゃんの思い込みを訂正するのは、……無理だな。大きくなるのを待ちましょう。


 そうこうしてる間に、シシカゲくんとお友達のサリーちゃん、シンシアちゃん。それとママ友軍団さんたちがやってきた。


「美味しいカレーライスの試食です。召し上がる方、いらっしゃいますかぁ〜」



 社長と悪代官夫婦みたいな駆け引きが地主同士であるのかどうかは……わかりませんが、駐車場代は足立区の端っこのリアルな相場です(社員割引前)。安いでしょ(笑)。


 次回はカレーライスの試食とカレールーの販促を兼ねた、甘い野菜のカレー教室が始まります。ギルド見学とか、どうなったんだっけ?(笑)


 「駐車代交渉の掛け合いが面白かった!」「今すぐカレー食べたくなった……」「ココちゃんのおじさん呼び、いつまでもそのままで居てね!」など、どこか少しでもクスッと共感してもらえたら嬉しいです。

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