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異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です 〜高校生と店長夫婦のほのぼのバトルな日常にアイドル社長が乱入する〜  作者: 柿野たね(カキノタネ、旧:夏紀 田燃)
第1章 異世界でコンビニ始めました

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3/9

第3話  こやつはまる? 異世界コンビニスタートです

 朝の(ひと)騒動でどっと疲れが襲ってきた店長浅田。まぁ、疲れだけでなく社長や上司⁈、わけわからんけど親切なドワーフさんとハプニングメーカーの続出。まともな普通人・モブは疲れぬわけがない。いや疲れるべきであろう…(著者も疲れている。3話目が長すぎて眠れなくなったから、二つの話にして深夜に書き足してる)。

 僕が口癖の「疲れたぁ〜」を連発すると奥からいつも通り「「わんわん」」騒ぐ声…。真っ白なチワキー⁈ のスノーとアッシュグレーのポメシュナのノエルがバックヤードで怒ってる。2匹ともお祝いに来たんちゃうん? 僕が「疲れたぁ」ってちょっと言ったら怒るのはやめてくれない? これは我が家のわんこの伝統らしい…。どうしてそうなる?

 寂しがりやで家に放置するとノエルが吠え続けて、ご近所迷惑なので、コンビニのバックヤードに特別な一部屋、ドックルームの追加を特務室にお願いしたのだ。


「スノーはこっちでちゃんと夜はお留守番してるのに、ノエルはわがままじゃねぇ〜」

「しょうがないだろ、生後2ヶ月目からずっと飼い主と一緒なんだもんねぇ。おとんと娘だもんねぇ。」


 スノーはこの世界に生まれて3年も一匹で頑張ったらしくて、夜は逆に静かなコンビニのドッグルームが気に入ったそうだ。ここはまると違う?まるも「そろそろ寝ますか?」って僕の言葉に反応して布団に向かう()い性格でした。



「ノエルはあっちもこっちも行き来できるけど、異世界生まれのスノーはあっちいけないもんね。それはちょっと寂しい。近所の川沿いの森の遊歩道一緒に歩けたら、懐かしいだろうにね。まるかどうか確かめられるのに…。」


 あさにとっては、とても寂しいことなのだ。スノーはなんと…、5年前に突然息を引き取った我が家の愛犬まるにそっくり。こちらに転生してた?…と、思うほどそっくりで、見つけた今は3歳の捨て犬。あまりにそっくりで、出会った時も座ってる僕の足の下に潜ってきて丸まった。これもまるとの出会いの時とそっくりで驚いたものだ。


「額のシミまで似てるんだよなぁ〜おまえ、まるだろ?」

「まるよね…」


「スノー〜カエデお姉ちゃんと遊ぼ」

「「スノーはまるなんだよ!」」

「ハイハイ!5年前と3年前、時差があるでしょ!スノーはスノーなの!」


 スノーにまるとつけようとした時も、反対されたんだよな。


「そか、それよりみんな働かなきゃ!逃避行禁止!」

「「「最初にスノーとノエルに逃避したのは誰なん?」」」



 人付き合いが苦手なカエデはバックヤードで大婆ちゃんと在庫管理。冷蔵庫のドリンクを裏から補給したり、品出しの準備したり…。あさのお婆ちゃんは片付けスキルSクラスなので、92歳にして立派なスタッフ。コンビニ戦士なのです。重いものが多いので、実際運ぶのはカエデと応援スタッフの福田実くん。カエデは店舗入り口まで。そのあとカートで店舗に並べるのは実くんの担当…。しばらくは応援続けてもらえると助かるなぁ〜。「室長、よろしく」って言っておかなきゃ。

 今日の3人は店内カメラの確認も併せて担当なので、結構忙しいはず。スノーとノエルは映像と気配でお手伝いしてるつもりです。はてさて、実際にはどうなんでしょうね?何しろ異世界ですからねぇ〜こちらもスーパースキル持ちとか、あるといいなぁ〜



 はてさて


 最初に入っていただいた30名のお客様…。流石に一番前の列で聞いていただけあって、ほぼ皆さんお店の新しいシステムを楽しんでおられる。

 冒険者のパーティーが10組、カップルパーティにツイン(同性組、お仲間)4組、あと4人と5人の混成パーティはいきなり大量買?なんでそんなに商品のこと把握してるのぉ?って、食い物優先だからか…。すでにカゴ3つに放り込んであるのか。そういえば、「集中討伐が始まるらしいぞ」ってドワーフのドボルジンクさんが演説してたね。


「たくさんのお買い上げありがとうございます。お困りのことありませんか?」


 5人パーティの可愛いケモ耳、山猫のお嬢さんに声をかけてみた。レジのあさの目がちょっと怖かった。他意はない。偶然である。冤罪じゃぁ。


「あ、りおん店長、はじめまして。入ってすぐはドキドキしましたが、今は美味しそうなものがいっぱいで、違うドキドキを楽しんでます。明日の討伐を前にして色々試食して、早朝買い貯めてからギルドに行こうかと。そういうやつ多そうだから明日は二手に別れようかと話してたとこです。

 ご挨拶はまたの機会に…。並んでる次の人たちが待ってますからねぇ〜」

「はい、ご配慮ありがとうございます。パーティ名だけお聞かせいただけるとうれしいです。」

「獣人パーティ『龍の槍』と言います。ドラゴニュート二人が中心のパーティですにゃ…。」


「にゃ」、いただきました。


 そういえば、ご挨拶してる後ろでお弁当を吟味してる強そうなお二人。ピンクのカゴの中は大盛りトンカツ弁当と大盛り唐揚げ弁当、大盛り牛丼がそれぞれ3個づつ。あとは海鮮丼とサンドイッチ、手作りおにぎり特大などなど、こちらは女性メンバー用?大量にお弁当が籠の中に移動中。

 追加のカゴ、いるかな?パンのコーナーの二人ともアイコンタクト。連携取れてま〜す。優秀!白い食パン、美味しいですよぉ。


「あちらのお薬コーナーにも、お役に立つものがあるやもしれません。ごゆっくりお買い物をお楽しみください。」

「はい、色々みて回りたいです。楽しすぎぃ〜。」


 実はユン◯ルなどスタミナドリンクをご挨拶にとギルドマスターに進呈してみたところ、MP充填補助性能があることがわかり、1本で魔力がかなり補給されることがわかったのだ。魔法使いはもちろん、剣士や盾使いの肉体強化魔法にも有効だということがわかった。まだ、どの種族に効果があるか実証されてないので、お客様の反応をみようという作戦。

 他にもハイドロタイプの絆創膏もすごかった。うっかり包丁で切った手の傷にギルドマスターの奥さんが貼ってみたら、日本だと数日かかる傷が一晩寝てる間に治ってて、効果がすごかったらしい。ギルマス夫人て、何の種族なのか聞き忘れてた。今度ご挨拶できたら分かるかな?

 あとはおひとり様。あれはギルドマスター?あれ、そういえば招待してたのに、壇上でご挨拶してもらわなくて良かったのかぁ?もしかして列に並んで待ってたの?開店セレモニー前にお店に来られなかったわけだ…。(汗)



「おはようございます。ギルマス。ご挨拶遅れてすみません。」

「あ、店長、開店おめでとうございます。開店初日から盛況ですね。無理なお願いを聞いてもらった甲斐がありました。」

「いえいえ、ギルマスの熱意でここまで来れました。こちらこそ、私に声をかけていただいて、ありがたい限りです。仕事が停滞してたところですから、渡りに船でもありました。」

「えぇ、優秀なデザイナー兼マニュアルライターを引き抜いたと、業界の方々に怒られそうです。」


 実は、デザイナー全員が使っているのではというほど有名アプリのマニュアル本を手がけたりと、業界では少し活躍しかけていたが、若気の至りで確認を怠ったり、身の丈以上の仕事をしたりと、少し前から受注が減ってきていたのである(筆者もふと思う事はある…)。



「セレモニーでは挨拶をいただくはずでしたのに。お見えにならないと思ったら、列に並ばれていたんですね。バイトくん達気付いてよって感じですね。すみません。」

「いやいや、お店に入ろうと歩いてたら、列に並んでいた冒険者達に、ギルマスも並ばなきゃずるいって引きづり込まれまして。あいつら話しきかない、理解力ない、寝坊助ばかりで列の最後尾辺りで捕まってたんですが、店長の説明中に康太くんが気付いてくれて、慌てて最前列に回してもらえたというわけです。褒めたげてくださいね。」


 ギルマスいい人すぎます。明日からの集中討伐、大丈夫か?

 集中討伐って何討伐するの?


「では、ごゆっくりお楽しみください。あとで事務室でお茶でも…。」

「はい、後ほど…。家内も来てますので一緒に伺います。」


 おぉ、美人と噂の奥様。やっとお会いできる。って、レジから殺気が…。我が家の奥様が一番の美人です。間違いありません。

 あとはお子様連れの主婦もちらほら、お菓子のコーナーでお子様ぐずらないといいですねぇ。


「小さなお子様向けのおもちゃもあちらにあります。今日はお子様連れの方には半額セールとなってます。良いおもちゃをお探しください。」


 お、行列整理担当から移動したあゆみ、ナイスフォローです。チビちゃん嬉しそう。お母さんもほくほく笑顔。お店も嬉しい…。


「接客上手いやん!」

「おじっ…。…店長、見てたのぉ」

「外、康太と特務室スタッフさんで大丈夫だって」


 お、康太とことりちゃんを取り持とうってか?兄への配慮ってやつですか?叔父さん、勘ぐりすぎです。あささんに叱られますよ。


 何やかんやと平和に過ごしている開店初日の朝なのでした。

 このまま平和に1日終わりますように…。

 康太の恋が実りますように。アーメン…って、こういうのフラグっていうの?

【初投稿記念連投第3弾】第4話は6月5日金曜日16時です。週末金土日と1話ずつアップします。


「帰ってきたらプロポーズする」とか、平和な恋愛事とかって、フラグになりやすいですよね。ラノベの定番なんですかね。定番を避けたがる筆者としては、そんなお約束はいらないって思うのです。

 思ってはいるのですよ。はい。高評価、していただけるような作品になるよう、日々精進してまいります。次回もお楽しみください。

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