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異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です 〜高校生と店長夫婦のほのぼのバトルな日常にアイドル社長が乱入する〜  作者: 柿野たね(カキノタネ、旧:夏紀 田燃)
第1章 異世界でコンビニ始めました

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第2話  オープニングセレモニーに来るわ来るわ

 ……すったもんだ色々ありました。すでに疲れた!

 開店前にドワーフさんが入店し、助っ人も登場。いよいよ開店セレモニー…。お店の前には200人を超える人たちがきちんとジグザグの通路に並んでいる。お前ら日本人か?

 混雑が予想されたので、開店日を冒険者が忙しい平日に…。効果なかったかなぁ? あれ?ドワーフさんは先頭に並んでたわけじゃないよね?どうやったんだろ?

 兄妹コンビで頑張ってくれている二人に声をかけた。



「康太ぁ、交通整理、誘導、ご苦労様。あゆみもありがとね。」

「おはよう。深夜からの方がいたらしくて、ちゃんと列に並んでもらうの疲れたよ。」

()()()っ、じゃなくて、店長おはようございます、⁈」

「えっ?ウニクロ並に早くから並んだ人いたの?(驚)牛乳とあんぱん配るわけじゃないのに?」

「うん、最初の冒険者さんは2時から並んだって。ギルド出たあと居酒屋で飲んでて、家に帰ったら寝てしまいそうだから、並んでたんだって。時代劇みたいな格好してた。もう誰かいるかなって、気になって5時に見に来てみたら、もう20人ぐらい居たヨォ。」

「あゆみもおはよう。叔父さんって呼ばないようにな。」(小声)


 時代劇で深夜って忍者かな?暗闇には忍者だな。


「おつかれさま…。早朝手当出すからね。



 ところでドワーフさんって、どうやって入店したの?お一人先に入っちゃったんだけど…」

「毛むくじゃらのドワーフさん、居たの?」

「あ、ごめん。誰か先に入ったの?」

「うん。ドワーフさんが一人、鍵開けた途端に入って来て、うっかり接客してしまったから、もう先にお店の中で買い物されてる」

「「りおちゃん、もうやらかしとるし 」」

「まぁな!店長って呼べ!」(怒)

「全く気がつかなかった。魔法とか?ギルドに言ったら何とかなる?セキュリティ強化とか…要検討?」

「自動ドアに魔法解除の結界つけてもらおうか?そういうのあるといいね。あれ?そういう結界つけてるよね?」

「さすがオタク。色々やらかしてますねぇ〜」

「お前ら兄妹には言われたないわ!」

「家系ですから。」


 低めの声とジト目で呆れたようにいうな!まぁ、あさを見てたら、オタク家系だよな…。洋楽・洋画・声優オタクだもんなぁ。声フェチ?


 さて、準備も終わったし、並んでるお客様にはドワーフさん気づかれてないようだし。気づかれたら、最終チェック担当のお客様ってことにしてしまおう。



 はてさて


 いよいよマイクを持って挨拶しようとしてたら…


「おはようございます。城壁の向こうでは爆音響いてますが、良い天気ですね。店長、体調も顔色も良いですね⁈。」


 そういえば、爆音なってる?広場がうるさいから、気づかなかった!


「えっ?…いらっしゃったんですか?今朝は全体会議があるから来れないって…」

「ふふっ、人生にはサプライズが必要です。」



 これ以上はないって笑顔で登場したのは鈴木鴉瑠徒(あると)社長。かつての名子役。まるまるの鈴木くんにイケメン度を足した感じ。経営者の中では二枚目?ファミプの3代目社長…。キラキラネーム世代。いきなり僕からマイクを奪うと集まったお客様たちに向かって挨拶を始めた。さすが本職である。


「おはようございます。早朝からお集まりいただきありがとうございます。しばらく前に突然現れたこちらにお店。皆さん驚かれたのではないでしょうか。こちらの『ファミリーストップ』はこの国では新しい形態のお店であります。『コンビニエンスストア=コンビニ』という形態のお店です。」


「「「なんじゃそりゃ」」」

「「なんなのよ、それ」」


「張り出しました『開店のお知らせ』にも書きましたが、こちらは冒険者ギルドと提携して、お持ち帰りの食事やお飲み物、生活雑貨やお薬、お菓子や調味料、お野菜やお肉も販売いたします。」


「「雑貨屋や八百屋とは…違うのかい?」」


「品揃えは雑貨屋さんや八百屋さんの方が豊かでしょう。お買い得品も当店は少し負けるかもしれません。」


「「「わしらは損するんか⁈」」」


「ただ、便利だったり、美味しかったり、当店でしかお手にできない商品もかなりあります。そちらをここで紹介するには時間もありませんので、この後お店の中で宝物を探してください。ここはダンジョンの街です。コンビニにもこの街にしかないお宝が隠されているかもしれません。」


「「「「「ゲットしたらもらえるのか?」」」」」


 さすが冒険者…ガメツイ!


「いえいえ、そちらは商品ですので、レジにてお買い求めください。お買い得品ですから、損はさせませんよ。

 たくさんの商品を陳列しているので、お店は少し狭いのです。ですのでお客様が一度に入れません。お並びいただいた順番に最初30名入店していただきます。その後、退店された人数ずつ入店していただきます。商品はたくさん揃えています。ぜひ、お買い物をお楽しみください。」



 100人入っても大丈夫!だけど、居心地良く過ごしてもらおうと、人数制限。初日から連休のサービスエリアのコンビニみたいじゃスタッフもやでしょ。


「「ふむふむ。それで我々はグルグルと並んでおったわけだな。」」


「さてさて、入店されましたら、こちらの小さなカゴかこちらの大きなカゴを一つ手に取ってお進みください。そして気に入った商品がありましたら、カゴに入れ、続けてお買い物をお楽しみください。詳しっ………」


「「そのカゴごと持って帰って良いのか?」」


 社長は挨拶して僕と交代と思ったら、客のツッコミのせいで続けて説明に入ってしまって、僕の仕事は?まぁ、楽でいいけどね。


「こちらのピンクのカゴはお支払い時にレジにて回収、商品はレジ袋というこちらの(うぐいす)色の紙袋に入れてお渡しします。こちらはお買い上げいただいたという証になりますので、そのままお持ち帰りいただいて、破れるまで様々なことにお使いください。いろいろ使えますが、薄いので数回使うと破れます。

 お買い物の度に新しい袋に入れて、お渡しします。

 ピンクのカゴでお店の外に出られますと警備の冒険者に呼び止められますので、くれぐれもご注意ください。」


 レジ袋は足りないナフサ対策として、紙袋に。商品のパッケージはしょうがないとそのままに…。後で大変な事態になるとは…エヘっ


 ふう、あとは営業時間とかかな?



「こちらのお店は冒険者の朝に合わせて朝6時から夜9時の間営業します。夜8時の城門閉鎖に間に合えば、お買い物も可能ということです。

 ただし、テスト期間として今日と明日は夜10時まで営業いたします。


 さて、うっかりお店についての説明をしてしまいました。この後詳細は店長の浅田に変わりますが、私からのご挨拶を…。」


「「そいや、あんただれや?」」


 ガクっ!

 お前ら大阪人か!ってぐらい、ツッコミ入れてくる客やなぁ〜。疲れるわ!


「では、ごあいさつを…。わたくし、こちらの『ファミリーストップ』を運営する『株式会社ファミリーストップ』の鈴木鴉瑠徒と申します。まぁこちらのお店を統括する商会と覚えて頂ければと思います。『ファミリーストップ』は長すぎるので可愛らしく『ファミプ』と…鈴木鴉瑠徒も長いのでアルトとお呼びください。ちなみにアルトは私たちの国の小さな小さな馬なし馬車の愛称です。親の愛車だからとこんな名前にされてしまいましたが、こちらではなかなかかっこいい名前のようで嬉しい限りです。なんでも勇者様と同じ名前なんだそうですね。」


「おぉ商会長殿はアルトというのか…確かに100年前に共に戦った勇者の奴と同じ名前じゃの…」もぐもぐ…



 ??ドワーフさん??

 買い物終わったの?勇者友達なの?


 お店の鶯色の買い物袋に大きな手作りおにぎり4個とリンスインシャンプー、振動式髭剃り、シェービングクリーム、ついでに特選肉まん(1.5倍サイズ)3個が入って、角煮おにぎりを右手に持って、済ました顔でもぐもぐ食いながらお店を出て来たドワーフさんが立ってました。さらに背中にはお買い上げテープ付きのティッシュペーパー5個入りをふたセット担いでいます。専用魔石5本セットも何気に入ってるし。ま、あの髭じゃいるかもなぁ…。


「「「「「「ずるいぞドボルジンク爺さん」」」」」」


「悪いのぉ〜この後も仕事で急いでおったから、ちょっと先に入らせてもらった!なんでも明日から集中討伐も始まるらしいから、早めに買い物した方が良いぞ。なかなか良いものがあった…。

 この髭剃り、シェーバーつーのはなかなかじゃぞ。このクリームの泡泡は絶品じゃ。肌も痛とうならん。(かわや)に洗面台つーのがあっての、ちょっと試させてもらった。我慢できんときは厠も使ってええそうじゃ。それにな米のおにぎりも絶品じゃが、うまそうな角煮はあと何個かしかなかったのぉ。このティッシュつーのもやわらこーて、何に使えばええんかわからんが、つい買うてしもうた。かみさんが喜ぶのぉ……………」


 その後も買った商品を紹介して颯爽と鍛冶場に戻って行ったドワーフさんドボルジンクさんなのでした。


「ドボルジンクさん、お買い上げ、並びに商品紹介ありがとうございます。おにぎりは追加作成中です。またのご来店お待ちしてます。」

「おぉまた来るぞぉ〜」


 えっ?聞こえてたの?かなり遠くから返事をして走り去って行ったドボルジンクさんでした。


「はてさて、挨拶は終わりましたかね?では、この後は店長に引き継いで、お店の使い方を…。まぁ、だいたい説明しましたかね?」

「はい、店長の浅田りおんでございます。『りおん』とお呼びください。ダンジョン街の皆さんと末長くお付き合いいただけるよう、頑張ってまいります。」


「「「「がんばれよぉ〜」」」」


「はい。よろしくお願いします。

 で、こちらのピンクのカゴに商品を入れて、店員が立っている二つのカウンターのレジのどちらかに並んでください。順番にお会計を進めて参ります。

 お支払いは現金かギルドカードの冒険者Payでお支払いが可能です。これまでのギルドカード払いはこれからは『冒険者Pay』と呼ばれます。即時決済確認が可能になりました。」



 はてさて


「色々と説明しましたが、まずは皆様新しいお買い物のシステム。ショッピングをお楽しみください。わからないことがありました、私と同じ鶯色の制服を着た店員にお声掛けください。丁寧に説明いたします。」


 政治家みたいな挨拶してしまった。「丁寧に説明」って政治家言葉が大嫌いなんだよね。それって、「説明してやるから、わがまま言わんと納得せい」って言ってるんだよね。お前らの意見なんて聞く気はないぞって…。閑話休題。店員さんはお客様の声に耳を傾けつつ、丁寧に説明して欲しいもんです(あささん、わかりました?)。


 ふうぅ。オープニングセレモニーもひと段落。ちゃんと説明できたかなぁ?すったもんだありましたが、なんとか最初の30人も入店。ゆったり速やかにお買い物を楽しんでいただけるといいのですが…。社長が来たり、ドワーフさんの乱入があったり、浪速庶民のツッコミがあったり、大変なひと時でした。少し、休憩してもいいよね。休憩したいよね。……無理だよねぇ〜



 はてさて


 挨拶はゆっくり丁寧に、一言一言心を込めて。店長研修で習った大切な基本です。


「いらっしゃいませ。

 おはようございます。

 お買い物、お楽しみくださいませ。」


 いよいよ異世界初のコンビニ『ファミリーストップ』開店です。

 お店も商品も、お客様に冒険者の方々に気に入って頂ければ良いのですが…。店員もストレスなく働けるといいですね…。特にあさが心配です。意外と匂いやストレスに弱いんです。冒険者さんたちの体臭対策、本社の空調担当にお願いしたのですが、うまくいくでしょうか?


 それにしても街の外の魔法弾の爆音は大丈夫なんでしょうかね?爆音響く街ってわかってて出店したのすが、あの音はちょっとどころかとっても怖いスタッフ一同なのでした。

 無事2話目投稿、別の世界に本当に繋がってるところがあるような気がしてくるこのお話…。気に入ったよという時にはお気に入りに登録してください。お気に召したらで大丈夫です。お気を遣わず良い時に…。

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