↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です!〜今日も足立区から通勤。グルメS級冒険者、常連主婦と現代の魔道御庭番の強力タッグで“美味しいバトルの連続です!”  作者: 柿野たね
第1章 営業初日・異世界でコンビニ始めました

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/201

第2話 突っ込みだらけの波乱の開店セレモニー。特大角煮おにぎり神レビューの乱入ドワーフも……

「康太ぁ、交通整理、誘導、ご苦労様。あゆみもありがとね。」


「おはよう。深夜からが大勢並んでたよ。

 こっちの行列も綾瀬や竹ノ塚と変わらない。めっちゃ疲れたぁ〜」


「あ、り(・)お(・)ち(・)っ、じゃなくて、店長おはようございます⁈」

「あゆみもおはよう。叔父さんって呼ばないの、偉いな(小声@頭撫で)」


「エヘッ」


 店頭自動ドアを通って広場へ。朝から兄妹コンビで頑張って行列整理をしている二人に声をかけた。


 康太は高3、あゆみは春樹と同じ高1。春から3人は同じ公立高校に通ってる。普通科。あさちゃんのお姉さんの子ども達。……住まいも近所。



「えっ? ウニクロ並に並んだの?……牛乳とあんぱん配るわけじゃないのに?」

「うん、5時に見に来てみたら、もう20人ぐらい居たよぉ。」


「そろそろお腹空いてきたって……。」

「早く開けてくれないかなぁ〜って。」


 後ろの冒険者さんが、うんうん頷いてた!

 ふふ、おにぎり増産しといてよかった!正解かな!


「最初の冒険者さんは2時から並んだって〜」

「居酒屋帰りに、寝ちゃいそうだからって言ってた。……時代劇みたいな格好してた。」


 時代劇で深夜って忍者かな?…… 暗闇には忍者だな。うん忍者!



「おつかれさま〜早朝手当出すからね。」


「「やったぁ〜」」


「ところでドワーフさんがお一人先に入っちゃったんだけど……」

「ドワーフさん? 毛むくじゃらの?」


「うん。ドワーフさんが一人、鍵開けた途端に入って来て、うっかり接客してしまった。

 ……先にもうお店の中で買い物されてる」


「「りおちゃん、もうやらかしとるし 」」

「まぁな!店長って呼べ!」


「全く気がつかなかったよぉ〜……セキュリティ強化とかするの?」

「まぁ、もうやってるから、大丈夫だろう。」


「「さすがオタク」」


「お前ら兄妹には言われたないわ!」


「「家系ですから〜。」」


 低めの声とジト目で呆れたように言うなよ!……まぁ、あさを見てたら、オタク家系だよな…。洋楽・洋画・声優……。声フェチ?


 さてドワーフさんは、バレた時は最終チェック担当のお客様ってことに…。



 後ろのお兄さんたちが、下半身中心にストレッチ始めた!

 主婦のママさんたちも小さな子供を背負い直した。

 早い者勝ちだと思ってない……?



 いよいよだ。マイクを持って挨拶しよう……。


 トントン……「あぁ〜あ、マイクのテスト中!」


「店長、おはようございます。」


「えっ?社長?……なんで?……いらっしゃったんですか? 」

「城壁の向こうでは爆音響いて、さわやかですね〜……りおんさん体調も顔色も良さそうですね。」


 そういえば、爆音鳴ってる?…… 広場がうるさくて、気づかなかった!


「今朝は全体会議があるから来れないって……」

「ふふっ、人生にはサプライズが必要です。」


 したり顔のこれ以上はないって笑顔で登場したのは鈴木鴉瑠之(あるの)社長。かつての名子役。まるまるの鈴木くんにイケメン度を足した感じ。経営者の中では二枚目?

 ファミプの3代目社長……。キラキラネーム世代。


 まるまるもりもり♪



 いきなり僕からマイクを奪うと集まったお客様たちに向かって挨拶を始めた。さすが本職。


「おはようございます。早朝からお集まりいただきありがとうございます。

 この新しいお店。皆さん驚かれたのではないでしょうか。


 こちらの『ファミリーストップ』はこの大陸初出店『コンビニエンスストア=コンビニ』という形態のお店です。」


「「「なんじゃそりゃ」」」

「なんなのよ、それ」


「冒険者ギルドと提携して、お持ち帰りの食事やお飲み物、生活雑貨やお薬、食料品を販売いたします。」


「雑貨屋や八百屋とは…違うのかい?」


「品揃えは雑貨屋さんや八百屋さんの方が豊かでしょう。価格も少々高いです」


「「わしらは損するんか⁈」」


「便利で、美味しい、当店でしかお手にできない商品も取り揃えてます。

 ここはダンジョンの街です。このコンビニにもお宝が隠されています。」


「ゲットしたら、貰っていいのかぁ〜?」


 さすが冒険者…ガメツイ!


「レジにてお買い求めください。商品には自信があります。損はさせませんよ。」


「レジって、何ぃ〜」


「お会計カウンターです。……入店は先頭の方から30名ずつ。先のお客様の退店ごとに入れ替わりでご入店いただきます。」


「えぇ〜早い者勝ちだって聞いたわよ!」

「さっきから準備体操してたのにぃ〜」


「はい。早く並んでいただいた方から、順に入店いただきます。」


「あ、もう順番決まってるのかぁ〜」

「このあと、競争だと思ってた〜(笑)」


「難しいのか、分かりやすいのか……」

「よぉわからんぞ。」



「お並びの順番に、ゆっくりお買い物をお楽しみください……ということです。」


 100人入っても大丈夫!だけど、居心地良く過ごしてもらおうと人数制限。初日から連休のサービスエリアのコンビニみたいじゃスタッフもいやでしょ。


「「ふむふむ。それでグルグルと並んでおったわけだ。」」


「入店後、こちらの大小どちらかを一つ手に取って、

 気に入った商品がありましたらカゴに入れ、お買い物をお楽しみください。詳しっ………」


「「そのカゴごと持って帰って良いのか?」」


 社長は挨拶して僕と交代と思ったら、くい気味の客のツッコミのせいで続けて説明に…。

 僕の仕事は?


「こちらのピンクのカゴはレジにて回収、お買い上げ商品はレジ袋というこちらの鶯(うぐいす)色の紙袋に入れてお渡しします。」


「「「かわいい〜」」」


「こちらはお買い上げいただいたという証になりますので、そのままお持ち帰りください。……お買い物の度に新しい袋に入れて、お渡しします。」


「「タダなの〜!(嬉)」」


「ピンクのカゴのままお店の外に出られますと警備の冒険者に呼び止められますので、くれぐれもご注意ください。」


「さて、うっかりお店についての説明をしてしまいました。」

「うっかり、説明しとったんか!」


「この後詳細は店長の浅田に変わります。……最後に私からのご挨拶を…。」


「「そいや、あんただれや?」」


 ガクっ!

 お前ら大阪人か!ってぐらい、ツッコミ入れてくる客じゃなぁ〜。疲れるわ!



「わたくし、こちらの『戦場のファミリーストップ』を運営する『株式会社ファミリーストップ』の鈴木鴉瑠之(あるの)と申します。統括する商会のトップです。『ファミリーストップ』は長すぎるので可愛らしく『ファミプ』と…鈴木鴉瑠之も長いのでアルノとお呼びください。」


「アルノ?どっかで聞いたなぁ〜」

「隣の婿のいとこの嫁の親戚?」

「それ、だれや!」


「ちなみにアルノは小さな馬なし馬車の愛称です。」


「ウマなしでどうやって動くんやぁ〜?」


「親の愛車だからとこんな変な名前に……。なんでもこちらの大陸の勇者様と同じ名前なんだそうですね。この名前が大好きになりました。」



「おぉ〜商会長はアルノというのか……」

「はい。勇者さまと同じ名前です。」


「確かに100年前に共に戦った勇者の奴と同じ名前じゃの…」

 もぐもぐ…


 ??ドワーフさん??

 買い物終わったの? 勇者お友達なの?

 あぁ〜そっちから現れたら、バレちゃうぅ〜


 お店の鶯色の買い物袋に大きな手作りおにぎり4個とリンスインシャンプー、振動式髭剃り、シェービングクリーム、ついでに特選肉まん(1.5倍サイズ)3個が入って、角煮おにぎりを右手に持って、済ました顔でもぐもぐ食いつつお店を出て来たドワーフさんが立ってた。


 さらに背中にはお買い上げテープ付きのティッシュペーパー5個入りを2セット担いで、専用魔石(単4乾電池)5本セットも何気に入ってる。


 ま、あの髭じゃいるかもなぁ…。



「「「ずるいぞドボルジンクの爺さん」」」


 行列に並んだ人たちから一斉にクレームが響いた!


「悪いのぉ〜この後も仕事で急いでおったから、ちょっと先に入ったのじゃのぉ!

 明日から集中討伐、……早めに買い物した方が良いぞ。


 なかなか良いものがあったのぉ……。

 この髭剃り、シェーバーつうのはなかなかじゃぞ。」


「おぉ、爺さん、さっぱりしとる!」


「このクリームの泡泡は絶品じゃ。肌も痛とうならんの。

 厠(かわや)に洗面台つうのがあっての、ちょっと試させてもらった。

 我慢できんときは厠も使ってええそうじゃのぉ。」


「トイレも借りていいのぉ〜。」

「交代で、子ども見とけば、外でもお手洗いに行けるのね」

「家でもうるさくて、大変なのよぉ〜」


「それにな、米のおにぎりも絶品じゃが、うまそうな角煮はあと何個かしかなかったのぉ。」


「「「あっずるい、腹減った!」」」


「このティッシュつうのもやわらこ〜て、何に使えばええんかわからんが、つい買うてしもうた。

 かみさんが喜ぶのぉ……………」



 その後も買った商品を紹介して颯爽と鍛冶場に戻って行ったドワーフのドボルジンクさん。ややこしいけど、覚えやすい名前だ。

 ツッコミ、ほぼ無視!……コツがあるのかな?


「ドボルジンクさま、お買い上げ、並びに商品紹介ありがとうございます。

 おにぎりは追加作成中です。またのご来店お待ちしてます。」


「おぉまた来るぞぉ〜」


 えっ? アルノの声、聞こえてたの? かなり遠くから返事をして走り去って行った。



「はてさて、挨拶は終わりましたかね? では、この後は店長に引き継いで、お店の使い方を…。まぁ、だいたい説明しましたかね?」


「はい、店長の浅田りおんでございます。『りおん』とお呼びください。

 ダンジョン街の皆さんと末長くお付き合いいただけるよう、頑張ってまいります。」


 浅田りおん、僕の名前。御子さまを信仰してる爺さんがつけた。



「「「がんばれよぉ〜」」」


 冒険者や主婦、子供達まで、大歓迎の言葉を叫んでくれた!


「はい。よろしくお願いします。


 こちらのお店は冒険者の朝に合わせて朝6時から夜9時の間営業します。

 夜8時の城門閉鎖に間に合えば、お買い物も可能です。

 ただし、今日と明日は夜10時まで営業いたします。」


「ダンジョンで遅くなっても、間に合うつーことだな!」


「お会計は店員が立っているカウンターの二つのレジのどちらかに並んでください。順番にお会計を進めて参ります。」


「「後払いでいいのぉ〜」」

「ゆっくり見ていいのぉ〜」


「お支払いは現金かギルドカードの冒険者Payでお支払いが可能でございます。即時決済、確認が可能でございます。」


「あとで足りないって、言われたりしないの!」

「すぐわかるのって、いいわね!」


「ねぇ、足りなかったら、立て替えてくれる?」

「いやよ、あんた、返さないじゃない!」

「ちゃんと返してるわヨォ〜」

「月末まで、待たされるじゃない!」



 ……主婦が数人、言い合いを始めた。激化しそう!



「あ、喧嘩はあとでお願いします。」


「「「あら、このぐらい、茶飲み話よ!」」」



「あっ(汗)……色々と説明しましたが、まずは皆様新しいお買い物のシステム。ショッピングをお楽しみください。」



 大阪より過激!



「わからないことがございましたら、この制服の店員にお声掛けください。

 ……丁寧に説明いたします。」



 政治家みたいな挨拶してしまった。「丁寧に説明」って政治家言葉が大嫌いなんだよね。それって、「説明してやるから、わがまま言わんと納得せい」って言ってるんだよね。お前らの意見なんて聞く気はないぞって。

 ……店員さんはお客様の声に耳を傾けつつ説明してくださいね。



「それでは『戦場のファミリーストップ・プレオ店』開店です!」


 駆け出していきそうな勢いの中盤の方々もちゃんと順番を守って、並んでくれてます。


 このあと、調理室に行きますね。フライヤー本格的に使うの、楽しみにしてたんです。

 ……唐揚げ、コロッケ、がんばろ〜




 駅弁スタイルで、おにぎり配ったら、喜んでもらえたかなぁ〜

 次の時、考えよ!




「いらっしゃいませ。

 おはようございます。

 お買い物、お楽しみくださいませ。」


 挨拶はゆっくり丁寧に、一言一言心を込めて。りおん達が、店長研修で習った大切な基本です。いよいよ異世界初のコンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です。



 執筆していると、頭の中の別世界で店長や高校生バイトの康太たちが本当に生き生きと頑張っているような気がしてきます(笑)。 夜中にふと「りおちゃぁ〜ん」と甥っ子に起こされる妄想が膨らんで眠れなくなり、そのまま一気に書き進める……なんて日々を送りながら、意外と執筆が捗っております。


 ファミプの「常連客」になってください。

 ファミプのドタバタ営業は、この先50話、100話と賑やかに続いていく予定です!


 もし「この先のお店の展開が気になる!」「ファミプを応援してあげたい」と思ってくださったら、ぜひページ下にある【ブックマークに追加】をポチッとお願いいたします。


感想や評価(☆☆☆☆☆)もお気軽にいただけると店長と執筆者の何よりの励みになります!

よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。