第10話 営業再開は熱燗と天ざるで…超大物二人はイートインで一献傾ける
営業再開。
気配がして振り向くと、自動ドアに張り付いてるドワーフさんを先頭に冒険者たちの顔が怖いので、営業を再開することに…。
♪♪たりらりら〜ん・たららららら・たりらりら〜ん♪♪
鍵を開ける前に、音量調節した。
他のファミプのメロディとちょっと違う、YM◯で有名な教授の曲の『戦場のメリーアン』にそのままの入店メロディ。室長がこっちだと著作権違反はないから、戦場のコンビニにかけて、設定したらしい。ま、いいんだろう。
フィクション扱いで報告書をそのまま『なろう』に“柿野たね”のペンネームで、こっそりアップしてるから、アニメ化の時には許可頑張って取ってもらえるといいよね。
コンビニの足りない経費は自分で稼ごうと頑張っているのよね。
そっちの方が稼げるともっといよね。ふふふ
そんなことを妄想しながら自動ドアの鍵を開けた途端、ドワーフさんを先頭に、待っていた冒険者さんたちが一斉に突っ込んできた。
事件の後だというのに、危機感なくドアを開けた。
♪♪たりらりら〜ん・たららららら・たりらりら〜ん♪♪
「いらっしゃいませ。
こんばんは。
ファミプ、本日の営業再開……」
ドン、バシィ〜ん! ……ドサッ!
避け損なって、先頭のドワーフさんのアタックで、レジ前まで跳ね飛ばされてしまった。体に纏った結界のおかげでことなきを得た。
「お、すまんのぉ…。美味しいおにぎりを夜もいただこうと思っての…。それにしても店長、上手な受け身じゃの。武道も嗜んでおるのか?」
「いえいえ、ギルドの方が、店と従業員に結界魔法を施してくださってるので、そのおかげで大丈夫でございます。」
「おぉ、あの魔道具はここに設置したのか。面白そうなアイデアでの、作るのが楽しかった。」
「素晴らしい魔道具を、ありがとうございます。」
「確かによく見ると店内に結界が張り巡らされておるのぉ。店長の装束も前に預かったものと同じじゃの。お主や小僧っ子たちにも結界が覆っておるのぉ。」
「数時間前にその小僧っ子の一人が攫われそうになりましたが、秋山先生とこの結界のおかげで、ことなきを得ました。ありがとうございます。」
「それはよかった、よかった。……よくない!いかん!あやつらに先を越された!
……角煮のおにぎりが確保できんではないか!」
「大丈夫でございます。……そちらは本日の目玉商品。奥で今もたくさん作ってございます。」
「そうか、では安心じゃのう。」
「あとで、お礼に出来立てをお持ちしますので、お買い物の後はイートインでお過ごしください。併せて秋山先生と同じものをお持ちします。」
「それでは、喜んで、馳走になるかのぉ。」
それからドボルジンクさまは日本酒一升瓶1本を最初にカゴに入れて、今度はゆっくり店内を物色されて色々目にしたものをお買い上げいただいた後、イートインの座敷で秋山先生の向かいにお座りになられたのである。天ザルと日本酒、角煮のおにぎり5個をトレーに並べて、お出しした。春樹もトレーを運んで、お二人の間に、唐揚げの盛り合わせと居酒屋おつまみセットをお皿に並べ直してお出しした。もちろん経費清算ピッは忘れてない。
「秋山先生もお食事に角煮おにぎりいかがですか?」
「そうでござるな、では馳走になろう。それがしは流石に3個で良い。ドワーフは槌を振うから、しっかり食すのでござるが、剣客は重くなっては支障があるでな。」
「おい俺が肥えてるって言いてぇの?」
「これは失礼した。申し訳ない。」
「ははは!相変わらず冗談が通じねえのぉ。100年ぶりに顔を合わせたというのに、あいも変わらずじゃのぉ。」
「そんなに会ってなかったでござるか?」
「おお、確か前の勇者の時に、お主が刀を打ってくれと尋ねてきた時以来じゃのぉ。」
「そうでござった。確かにそうでござる。」
「まぁ、わしが鍛冶場に引きこもっとるからじゃがのぉ。」
「それがしもその愛刀と共に山にこもって修行三昧でござる。」
二人は友人だったらしいが、100年も会ってなかったらしい。アルノって勇者が活躍したのは100年前だったのか。長命種アルアルかな?
あとでギルマスから、よくすれ違いざま、挨拶してたぞと聞いた。街ですれ違って会釈するぐらいはしていたらしいが、二人にとってはそれで十分だったらしい。ちゃんと邂逅するのが百年ぶりということである。尊敬しあってるからこその関係なのだろうか? 凡人にはわからない。
「ギルマスに魔道具作れと言われてのぉ。面白い仕事であったのぉ。今朝帰ったらの、作った魔道具の魔力を感じてのぉ。」
「それがし、この前におったが、気づかなかったでござる。」
「作ったわしじゃから、感じたレベルじゃの。……それを確認してみたくての、こちらに来たら、面白そうな店を見つけての、入ってみたら面白そうなこ奴らが居ったというわけじゃのぉ」
そういえば結界の範囲、鍵開ける少し前に広場まで広げたんだった。それまではお店の範囲だけだったんだよね。
「それがしもギルマスに、「新しい店ができるが創世神国に目をつけられるかもしれん」と聞かされて、こちらに参ったのでござる。」
「それで襲撃にあったとすれば、誰がやったかは推してわかるというものじゃのぉ。」
「まぁ、はっきりとはしないでござるが、厄介な奴らでござる。創世神国に目をつけられるなら、創造主様のお考えがあって、この店は作られたと。……それは守っておかなければならないのでござる。」
「あやつらの思い込みは迷惑そのものじゃからのぉ。」
『「憶測でものを言ったらいけないよぉ」老薬屋の至言より』
内緒にしとかなきゃ!
おふたりともがっちりコンビニに関わってくださり、守ってくださってることにありがたいやら知らなかったことに愕然とするやら、ドワーフさまなんて迷惑な爺さんと思っていた。(汗)
レジの側からジロッと蔑む視線が。あささん、あなたも思ってたでしょ。絶対、思ってたよね。
ドボルジンクさまは、凄腕の鍛治職人でこの街の冒険者どころか各国の上級冒険者、軍人、王族が剣を求めて列をなすほどらしい(まぁ、注文リストがキリがないという状態の例えである)。趣味で集めてる貴族たちには売らない。弱くても日々鍛錬している者には売る。そういう者はドワーフさんの剣を持つと、上達しそれが評判を生む。だからほとんど鍛冶場から出てこないで、接客も鍛治場でやってるらしい。今日2回も街に出てきたのは奇跡的らしくて、ギルマスが瓦版の号外出そうか悩んでた。その号外、組版受注したいなぁ。数分歩いてうちに帰ればiMax Proが待ってるしね。
それにしても、創世神国って、なんなの? 創造主様の敵なの? 創世と創造、違いがあるの? 謎が追加されてしまった。
それにしても、『コンビニイートインで100年ぶりの大物会談実現⁈』って、瓦版書きたいけど、楽しそうなお二人見てたら、そっとしておきたいが勝ちました。ちょくちょく寄って、お酒を交わして欲しいですもんね。
こうして、大物二人の邂逅で始まったイートインの居酒屋タイム。居酒屋風に使われてるということであって、居酒屋営業してるわけではないです。東京都に見つかると厄介ですからね。
まだ早い時間だから、座っているのはお二人だけ、この後、どんな人たちで、席が埋まっていくのでしょうね?女子会とかも始まるのでしょうか?楽しみです。
敵が見えてきましたが、創世神国、創世神教、なんだか重いコンダーラを引いていそうな脳筋集団って感じですかね?「おもいーこんだー♪」、知らない? お爺ちゃん世代の野球アニメのオープニング。脳筋の象徴!
ドラマのような鑑識作業が終わりました。ところで、実際の鑑識作業、見たことあります?
りおんは見たことあるですよ。あさと結婚する前に住んでたビルの…、ビルに住んでたころ、テレビのドラマみたいでしょ。駅前のビル。自慢話です。築数十年の古いビルのワンルーム。下のお店に泥棒入って、賑やかだから降りて行ったら、鑑識作業してたんだよね。
白い粉を振って、青い服の人が忙しく働かれてました。一応、音しなかった?とか聞かれましたよ。




