「第4話 訳の分からない班決め」
中学3年生にもなると、いろんな行事がある。ここ、東山中学校は、1年生の時は自然教室まあ、林間学校ともいう。2年生の時は、遠足だった。そして3年生は――
「修学旅行だ!」
バンッ! と、黒板を叩いたのは、佐伯 良介だ。佐伯は、修学旅行の実行委員である。
「これから、班決めをするから、よーく聞けよ」
修学旅行か…、確か京都と奈良だったよな。そんなことを考えながら、神山 太一は、外を見る。そこで、一人の女子と目が合った。現在付き合っている、宮本 理奈だ。
太一の席は、教室の中央の方で、理奈の席は窓側だから、たまたま目が合った。
「コラー! 太一、話しを聞けー」
ポコン
「あたっ」
佐伯が投げたチョークが、額に当たった。
……コントロールいいな、こいつ。つか、チョークを投げるなよ…
クスクス
周りの生徒がクスクス笑っている。理奈の方を見てみる。理奈もクスクス笑っていた。
「はは……」
「でだ、班決めをする方法だがな……」
佐伯は黒板に何か書き出した。
・くじ引き
・あみだくじ
・テスト
「…………」
テストって、何だ?
「佐伯、テストって何だよ」
一人の男子生徒が聞いた。
「よく聞いてくれた! テストってのはな、担任の中田先生が作った問題を解いて、その結果で班決めをするんだ」
なんか、わけわかんないんだけど……先生もよく作ったもんだよね…
「では、この3つから、多数決で決める」
誰もテストには挙げないでしょ…
「…………」
これはどういうことだろう。黒板には、テストとデカデカと書いてある。自分は確かにくじ引きに手を挙げた。みんなも、くじ引きかあみだくじのどっちかだと思っていた。
しかし、くじ引きに手を挙げたのは、僕と宮本さんと藤井君だけだった。他のみんなは、なぜかテストに手を挙げていた。
「…………」
藤井君の方を見る。ただ、黙って本を読んでいた。前から思っていたが、読書が好きなのに、メガネをかけていない。別にコンタクトってわけでもなさそうだ。僕のイメージ的には、本を読んだりする人は、メガネをかけているのだと思っていた。
「こら、太一! よそ見をするな」
注意がとぶ。今はテスト中だったことを思い出す。佐伯は、すでにテストを受けており、監視役をしている。
……こうなることがわかっていたのか?
「…………」
問題を見て固まった。
【問1 あなたが現在、思いを抱いている相手を答えよ。】
……これは、好きな人を答えろってことか? こんなことを聞く意味は? なに? 好きな人どおしにしてくれるってこと?
いろんな疑問が出て来る。
とりあえず記入する。この前の宮本さんとの、熱愛発覚とかいう記事のせいで、宮本さんと付き合っていることがバレているから、素直に書いた。
【問2 このクラスで、一緒にいたくない人の名前を答えよ。】
「…………」
これは、本当に先生が作ったのか? 何か、佐伯が作ったような感じがするのは気のせいか?
それと、これはテストではないような…そう思いながら、次の問題を見る。
【問3 金閣寺を建てたのは誰でしょう。】
……何かまともな問題が出て来たよ…
テスト終了――
「よし、みんなご苦労、結果はすぐ出すから待っててくれ」
テストは10問あり、その全てとは言わないが、アンケートみたいなのがあった。これでどうやって、班決めをするのだろう?
「よし、みんな聞いてくれ! 結果が出たから、よーく聞くんだぞ。5人で一つの班だからな」
もう結果出たのか…
どうか、宮本さんと同じ班になれますように…心の中でそう願う。
「…………」
結果は、同じ班になったメンバーは、桜田 ゆう(さくらだ ゆう)さん。佐伯。工藤 拓也くん。中村 沙紀さんだった。
「同じ班になれなかったね」
宮本さんが声をかけて来る。宮本さんの班には、藤井 裕二君と田中もいた。
「そう……だね」
「ガハハハハ! 残念だったなぁ、神山。宮本と同じ班になれなくて」
田中が笑っている。
「う、うるさい」
「俺は修学旅行中、宮本と楽しんで来るからよ、お前もせいぜいその班で楽しみな」
相変わらずうるさい奴だ。
「裕二にいちゃん」
「どうした? ゆう」
「理奈ちゃんと、浮気しちゃダメだよ」
「…………するわけないだろ」
「今の間は何っ」
「お前がアホなこと言うからだろ」
「アホって何さー、ボクは真剣なんだぞー」
いったい何を心配してんだか……
「だいたい、むこうにも彼氏いるだろ」
「そうだけどさ……」
「藤井くーん、班で決めることあるから来て」
宮本が呼びかけてきた。
「いま行く」
「ぶー」
ブタか、こいつは……
「班で決めることがあるみたいだから、俺は行くぞ」
「浮気しちゃダメだよ」
「だからしないって…つか、浮気って何だよ、別に結婚してるわけでもあるまいし」
「ああ! 結婚してないから、する気なんだー」
こいつとの会話はきりがない……
「お前もさっさと、自分の班のとこに行け」
「…………は〜い」
何か言いたそうだったが、ゆうはそのまま班のとこに行った。
修学旅行……何もないといいけど……多少の不安もあるが、俺はそのまま歩き出した。
え〜……この物語を読んでくれた方、ありがとうございます。何だか訳の分からない(?)展開になりました、この物語がどこまで続くのかってのもまだわかりませんが、今後もよろしくお願いします。




