2話 人それぞれの事情
せいぜい期待に添えるよう頑張ってみるさ
--雨宮リンドウ--
重苦しい雰囲気が辺りを包みこんでいた。場所は海羽、六条邸。
「最初からお話をしましょう。」
「あ、ああ・・・」
「僕には蓼という一人の弟がいました。正義感が強く、心がやさしい、そんな、大事な弟でした・・・僕らは仲がよく喧嘩もせずに幸せに日常を送っていました・・・」
「兄ちゃん!!」
「おぅ、帰ってきたぞぅ、今日は学校どうだった?」
当時中学生の怜に、小学生の蓼だった。怜が返ってくるなり駆けつけてくる蓼。
「今日は授業がつまらなかったってことぐらいかな?」
「なんだそりゃ?」
二人はいつも帰るとこんな感じだった。
こんな場合もあった
「蓼っ!今日は休みだし公園でも行ってキャッチボールでもやるか?」
「うんっ!!」
二人はとても幸せそうに公園へ向かって走る
「お、なかなかいい球投げれるようになったんじゃないか」
「なら、このぶんだと兄ちゃんのことなんてぬいちゃうね」
「なんだとー?」
「いました?過去形か?」
「ええ、すべてはあれがきっかけでした・・・」
「きっかけって?」
「ええ、それは_」
そのまま月日がたち、蓼は中学生になった。
そしてなって間もないころ
怜は病院を走っていた。ダッダッダッダッダッダ!。病院のルールなんてこのときは頭に入っていなかった。そうして一つの部屋を見つけ、中に入る。
ガラガラガラァ
「母さん!蓼は!?」
怜の目の前には、傷だらけになって病院のベッドに寝ている蓼の姿があった。
「学校の、先生が、ズ、言うには、いじめを、みていた、ズズ、蓼が、止めに入ったら、ヒグ、暴力を返されたって。」
母は泣いていた。
自分も泣きそうになってきたがそれはこらえた。ここで自分が弱気になってどうする。
それから怜は来る日も来る日も蓼が目覚めるまで通い続けた。蓼が目覚めたのは、それから3日後だった。それからは無事回復していき3週間もすれば今までどおりにまで回復することが出来た。
後に聞いた話だが蓼をいじめたやつらは2週間の停学だったらしい。復讐しにいってやろうかと思ったが蓼がそんなこと望むわけないと思っておとなしくしていた。
俺は蓼を守れるよう強くなろうと思っていろいろトレーニングもした。
「よかったじゃないか、蓼君。」
「きちんと回復してよかったね」
だが、怜の顔はもっと険しくなる一方だった。
「全然・・・よくなんかありませんよ・・・」
「おいそれはどういう_」
疑問に思って辰也が聞き返すが、途中で言葉が止まってしまった。
「怜、君?」
雄也も戸惑ってしまった。
なぜなら
_怜が瞳いっぱいに涙を浮かべていたから
「だって、蓼は・・・もう!!」
その事件は唐突だった。退院して学校にも行けるようになってきてから約1カ月後の出来事だったのだ。
家に帰ってくるといつも仕事でいないとうさんがいた。
「ただいまぁ、あれ、とうさんいたんだ?」
「ああ、今日は早く帰ってこれてな」
代わりに、いるべきものがいなかったのだが
「へえ、あれ?蓼は?」
いつも帰ってくると真っ先にあうはずの蓼がいなかった。
「そうなんだよ、今日まだ帰ってきてなくて。寄り道でもしてるのか?」
「うーん、そのうち戻ってくるかな?」
怜はこの時の行動を後悔している。
なんでこんなに軽くすましたんだと。
結局ひがしずんでも蓼は帰ってこなかった。
明らかにおかしいと思ったので蓼がいつも登下校しているルートをたどり探した。
おかしい。みつからない。範囲を広くして探した。
そうすると
学校近くの建設途中で終わっていた建物の下、不良のたまり場になりそうなところで、蓼が見つかった。
頭から血を流し、この前よりもズタボロになった姿で・・・・・
「蓼ゥゥゥぅぅぅ!!!!!!」
読者が増えてほしい




