4.いざ!スライム漁
そんなこんなで探索ガチ勢を断念した俺は、いつも仕事帰りに立ち寄る立呑屋の飲み代稼ぎの為に、スライムハンターにジョブチェンした。
英断だったと自負している。
そうして、スラハンと化して暫くの間はこの領域をチョロチョロと探し回りながらスライムを狩っていたある日、とうとうこの地を発見した。
それは、いつもの様にスライムを追いかけ回し、休憩していた時だった。
ダンジョンには当然の事ながらトイレなんて無いので、そこら辺で用を足す訳なのだが、オシッコならまだしも大がしたくなったので丁度良い理想のスポット(?)を探し当て、力んでいた時の事だった。
何気なしに滝を眺めなら出産していたら、滝から数匹のスライムが流れ落ちてきて、そのまま池に流れ着いたんだわさ。
その時、あたしゃピーンときたね(ドヤ顔)
丁度良い塩梅に網とか仕掛ければ一網打尽に出来るんじゃ無いかってね。
実際のところスライムに限らずモンスターの出現ポイントは、ダンジョンが出現して十数年経った現在でも解明出来ていない。
目の前で突如として誕生したなんて話は世界中のどこを探しても聞いた事がなかった。
だけど推論ではあるけども、モンスターの出現条件として人が居る近くでは出現しないんじゃないか? って説は半ば定説になりつつあった。
そうして、天啓を授かった俺は程良い編み目の網を購入し、掛ける様になってからは、さあ大変。
毎日コンスタンツに10匹超は採れる様になったね。
後は網の上からボッコンボッコン叩けば、10分も掛からない内に二千円くらい稼げる様になったのよ。
だから、毎日仕事帰りにダンジョンに寄ってはスライムを撲殺して、立呑屋で一杯って感じのルーティンしてる訳なのさ。
そりゃ、防具とか備品とか要らないよね。
ゴルフの打ちっぱなしに行って飲み屋に寄って帰るサラリーマンみたいなもんだよね。
良い運動してストレス発散にもなるし、帰りはホロ酔いで良い感じ1日が過ごせるってんだから、あたしゃ幸せんもんだよ。
そうして、今日も今日とて仕掛けた網を引っ張りあげ、ボッコンボッコンした後、魔石を回収しようと網を拡げて見ると、何とそこには丸められた一枚の羊皮紙があった。
「ふぉー!スキルローーール、キタコレ!」