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結婚を機に日本にやって来た母は、父が行きつけの日本料理屋で働いた。そこで覚えたロールキャベツが得意で、アレンジされてカフェの人気メニューになっている。
名前はロールキャベツだけれど、ロールされていない。白菜ミルフィーユのキャベツ版。それが実態だけれど、母はこの姿勢こそがロックンロールでしょと笑う。
誤解がないように言っておくと、アルバイト先のロールキャベツは本物で、母が材料を勘違いして今の形が生まれている。
父はプリンとチャーシューをメインに時に気紛れでカレーやスープやおつまみを用意する。コーヒーの焙煎はするけれど、淹れるのは母にしか出来ない。父は遅延性のコーヒーアレルギーを持っていて、自分で淹れて飲むと発症する。母が淹れる新鮮なコーヒーだけは身体が受け付けるのが人体の不思議ってヤツらしい。
お酒の提供はビールとウィスキー。それも父の趣味。美味しい物を自分で選んで仕入れている。
そしてこのカフェ最大の特徴が、絶える事なく流れるレコードの音色。
プレイヤーは二つ用意されていて、基本は母が選んだレコードをひっくり返したり取り替えたりしながらその間も音楽の一部として楽しんでいる。
大量のレコードは全てパソコン上でその置き場を含めて管理されている。店内にも常時五百枚が置かれており、誰でも自由に拝見出来る。パソコンのデータさえリクエストがあれば見せている。




