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ステータスをオープンにする元剣聖のメイドさん

 元剣聖メイドランスロット・アレクシアとライオネル領次期領主レオン・ライオネルはたかだかめっちゃ美味しい氷菓を食べるためだけに領土から北に1200km離れた-30度を下回る極寒の地パオシェン山脈に来ている。

 

 ついでに僕のマイメイドであり元剣聖ランスロット・アレクシアの仲間であった、死んだはずの勇者の目撃情報の真偽を確かめに来た。

 マッハ1.5の速度で僕のマイメイドランスロット・アレクシアにお姫様抱っこされながら僕は今-30度の山脈を疾走している。 


 このままこの白銀の世界にずっといたら、目が白色に染め上げられて、この世界を白い塊と誤認してしまうのではないかと僕が思うほどに僕から見える景色は白かった。にもかかわらず不思議と全く寒くない。


 しんしんと降り積もる雪たちは立ち迫る刃のように向かってきては僕たちの少し前で雲散霧消と消えていく。


 「なんでこんなにも寒くないのだろう?工魔科学帝国マンスの城下と違いここは夏季であっても-30度を下回る極寒の地のはずだろう?それに雪が口の中に入れたマシュマロみたいに僕たちの前から消えていく。君はいったいどんな魔法を使ったんだい?」


 「魔法は使ってはいませんよ、坊ちゃま。私の剣聖の加護によって、冷たさという概念を切り刻みました。雪に関しては私たちに当たる寸前でその都度私の視線を刃として世界に認識させ、その刃に白を切る剣の固有効果を付与することで消しています。」


 「剣聖の加護とは概念操作すら可能なのか?僕たちが使う魔法なんかよりもよっぽど魔法じみているな。それに視線を刃として認識させるって何?」


 「まあ、言うよりも見てもらった方が早いですかね、ステータスオープン」


 そういった瞬間僕たちの目の前に青白い光の文字が羅列されていく。


 異世界物のステータス表示方法の中ではこの世界はかなりゆとりな方なのだろうなと最初自分のステータスを開いた時は感動したものだ。


 名前 ランスロットアレクシア

 

 ジョブ メイド【元剣聖】


 攻撃432


 魔術98


 防御231 


 魔法防御158


 素早さ440


 スキル1剣聖の加護【寒さを切り裂く剣、暑さを切り裂く剣、未来を切り裂く剣、蒼を切り裂く剣、緑を切り裂く剣、赤を切り裂く剣、白を切り裂く剣、色を殺す剣、天を切り裂く剣、神を殺す剣、愛を殺す剣、君を殺す剣、次元を切り裂く剣、摩擦を殺す剣、空気抵抗を切り裂く剣、物理法則を切り裂く剣、魔法を切り裂く剣、剣を剣とする剣、剣以外を剣とする剣、魔王を剣とする剣、視線を剣とする剣、避けるという思考を切り裂く剣、動くという概念を切り裂く剣、動くという思考を切り裂く剣、勇者を殺したという罪の剣、剣としゃべれる魔法、メイドの剣、ハエたたきを剣とする剣、家事という概念を切り刻む剣、家事という概念を剣にする剣,etc,,,,】


 スキル2洗濯掃除をする根性


 スキル3天に煌めく龍終の捌き



 「なにこれ売れないアイドルのゴミ屋敷みたい、なんか汚い」


 「ひっど!なんてことを言うんですか坊ちゃま。こんなかわいい女の子に!言っていい事と悪い事がありますよ」


 「でもすごいね、剣聖の加護だけでここまでの数の派生スキルを身に着けるなんて、それにものすごいステータスの高さだ。このステータスなら何でも切れそうだね」


 僕は彼女の高いステータスと派生スキルの数にこの子は本当に魔王を倒した勇者パーティーの剣聖なのだなと感心した。

 

 「何でもは切れません。この世の森羅万象を切る対象とすることならできますが」


 「そうなんだ。でもさ、、」


 「なんですか?」


 「なんかステータスと実数値が違くない。確か剣聖ランスロットの素早さ実数値って873だよね?ランスロット英雄譚の3ページで何度も自慢げに君が世界最速だって語っていたから覚えているよ」


 「ああ、この世界の実数値の計算方法は、その人個人のステータス×ジョブのステータス補正で決まっているんです。まだジョブが坊ちゃまの坊ちゃまが知らないのも無理はないですね。私のジョブは剣聖メイドなので魔力に約0.2倍、魔法防御防御に約1.5倍攻撃と素早さに約2倍の補正がかかります。ちなみにマッハ1.5は摩擦を殺す剣と空気抵抗を切り裂く剣を同時に使わないと出せません」


 僕自身初めて聞いた事実だった。そういうものなのか。っていうか、、、


 「後さ、スキル3の天に煌めく龍終の捌きって何?なんでこれだけ戦闘用っぽいのに、剣聖の加護と分けられているの?」


 「これは、簡単に言えば世界全てに私の剣聖の加護を付与することで世界を終わらせる斬撃です。分けている理由はうっかり使っちゃうと私も死んじゃうので保険として分けておいてあるんです」


 「世界を終わらせる斬撃をうっかり使っちゃうってなんだよ。でもさ、もしもその斬撃に指向性を持たせられたら最強なんじゃないか?」


 「確かに最強の火力は出せると思いますけれど、それは私には無理ですね。これ魔力の実数地が高くないと魔術施行範囲を限定できないんですよ。何せ世界に干渉する斬撃ですから。この世界は魔力を中心に回っています。私のような剣士には本来扱うことのできないものなんです。」


 「そういうものなのか」


 「そういうものです」

 

 「後最後にジョブが坊ちゃまの坊ちゃまってなんだよ」


 思わず口から飛び出た。


 「まあまあ、そんな些細なことはどうでもいいじゃありませんか?私のゴミ屋敷も見せたのだから坊ちゃまのステータスも見せてくださいよ。」


 ゴミ屋敷って認めているじゃないか、とはさすがに突っ込まなかった。

 

 「まあいいけれど、ステータスオープン」


 すると僕の方にも青白い光の文字が出てくる。


 名前 レオン・ライオネル


 ジョブ ???


 攻撃48


 魔術101


 防御31


 魔法防御89


 素早さ29

 

 スキル ???


 「なんというか、短小ですね」


 「なんかその言い方やめて、ちょっと悲しい気持ちになるから。」


 「それはそれは、申し訳ない。ゴミ屋敷のお返しです」


 意外と彼女は根に持つタイプらしい。

 

 「おっかしいな、ジョブとスキルのところがハテナになってる。何かのバグかな?アレクシアはこういう風になったことある?」


 「ないですね、何ですかねこれ?短小の呪いかな」


 「もしそうだったら君を呪い殺すよ、呪いってめぐるからね」


 実のところ、僕も意外と根に持つタイプだ。


 

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