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北の陣 第3幕  作者: m
16/55

夜明け


「サラがいない… 」


「サラは何処?」


ロズの町を出たセナ一行は町と町の間にある森にいた…


その森でロズの町に散らばった仲間達と合流する予定であった…


一足先にセナの一行はその森に着き仲間達を待っていたのだが予定の時刻を過ぎてもサラと数十人の仲間が来なかった…


出入り口を制圧していた女兵士達もすでにこの森に来ていた…


「サラさんならきっと大丈夫ですよ!」


サラを探すセナを見るにみかねた部下がセナにそう言った…


「違うの… なんだか胸騒ぎがするの… きっとサラに何かあったんだと思う… 」


セナは自身の胸に手を当てサラを探し歩きながらそう言った。


「そうですか… なら、私がサラさんを探しにロズの町にもう一度戻りますよ」


部下がセナに付いて歩きながらそう言った…



「えっ?でも…それは危険だし… 」


セナは驚きながらそう言った。


「大丈夫ですよ!旅団の精鋭を一緒に連れて行くんで!サラさんは、セナさんと小さい頃からの親友ですもんね!必ず私達が連れて帰って来ますよ!」


部下の女がセナに微笑みながらそう言った。


セナは少し考えた後…


「なら、私も一緒に行くわ」


そう言った。


「あっ、それはダメですよ!セナさんは手配されてるから!今回は私達に任せて下さい」


部下の女はセナの胸に右手をおき、そう言った。


「手配か… そうね… 分かった… あなたに任せるしかないみたいね… 」


セナは部下の女の右手を握りそう言った。


「夜明けまでには戻ります、ですがもし… もし… 私達が夜明けまでにここに戻らなかった場合… セナさん達はそのまま北地区に戻って下さい」


部下の女は何かを覚悟した様にそう言った。


「そんな… 」


セナがそう言いかけた言葉を部下の女は遮る様に…


「セナさんは私達の希望なんですよ!セナさんがもし死んでしまったら私達は… 私達の気持ちを察して下さい!」


部下の女は語尾を強めセナにそう言った。


部下の女の気迫に負けたセナは…


「分かった… 」


そう言ったのだった…


こうして旅団の精鋭達はサラ救出にロズの町に向かったのだった…




どれだけ待っただろう…


不安と期待に押し潰されそうになりながらセナと仲間達はサラ達の帰りを待った…


夜明けまで後少し…


だが…


夜明けを過ぎ…




1時間…




2時間…




3時間…




遂にサラ達はそのまま帰って来る事はなかった…


「私のせいで… 私のせいで… 私のせいで!」


セナは自分を責める様に声を出して泣いていた…


周りの仲間達はみんな、セナのそんな姿を見た事がなく困惑していた…


「なんであの時一緒に行かなかったの!バカ!こうなる事は予想出来てたのに!バカ!うぅ… 」


セナは止まらない涙を流しながら自分を責め続けた…


「セナさん… 仕方ないですよ… 」


錯乱状態のセナに仲間の1人がそう声をかけた…


「仕方ない?何が仕方ないの?全部私の責任なの!何が仕方ないよ!私が全部悪いのに私が生き残って、なんで彼女達が死ななきゃ行けないの!どうして!ねぇ!どうして!」


セナはそう言いその場に泣き崩れた…


「セナさん!いい加減にして下さい!」


仲間の1人がそう言った。


「彼女達は私の身代わりで死んだのよ!私は彼女達になんて言って謝ればいいの!」


セナは泣きながらそう叫んだのだった…


































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