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Season1 大丈夫

いつも笑って、「大丈夫」と答える私、Ami。

友達と笑い、授業を受け、普通の学校生活を送っているように見える私には、誰にも言えない苦しさがあった。


「全season10」


「おはよう、Ami」

教室のドアを開けた私に、担任のA先生が声をかけてきた。

「おはようございます」

いつも通り笑って、いつも通り自分の席へ向かう。

何も変わらない朝。


友達と話して、授業を受けて、休み時間には笑う。

周りから見れば、きっと私は普通の生徒だった。


「Ami、今日ちょっと眠そうじゃない?」

友達にそう言われて、私は笑った。

「昨日ちょっと夜更かししちゃっただけ!」

本当は、ほとんど眠れていなかった。

でも、それを言う必要はないと思った。


――大丈夫。


いつも自分にそう言い聞かせていた。


昼休み。

私は友達と一緒にお弁当を食べながら、くだらない話で笑っていた。


そのとき、胸の奥が少し苦しくなった。

「……っ」

一瞬だけ息がしづらくなって、私はそっと胸元を押さえた。


「Ami?」

「ん?」

「今、なんか苦しそうだった」

「気のせいだよ。大丈夫!」

反射的に答えた。

笑ってみせる。

すると友達も「ならよかった」と笑った。


それで終わった。


でも、少し離れたところからA先生がこちらを見ていたことに、私は気づかなかった。


放課後。

帰ろうと荷物をまとめていると、A先生が教室に入ってきた。


「Ami、ちょっといい?」

「はい」

先生は少し迷うようにしてから言った。

「最近、疲れてない?」

「え?」

「授業中、ぼーっとしてることが増えた気がして」

私は一瞬、言葉に詰まった。

でも、いつもの言葉を口にした。

「大丈夫です」

A先生は何も言わなかった。

ただ、少しだけ優しく笑った。


「そっか。でもね」

先生は私の目を見た。

「大丈夫じゃないときは、大丈夫って言わなくてもいいからね」

その言葉が、なぜか心に残った。

「……はい」

それだけ答えて、私は教室を出た。

廊下を歩きながら、さっきの先生の言葉を何度も思い出していた。


大丈夫じゃないとき。


そんなこと、考えたこともなかった。


私はずっと、「大丈夫」と言っていればいいと思っていた。

誰かに心配をかけないために。

迷惑をかけないために。


そして、自分自身に気づかれないようにするために。


――でも。


もし、「大丈夫」の裏側まで見てくれる人がいたら。


私は少しだけ、何かを話してもいいのだろうか。

その答えを、私はまだ知らなかった。


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