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間話 歴史的変換点



 聖地エルザ・マクレレは魔大陸と中央大陸を結ぶ要所である。

魔大陸には魔人族の大半が居住をしており、それは半分が彼らの意思であり、半分がカザビア帝国と定めた条約のためである。


 紅歴596年、カザビア帝国と魔人族の王マクレレによって、人族が魔大陸に侵攻・立ち入ること、魔人族が中央大陸に侵攻・立ち入ることが禁止となった。

しかし、両種族間で婚姻関係にある者や、商業的な交流を希望する者により、中間地域・緩衝地帯となっていた場所が人族と魔人族が共存可能な都市を設けることになる。


 人々はそこを聖地エルザ・マクレレと呼ぶ。人族の英雄王エルザ・エリンガと魔人族の王マクレレの決戦の地であり、神が人に救いを与えた地。

人族であれば英雄王が魔人族の侵攻を食い止め死去した地

魔人族であれば魔人王が人族と戦い、死去した地

アミス教徒であれば、神託が降りた聖地

商人であれば中央大陸と魔大陸を繋ぐ商業的要所

エルザ・マクレレは政治的・宗教的・商業的に重要な土地である。


 しかし、この地の政治的・宗教的に歪で仮初の平和は紅歴864年に起きた事件により、いとも簡単に崩壊へと進む。


 事件は年明けから数日後、反人族グループの魔人族青年数名がエルザ・マクレレの統括府に視察に来ていたカザビア帝国貴族を殺害する。動機は反人族グループの1人の青年の妹が殺害された貴族の奴隷として従えていたのだ。


奴隷法に関しては、都市内で両者が奴隷譲渡・売買するのは禁止にされていたが、抜け道も多く形骸化されていた。


そこからは坂道を転げる様な勢いで両国の関係は悪化した。


 同年、春を目前に種族隔離政策をカザビア帝国側が強硬的に実施。それに反発した民衆、主に魔人族は大規模な抗議運動を起こすが、カザビア帝国軍団に粛正された。

粛正の際、カザビア帝国軍は魔人族市民を大量に拘束後、若者は奴隷となり、年寄りと幼子は火術で虐殺する。


 この事件を踏まえ、19の魔人族の族長は魔大陸の中核都市に集い、人族に対するを提出することを予定していた。

しかし、人族側の対応は魔人族の想定とは違う方向に動き出していた。

カザビア帝国帝都では下火の状態であった「十字連合軍結成及び魔大陸侵攻作戦」が策定され、その後「魔人種族に関する基本的権利と処遇と魔人族に対する人種族的行動理念」が人族4カ国間(カザビア帝国・アミス神聖国・グランツ王国・イヴァン王国)で定められた。

元々、十字連合軍作戦はアミス神聖国で検討されていたこともあり、召集・発令はアミス聖教最高司祭アヴディーニの下で行われた。


 紅歴864年の春、8万弱の大規模な軍団を結集させた十字連合軍は、エルザ・マクレレを8日で掌握。その後、魔大陸の最北部城塞都市カルストを2週間で落とし、南下に至る。


 侵攻から3週間が経過した頃、魔人族はデヘラ族長が台頭。19の族の内13族を束ね魔人王と称し、侵攻を止める。

約5ヶ月に渡るガリタ戦線は魔人族による自爆攻撃が功を奏し、カザビア帝国軍副団長公爵長男の死亡と、戦時の過度な重税によりグランツ王国の内乱が勃発、など様々な要因で戦線を押し上げず、一時十字連合軍は解散となる。


 解散から2ヶ月後、グランツ王国の内乱は治まったが、アミス神聖国で内乱が勃発。

十字連合軍は再開は目処がつかずにいたが、カザビア帝国は単独で侵攻を再開することを決意する。

帝国は冬になると海からの寒波により、身動きが取りづらくなるが魔大陸は温暖な気候であるため、冬は訪れない。

冬の間に魔人族の軍団が立て直しが不可能な程に傷跡を広げる必要があると考えたのだ。


大量の術兵と魔道具を投入し、戦場では他国と足並みを揃える必要がなくなった帝国軍団は本領を発揮し、ガリタ地域を突破。

戦線はダラハルタ地区まで押し下げられた。


大陸全土に名だたる二つ名を持つ凶烙のガルタは魔大陸奥地の3部族をまとめ上げ、ダラハルタ地区にて帝国軍団の精鋭騎術軍団に連勝。それを皮切りに、帝国軍団は魔族連合軍団に敗北。


帝国は魔人族達の憎悪の感情を膨らませすぎたことにより、死も厭わない突撃に敗走せざるおえない状況となる。


カザビア帝国の侵攻を一時的にだが、止まるのであった。


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