第 二十二 話
「じゃあ、もしかして今この様子を見ている、監視する人がいるんじゃないの…?」
私は、怖くなって言う。
「そういえば、そうだな。その可能性を、考えていなかった」男は、たった今、気が付いたように話す。でも、倒されたんだから、もう関係ないだろといった雰囲気でいる。
この人は、人を殺そうとして何なんだろという気分になるが、今はそれどころではないのだ。
「どうせ、する行動は変わんないよ」ハルトは、動じずに言う。
さすが、天使。そうやって導いてほしい。私も、頑張るから。
しかし、私はハルトと一緒にいて、大丈夫なんだろうか?ハルトといたら、危険な目にあいそうだ。
けど、私は化物人間を治した。そんな人は、他には聞かない。だから、やっぱりこれは、私の運命でもあるのだ。
避けて、過ごせない。
やっぱり、ハルトと一緒に頑張っていかないと。
ハルトは昔の話を、語り始めた。
「俺はな、実は、昔の腰掛けの国の第二王子なんだ」
「ええっ…」私は、衝撃を受けた。
ハルトって、王子様。嘘っ、何それ……。
ということは、王家の次男ということか。
駄目だ。次の、展開が読めない。
「だが、生まれて一月ちょっとで熊人間に攫われてしまったんだ。その熊人間は、怪盗をやっていたんだ」
続く
ハルトは、赤ちゃんの頃、熊人間によって攫われていた。なんという、過去。まだ、続く。




