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第 二十 話

 男は両腕をドリルにした。いよいよ、本気を出して、掛かってくる気だ。

 ハルト、倒せるの?こんな、攻撃的な人を相手に。

 男の後ろに、闇の世界が出てきた。やっぱり、化物人間だ。

 前の、お婆さんの時は、無自覚で死にそうになったけど、今回は、本当に殺そうとしている。恐ろしい。


 ハルトは、走った。その時、手()げカバンからまあまあの太さの(ひも)を出した。

「紐よ。あの男の足に、巻き付け」たちまち、紐は蛇のように動いた。蛇皮ジャケットの男に向かって。足に巻き付いて、紐が動いたので、男は倒れた。

「クッ。甘いぞ!足だってな…変わるんだ!」男は、叫んだ。

 紐はドリルになった足によって、切断されてしまった。

 ハルトは、また落ちていた石を掴んだ。「ハルト、また砕かれるだけだよ」私は、心配になって声を掛けた。

「大丈夫…」ハルトは答えた。

 ハルトは、走る。「石よ。俺の手へ、伸びて覆い被され」

 男は、何をする気だといった顔で、ドリルを構える。

 ハルトは、素早く、走る向きを変えた。

「なっ、何っ!?」

 男は、焦って対応しきれないので、声を出した。

 ハルトは跳んだ。

 ハルトは、男の顔面を石が覆った手で、思いっきり殴る。男は、ドリルを回転させる暇もなかった。

 男の歯が幾つか、折れているのが見える。そして、ハルトは男の背中をもう一発、殴る。

「うっ…う‥…ギブアップだ」

 男は、倒れた。


 男の能力にはまだ謎なところがあるので、意味があるのか分からないが、ハルトは、ドリルの刃がない腕の根元を魔法を使った紐で(しば)った。


「何で、こんなことをしたんだ?」ハルトは、聞く。

 雨はもう、()んでいる。通り雨だったようだ。



              続く


何とか、男を倒した。ハルト、お疲れさま。

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