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87話 タミーの意地

マーヤは今度はタミーの方に話し始める。


「タミーさん、私もこのパーティの全員について何でも分かっている訳ではないです。私自身、皆さんと深く関わろうとしてなかったです。全員が任務やパーティの為に体も張って、嫌な思いもしてきたと思います。でもそれはジンも同じなんです。今までジンがやってきてくれたことを含めてもジンのことを良く思えませんか?」


マーヤの話を聞いていたタミーはため息を吐く。


「ジンを認めろってこと?それは例えマーヤの言葉でも聞けないわ。どれだけ極めた魔法があっても、使える種類の魔法が少なければ無下にされる。ただ使えるだけで、戦闘に役にたたない魔法の方が複合エレメントとして上位として認められる……そんなの私は認めない……認めないわ」


タミーの言葉から憎悪の感情が滲み出る。

話をからしてこれは俺に対する憎悪もあるだろう。

でも、タミーの過去に何かしら自分の事を認めて貰えなかったのが見える。

その認めて貰えなかった何かに対しての恨みにも見える。


もしかしたらマーヤと同じように魔法学校に所属して、そこで認めて貰えなかったのかもしれないし。

ギルドの加入試験の時に何か嫌な思いをしたのかもしれない。

あくまで俺の予想だし、その過去が一体何なのか俺には分からないけど、1つ俺の中で納得出来たことがあった。


「そうか……そうか。よかったよ」

「は?」

「ジン?」


マーヤとタミーは不思議そうな顔で俺を見る。

端からみれば認めないと宣言され、嫌悪感を向けてられているのによかったなんて発言されたら驚くだろう。


「何がよかったのよ?可笑しくない?」

「俺さ、戦力外通知された後、弱いし足手まといだからは分かってたけど、それ以外にも何かあったんじゃないかって思ってたんだ。タミーが俺を嫌ってた理由が聞けてよかったよ」


マーヤに近い俺への嫉妬。

複合エレメントに対してのタミーの意地。

その結果が俺に対しての嫌悪感。

正直傷ついてないと言えば嘘になる。

でも、こうして話してみないと分からないままだったし、対話って本当に大事なんだって改めて認識させられた。

きっとワイルドもターキーも俺に対して何かしらの理由があったんだろう。


俺がもう少し踏み込んで行けてたら、雰囲気よくクリアアトランティスで任務を続けてたのかもしれない。


「俺、帰るよ。悪いけど疲れちゃった」

「な……まだ聞くことがあるのよ?勝手に……」

「詳しい話はギルドマスターに聞いて、大体のことは知ってる。近々新しく補充要員がくるって聞いたしその時にでも聞いてみてよ……あ、タミーに言うことがあるんだけど」

「何よ?」

「タミーは俺の事嫌いなのは分かったけど、俺は少しタミーのこと好きになったよ」

「はぁ!?」

「ジン!?」


マーヤとタミーが驚きの声を出す。

タミーがマーヤに対しては友好的なことを知ったのがもう少し早ければ仲良くなれたのかもしれない。

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