88話 お姉さんが立ちはだかる
「勘違いしないでよ?友好的な意味だから」
「そうだとしても驚くわよ!そしてキモイ!」
罵倒されてしまった。
そりゃそうか。
「……まぁ、本当に言いたいことはこれからなんだけどさ、次クリアアトランティスに入ってくるメンバーに気をつけて欲しいことと、マーヤの事を守って欲しい」
「マーヤの事はアンタに言われなくても分かってるわよ!……ってかアンタ、次のメンバーについて何か知ってるの?」
「前のパーティで問題を起こした。謹慎明けってことはね。だから二人とも警戒して欲しい。言いたかったことは言ったし帰るよ」
部屋の扉を手にかける。
その時にマーヤに呼ばれる。
「ジン……」
何か伝えたいそうな様子だがバツの悪い顔をしている。
タミーに気を使っているんだろうな。
「大丈夫、気にしないで」
「ごめん……」
「そう悲しそうな顔しないで、明日そんな顔でデート来られても困るよ」
「「デート!?」」
デートらしいです。だってリュウさんも言ってたし……
明日の予定を俺がデートとして捉えていることに驚くマーヤ。
そもそも明日二人で出かけることを知らなく驚いているタミー。
「明日は笑顔のマーヤに会えることを楽しみにしてるよ」
「ちょ!?アンタ!どういうことよ!!マーヤとデートって!?」
やっぱりマーヤはタミーにも伝えて無かったみたいだ。
いや、マーヤの立場で俺と会うのはパーティの和が乱れる可能性が出てくるかもしれないと考えると言い出しにくいだろう。
でも、タミーの真意を知った今なら逆にバラしても大丈夫だと思う。
反対はされるだろうけど、基本マーヤの言うこと聞いてくれそう。
「どういうことって、デートは誇張し過ぎたけどメッセージパッドでそういうやり取りしてたんだ。メッセージパッドのアップデートと食べ歩きを少しするだけだよ」
「デートじゃない!?マーヤ!お姉さんは許可しません!せめて他の男……でも駄目だわ!!マーヤには早いわよ!!」
何時からあなたはマーヤのお姉さんになったんだ?
もしかして結構酔ってらっしゃる?
それにしても、やっぱり俺が話しても反対されるな。
「タミーさん。心配してくれて嬉しいんですけど、私、ジンとデートしたいです」
マーヤがデートと容認したことに少し俺は驚く。
冗談半分で言ったつもりだったんだけど。
「でもねマーヤ。知ってる人だからって軽い気持ちで行ったら狼でした!ってこともあるのよ?」
「それは大丈夫です。もし、ジンが狼さんなら酔ったときにすでに食べ……あ、そっか、私食べられる価値もなかったってことだったのかな……」
「ジン!アンタ見る目ないわよ!!」
マーヤがしゅんと落ち込み、理不尽に言葉を投げつけるタミー。
狼がなんや言ってたくせにそれ!?
それにしても、妹に彼氏が出来たけど、その相手が嫌いだから付き合うの反対している姉の状態だ。
「あのさ、酒を飲ませて無抵抗に襲うような真似はしないだけだよ。だからお姉さん、マーヤとデートさせて下さい」
「お前、今度お姉さんって言ったらその舌、燃やし尽くすわよ?」
目がマジになっている。
そういった路線で攻めるのはやめようと強く思えた一瞬だった。




