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74話 夕食作りと雑談

調理場に着き、早速材料を広げながら調理器具の確認をする。

鍋、包丁、まな板、食器と必要なものが揃ってるうえ、釜もあるから米も炊ける。

米が炊けるにも時間がかかるから先に米の準備に取りかかろう。


「ジン、何か手伝うよ?」

「別にゆっくりしててもいいよ?」

「そういう訳にもいかないし、久々にジンが料理してる所を間近でみたいなーって……」


マーヤと料理することはこの先あるかどうか……

そういった意味で手伝ってもらうのは俺としては嬉しい。

それに、俺が抜けた後のメンバーを考えると、マーヤが料理出来る人がいれば心強いだろう。

ただ、マーヤの負担が増えるのはパーティにとってもマーヤにとっても良くはないと思うけど……


「じゃあ、サラダ用に野菜を切り分けてくれるかな」

「了解!」


包丁をもち、野菜を手にするとリズミカルに野菜を切り分けていく。


「本当に包丁捌きが上手になったよねマーヤ」

「ジンが教えてくれたからだよ。クリアアトランティスに入るまで少ししか料理しなかったし、本格的に料理始めたのお母さんが倒れた後だったし」

「マーヤのお母さんや弟達は大丈夫?」

「前に連絡とれたときは大丈夫そうだったよ。治療も受けられて回復傾向にあるって、しっかり治して仕事に戻らないとって張り切ってるよ」


クリアアトランティスにいたときに少しだけマーヤの家族について話してくれていた。

契約金やパーティで分配されたお金の大半は治療費や弟達の生活費で送っているとか。

家族想いで本当に優しい子だなと改めて思う。


「そういえば、マーヤのお母さんってどんな仕事してたの?」

「フッフッフ……実はお弁当屋さんだったりするのです。お母さんが病気じゃなかったら魔法学校行かないで本格的に手伝いする予定だったんだ」

「それは初耳。行ってみたいな」

「お母さんが治ったら来てよ。なんならうちに働きに来てくれると嬉しいな」


まさかの引き抜き案件。

責任者だろうマーヤのお母さん無しで言うから冗談だと思うけど。

米の準備が完了し、揚げる油を用意し、鶏肉を一口大に切り分けながら話を続けていく。


「前向きに検討させてもらいます」

「あ、その反応冗談だと思ってるでしょ?結構本気だったりするんだよ?料理出来て、気遣い出来るジンだから一緒に働いてみたいと思うんだ」

「本気なら俺もそれ相応に対応しないと失礼か。そうだね……任務が終わってマーヤのお母さんの調子が良くなって気持ちが変わってなかったらもう一度改めて話そうか」

「むぅ、状況が状況だから仕方ないか……でも約束したからね!」


そういい、マーヤが小指を立てる。


「これは?」

「指切り知らない?私の所だと約束を破らないおまじないみたいなものだよ。小指と小指を引っかけるんだよ」


言われた通りに俺も小指を立て、マーヤの小指に引っかける。

これ、指を絡ませる分、なんか握手よりも恥ずかしい……というか官能的に思える。

確かにそう簡単に約束を破ることが出来ないくらいの破壊力を感じる。

でも、任務が無事に終わり、マーヤのお母さんの体調が良くなるならこういうのも歓迎なんだけど。


「……こえるか?」

「……ッス、激アツな……ッス」


なにやら調理場の入り口付近から声がする。

扉が閉まってるから姿は認識出来ないけど声と喋り方である程度見当がつく。

指切りについて調べたら結構重いんですね。

更新していくにつれ調べることも多くなり知識が増えていきます。

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