69話 時間と場所をわきまえなよ
手の平で優しく、大切に撫でていく。
マーヤは少し恥ずかしそうにしているが満足そうにする。
しかし、それだけで終わらそうとは思ってないのだよ。
軽くマーヤの肩を寄せ、耳元でマーヤを誉めていく。
「ひゃあ!?ジン!?」
「凄いよマーヤ、流石だよ。よく頑張ったね」
「ちょ……近いよ!私汗くさいよ!?」
「寧ろいい匂いがする。それより俺の方こそ嫌だったら言ってよ」
「それは問題無いけど!問題無いけど!頭撫でてくれるだけでいいから……!!」
流石にこれ以上やったら引かれるだろうし少し名残惜しいけど距離を取る。
マーヤは固まったまま、そして少したつとへたり込む。
「ちょ……ゴメン!大丈夫!?」
「うん……でも、もう少し休ませて……」
顔を合わせようともせず一言。
これは……嫌われたのだろうか。
「俺、邪魔だったかな?後一時間くらい貸し切りにしておくからやっとくことやっておくか?」
「ちょ……何を言ってるんですか!?」
「冗談だ冗談。……これでただの元パーティメンバーだけってのが冗談だろって言いたい案件だけどな」
「最後何か言いました?」
冗談の後、わざと呟く程度に声を抑えてたようで聞き取れなかった。
リュウさんの事だし悪いこと言ってるようには思えないけど。
「大したことじゃない。さて、そろそろ俺達も宿に戻るとしよう。大分時間も経ってしまったし」
「そうですね。マーヤ立てる?」
「……うん」
マーヤに手を差し出すとさっきとは変わって、ジッと俺の目を見ながら手を取る。
「ジンってこういうこと、他の女の子にも言ったりしてるの?」
「……してないけど、なんで?」
「そうなんだ、そっかー……」
複雑そうな顔をして、少し考えてる様子だった。
「私だから許してあげるけど!私以外の女の子にそういうことしないように……!約束破ったら女タラシって呼ぶから!」
「え!?あ……ご免なさい……他の女の子に同じ事するつもりは無いです」
「……じゃあ許してあげる。私着替えてくるね」
少し笑顔が戻った様子が確認できて機嫌戻ったかな。
それにしても、私以外の女の子にそういうことしないでってことは……
「マーヤになら、また肩を寄せたりしてもいいのだろうか?」
「ジン」
「なんです?」
「宿に戻ったらブラックコーヒー頼む。苦ければ苦いほどいい」
「……?報告終わったらココア飲みたいって言ってませんでした?」
「これ以上糖分とるのは控えたい。ああ、夜食の唐揚げに関しては変更なしで頼む」
糖分とるのは控えたいって……
それは置いといて、唐揚げにするなら途中材料を買っていかないと。




