67話 体の傷痕
三人で訓練所に着くと、訓練所にトレーニングウェアが三人分置いてある
受付嬢が予め用意してくれていたみたいだ。
マーヤは一着持っていって、別部屋で着替えにいく。
……ん?三人分?
「俺も着替えるんですか?」
「練習相手が必要だからジンにも手伝ってもらうぞ。それにジンも少し体験したら何か得られるかもしれないぞ。とはいえ、体力が戻ってないなら無理しなくてもいい」
てっきりマーヤにだけ教えると思ってたから驚いたけど、俺も体験出来るのはラッキーなのかも。
幸い、体力も回復してきてる。
「いえ、マーヤの為になるなら手伝えるならやらせてください。それに誰かに格闘系を教えて貰うのは久々ですし」
「前のパーティでは剣の扱い方とか教えて貰わなかったのか?」
「いやぁ……察して貰えたら」
クリアアトランティスでは雑務が多くて時間も限られてたし……
たまに見張りのとき剣の素振りをしてたくらいだったからなぁ……
「そうか、これからは色々覚えて貰うことがあるから覚悟して欲しい」
「色々覚えて貰うことがあるって……剣術とかですか?」
「剣術ではないな、でも今から少しずつ体を少しずつ鍛えておいてくれ……さて、俺達も着替えてしまおう」
リュウさんが服を脱ぎ始めるのを見て俺も着替え始める。
剣術ではないけど、体を鍛える。
戦闘面での訓練なのはわかった。
少し不安になるけど俺も守られてばっかりはいられない。
それにしても、リュウの体つきは凄い。
傭兵ギルドだけあり、筋肉はしっかりついていながらも無駄に多くついてない、戦闘で必要なだけついている……そんな感じだ。
変態的な意味ではないけど、傷もなく綺麗な肌をしている。
傷がつかずにいるほど強い、この人はこういうタイプなんだろう。
俺なんかの体とは違うな。
「……ジン、傷痕が多いんだな。気分を害したら申し訳ない」
俺の体を見て話しかけてくる。
俺の体は無数の傷がついている。
冒険者ギルドに入ってからも負傷して、傷が増える一方だった。
負傷する度、マーヤが塞いではくれてたけど傷は残る。
時間をかければ傷痕も消しながら治せるって言ってくれてたけど、それをする分もマーヤの負担になるから断ってた。
傷を塞いでくれるだけ本当に有難い。
それに元々、子供の頃から傷は結構ついてたから気にならなかったし。
「いいんです。この傷を見るたびマーヤが治してくれたって再認識出来るんです。忘れるつもりは毛頭ないですけど、それだけマーヤに助けてくれたことを忘れずに感謝できるんです。それに、ギルドに入る前から結構傷だらけだったんで気にしてないです」
「ギルドに入る前から……か。そうか、俺の考えてた以上に色々と体験してきてたのか」
色々と察してくれてる様子だった。
察してくれて、それ以上追及してくれなくて正直ありがたい。
人に誉められるような傷じゃないものが多いし。
早く着替えてしまおうと、下半身は着替え、上半身の服を脱いだ時だった。
「すみません着替え終わりました。もう……部屋……使っても……」
「あ」
着替え終わったマーヤが別部屋から出てくる。
着替え途中で上半身がまっさらな俺と目があった。




