65話 魔力貯蔵石のブレスレット
「これは初めて見る色だな、取って見てもいいか?」
「どうぞ……すみません、まだ少しふらついて……」
手に持っていた魔力貯蔵石全てをリュウさんに渡す。
他の石も様々な色をしているけど、兎に角休みたい……
「ジン、椅子借りたから座って」
声をかけてくれたのはマーヤで椅子を持ってきてくれる。
好意に甘えて椅子に腰かける。
さっき胸に倒れこんだ俺に優しくしてくれる。
本当に良い子だよ……
「ありがとう、それとさっきはごめん」
「仕方ないよ、ジンが頑張ってくれたんだもん」
「でもさ……デリケートな部分だし」
罪悪感に苛まれる俺にマーヤは口を開く。
「ねえジンって明日時間ある?」
「え?ライジングサンズの行動聞かないと分からないな……」
「メッセージパッドで話してたお出かけ、明日行けたら行こうよ。それで食べたいパフェがあるんだけど奢ってくれたら許してあげましょう」
いたずらっぽく笑いながらフザケテ敬語を使うマーヤにドギマギしてしまう。
パフェ一つで胸も笑顔もデート権も得てしまっていいんだろうか……
「是非奢らせて下さい。ただ、明日の予定を聞いてからーー」
「行ってくると良い。どっちにしろ明日は休日にするつもりだったから。あとこれ」
話を聞いていたリュウさんが許可をくれる。
そして先程の魔力貯蔵石がブレスレットになっていて、それを俺に渡してくる。
「これは?」
「さっきの魔力貯蔵石を手首用のブレスレットにした。彼女に今渡してあげるといい」
「そしたら直接マーヤに……」
「それは違う。ジンの魔力と思いが入ってるんだ。ジンが渡して初めて意味がある」
「それにね、マーヤくんもジンちゃんから貰いたがるわよ」
元々の魔力貯蔵石もブレスレットを作ったのもリュウさんだったから少し気が引けるのもあったけど、リュウさん、そしてギルドマスターまでに言われたら、言葉に甘えるしかない。
「ん」
そして既に手首を俺の方に差し出すマーヤ。
これ、渡すんじゃなくてつけてあげる流れ……?
「つけていいの?」
「つけてくれると嬉しいな。座ったままでいいから。せっかくジンがくれるんだし」
「はよはよ」と何度も差し出す腕に、周りも「はよはよ」と盛り立てる。
よく見ると諦めたように受付嬢まで乗っかってる。
注意するのも諦めてる……!?
「わかったよ。このブレスレットがマーヤを守ってくれることを祈って」
留め具を外し、マーヤの手を取り、手首にブレスレットをつける。
気のせいかもしれないけど、少し魔力貯蔵石が光ったように見えた。




