64話 イメージとたわわ
謎が多い魔力貯蔵石。
魔力を注ぐことは出来ても、その魔力を使うことが出来ない。
その魔力を使うトリガーが想い……
「リュウさんってロマンチストですか?」
「これでロマンチストなのか分からないが、まだ殆ど解明されてないものだからな。是非試して欲しいんだ。何事も無いことがベストではあるんだがな」
そう、何事もないことがベスト。
新しく加入する人が何も問題を起こさなく、任務を成功させて欲しい。
でも、問題が起こらない保証はない。
万が一、何も起こらなくても、この先の魔物は更に強くなる。
一つでも安心できる備えは多ければ多いほどいい。
俺は渡された魔力貯蔵石を両手で包み、握る。
俺は静かに目を閉じる。
イメージしろ。
魔力を注ぐイメージを
イメージしろ。
マーヤを守るイメージを
触れたら石から炎が出る、発光する……俺の使える魔力でなら何だっていい。
俺の代わりにマーヤを守って欲しい。
小さな石に願い、魔力を注ぎ込むイメージをする。
手の中に熱が篭るのを感じる。
魔力を注ぎ込む……というより途中から吸い取られている感覚になる。
少し意識が遠退いていく……
魔力を持っていかれすぎて……
足にちからが……
「ジン!?」
マーヤの声が聞こえてくるが返事も出来ず、そのまま床に倒れそうになる。
が、誰かに包まれる。
「よかった……間に合った……」
優しく安堵してくれる声がする。
恐らくマーヤが受け止めてくれたんだと思う。
力が入らない状態で分からないけど、顔が何か凄く柔らかいものに包まれてる……
「ごめん、受け止めてくれてありがとう……」
「うん……でも、出来れば、そのね……」
マーヤが何かばつの悪いというか歯切れが悪い反応する……
どうしたんだろ……それにしてもこのまま包まれてたい……
「ジン、彼女の胸を堪能するのはいいが、そろそろ退いてあげないとセクハラになるぞ」
……今、胸を堪能とかいった……?
柔らかいものに包まれてる……
すぐ聞こえるマーヤの声。
受け止めてくれたのはマーヤ……
…………………………………ああ。
これはマズイ……退いてあげないと……!!
でも力が入らないし出来ればこのままでいたい。
「ごめん……力が入らないから突き飛ばして……」
「無理だよ……いかにもフラフラなのに突き飛ばしたら危ないもん……それに私の為にしてくれてるんでしょ?」
突き飛ばすどころか頭を撫で初めてくれる。
そういえば何時かの夜、こうして……
「俺の肩を貸そう」
リュウさんが肩を貸してくれてリュウさんに身体を委ねる。
色んな意味でありがたいし色んな意味で少し残念。
「ありがとうございますリュウさん……」
「いや、ありがとうは俺の言葉だ。この様子だと成功してそうだ」
手に持っていた魔力貯蔵石を確認すると、様々な色が鮮やかに光っている。
これはどういうことだろう。




