62話 新任務
ライジングサンズで預かる。
それはつまり……
「冒険者ギルドからも戦力外……ってことですか?」
「何でですか!?ギルドマスターさんもジンはしっかりやってくれたって言ってたじゃないですか!」
ショックを受けて動揺する俺とは逆に納得いかない様子で抗議するマーヤ。
「待ちなさい。二人とも本当に話を聞いてなかったのね。本来は上司の話を聞かないなんてどういう了見なのかしら……って言いたいところだけど、ライジングサンズにギルドマスターとして最後になるかもしれない任務を伝えたのよ。本来は自分のギルドの専門外以外での任務を他のギルドに頼むこと自体珍しいんだけどね」
「最後になるかもしれない任務?」
ギルドマスターは少し間をあける。
「ライジングサンズにもオーガ討伐の任務をお願いしたの。他ギルドだけど、先に行ってる私のギルドパーティの結果も芳しくないみたいだし、このままじゃ被害が大きくなるのも時間の問題だしね」
「その任務を受ける条件として『ジンが欲しい』っていったんだ。完全移籍はダメだったけど、このままサポートとしてなら、オーガ討伐までライジングサンズにレンタル移籍という形になる」
ジンが欲しい……?
完全移籍?
誰が?
俺が!?ライジングサンズに!?
「いや!?ちょっと待ってください!!何か話が飛躍しずきてません!?それに俺が欲しいって……」
「飛躍もなにもないさ、いたって当然の考えだ。当然ジンが欲しいってのも本気だ。これは今までジンの働きを見てきた俺の判断だ。料理、道具作成のサポートは勿論、ライジングサンズ全員の反応、シルに見せた対応……それに、俺達の贔屓目がなく、しっかりジンを見ていた彼女からも慕われている。それで確信した、俺の考えに間違いはない。もう一度言う。俺もライジングサンズもジンが欲しい」
俺が欲しいって言ってくれるのは凄く嬉しいが少し急すぎて頭が混乱する。
冷静になれ。
クリアアトランティスで受けていたオーガ討伐をライジングサンズも受ける。
そこで俺がライジングサンズに入ることを条件でオーガ討伐の任務を受ける。
断れないよね、これ。
戦力的にケイ、シル、そしてリュウさんがいればオーガ討伐は成功すると思う。
それに、オーガを放置したら被害は広がる。
既に討伐に向かってるパーティもいる中、討伐報告もない。
だからクリアアトランティスも編成されたし、ライジングサンズに任務を頼んでいる。
断れない、とは言ったけど答えは決まってる。
「俺がライジングサンズに移籍して、任務が成功する可能性があるなら、是非お願いします」
「よかった。改めて宜しくなジン 」
リュウさんが右手を差し出してくれた。
俺はそれをしっかり握手して返す。
小話
オーガ討伐に関しては他のパーティにも依頼しています
街に進行するのを防ぐので精一杯の状況ですが
ちなみにライジングサンズが冒険者ギルドの任務を受けたのは、元からオーガ討伐の任務を依頼されていたが、旅適正が不明のライジングサンズの適正を見るため、凶鳥討伐の結果次第で任務を受けるか受けないか判断するためでもあります




