41話 ジンの評価 ーマーヤサイド③ー
「なんだと!?解散しろか辞めろだって!?」
怒りが収まらないワイルドさんだけではなく、ターキーさん、タミーさんも驚きを隠せずにいた。
「それはあんまりじゃないでしょうか?」
「そうよ!それにここで任務の途中破棄なんてしたらパーティだけじゃなくてギルドにも傷がつくじゃない!?」
「そうだ。つまりそれくらい不甲斐ないことは承知で解散しろって言っているんだ。今のまま、任務続行させたら危険と判断した。」
「危険だと?」とワイルドの答えにギルドマスターは「そう」と答え、そのまま話を続ける。
「あなた達、さっきから戦闘戦闘……ジンを戦闘要員にしか見てなかったの?もしそうだとしたら片腹痛いわ。聞いていい?今日までジンに何をさせてたの?」
「何をさせてたって、誰でも出来る雑用しか使い道ないじゃないか。料理、道具運搬、資金管理に見張りやその他諸々……」
「とはいえ、道具なんて基本装備品は自分達が持ってますし、負担は微々たるものかと。」
「見張りなんて、ジンは基本寝ないって言ってたし適材適所でしょ」
ターキーさんが言うように確かに装備品は自分達で持っている
。
急に魔物と遭遇しても戦えるように、それは当たり前のこと。
でも、ジンが運んでいた道具は微々たるものでもない。
私達四人分の雑貨、野宿に使うテントや最低限の食材。
一度持たせてもらったことあるけどそこそこの重量があって、私が運ぼうとしたらぐらぐらする。
比較的、安全な道の時に持てるだけの物を一緒に運んだりするけど、少し魔物と遭遇しそうなエリアでは
『マーヤが戦闘に対応出来なかったらこのパーティは壊滅するから俺が運ぶよ』
と頑なに1人で運んでくれた。
資金面も魔物を食材にしたり野草で節約したり色々考えてくれていた。
それにタミーさんの『ジンは基本寝ない』と言っていたけど違う。
これは離脱する数日前に、ジン本人が教えてくれた。
寝ないんじゃなくて寝たくても寝たくないって教えてくれた。
でも、あの時は何日も寝てない日が続いてたからせめて休めてほしくて………………
いや、恥ずかしいから思い出さない方がいいかもしれない。
兎に角、私がギルドのパーティが今回初めてだから、ベテランの人の意見とは違うかもしれないけど、色んなジンを見てきた私からすれば……
ジンが一番クリアアトランティスを支えていたって言っても過言じゃないと思う。
「……もういいわ。わかった。……ここまでだとは予想だにしなかった。私の認識力不足だったわね」
悲しそうな目をしながら、手に持ったラムネを一気に飲み干し、机に強く叩きつけた。
「わかった。今回は私の落ち度。私がクリアアトランティスの人員を補充してあげる。ただし、その街でギルド登録してるやつは、ろくなヤツが残ってないわよ?」
「アイツよりマシだろ?」
「……お前たちがそう思うならそうかもね。でも、後悔することになる」
「アイツと無駄に過ごした時間より後悔することがあるか」
ワイルドさんもギルドマスターさんも一歩も退かない。
少しの静寂が流れて、気まずく、空気が重い……。
痺れを切らして、先に口を開いたのはギルドマスターさんだった。
「言ったわね?なら、新たなメンバーがくるまで大人しくこの街に滞在しなさい。幸い、オーガは他ギルドの協力もあり、まだ大人しくしていて時間もある。少しは自分達が過ごした時間を振り替えってみることね。期限は1週間くらいかしら。それまでに集めておくわ。私からは以上。」
それを最後の言葉と受け取り、ワイルドさん達は部屋を出る。
「マーヤくん。少し話がある。残ってくれない?」
その後ろを着いていこうとしたら、ギルドマスターさんに残るように言われた。
ジンが寝たくても寝たくないって所……サイドで書くかもしれないです。




