42話 マーヤとギルドマスターと経過報告 ーマーヤサイド④ー
他のメンバーは先に宿屋に戻っていき、私と、受付の人、モニター越しのギルドマスターさんのみとなった。
「あの、私に話とは?」
「いやね、クリアアトランティスを結成して2ヶ月がたったけど、どうだったかなって聞いてみたくて。さっきの3人の話だと、ジンの愚痴で終わりそうだったから」
「どうだった……ですか」
結成されて2ヶ月。
本当にあっという間だった。
毎日が体験したこと無いことばかり。
辛いことの方が多かったと思う。
「……正直、辛いことが多かったです。移動は勿論、野宿や戦闘もほぼ初めてで大変でした。私以外の皆は慣れてる様子で……」
「他のメンバーは別の任務とかで慣れてるから、にしてもジンちゃんもギルドの任務初めてだろうに、あのこも慣れてたの?」
ジンちゃん……
そういう風に呼べるのはこの人くらいだろうなぁ……
「ジンが教えてくれたんですけど、野宿は慣れてるっていってましたよ。それで私、野宿で何を用意していいかわからなくて寝袋用意してなかったんです」
「そうなの?それでそれで?」
ギルドマスターさんはこんな普通の話を前のめりで聞いてくれる。
さっきまで怒ってた人とは別人みたいに思う。
これもきっと落ち込んでいた私に対して気を使ってくれてるのかもしれない。
「それに気づいたジンが見張りやって使わないからって私に貸してくれたり……あの、こんな普通な話が続くんですけど……」
「いいのいいの、経過報告みたいなものだから、寧ろ!そういう!ちょっといい感じの話が欲しかったの!その調子で話して話して!ああでも、別にワイルドが無双してたとかは今はどうでもいいから!兎に角続きをちょうだい」
まるで、同級生に話をするかのように淡々と話していく。
魔法学校に行く前に戻ったかのようだった。
「ジンが魔物の毒抜きしたり……」
「そんなことまで出来るの彼?」
30分後
「ココア入れてくれたり……」
「甘い予感がするわね!」
1時間後
「その……思わず、抱き締めちゃいました……」
「いやー!!あなたもなかなかグイグイいくわね!!」
私達は経過報告といいながら、ジンの話で盛り上がっていた。
色んなこと洗いざらい聞かれてるから経過報告になってるのかもしれないけど……
「マスター、時間掛けすぎです……」
「なによ!まだ聞いていたいのに!!……しょうがないわね、じゃあ最後に本題に行くわよ」
ギルドマスターは受付の人に言われて、少し真剣な顔をする。
本題あったんだ……
「あの、本題とは?」
「そうね、さっきまでジンちゃんで盛り上がったけど……あなた、ジンちゃんの居ないクリアアトランティスを支える覚悟はあるかしら?」




