14話 幸運は突然に
どうにか、口に!せめて首周辺に当たれ!
そんな俺の願望も、虚しいものとなった。
毒ボールは軌道は無情にも下降。
そりゃそうだ。下から強風でも吹かない限りボールは下降する。
例え、これがどんなにきれいなバックスピンのかかった火の玉ストレートでも重力には勝てないで落ちていっただろう。
そもそも今の体勢状、斜め上に投げることも出来ない。
毒ボールはみるみる下降する。
ダメだったか……
諦めていたが、突如、凶鳥も毒ボールと同じく下降。
何かを発見したかの如く勢いよく下る。
あまりに急スピードだったからよく状況がわからないが。
もしかしたら投げた毒ボールが目に入り、餌と勘違いしているのかもしれない。
その予想が当たってか、凶鳥は毒ボールを口に入れる。
そのまま上昇する途中で
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」
凶鳥は空中で奇声をあげ、口から泡を吹き出している。
そして体が硬直、そのまま急下落。
「うわっ!?」
カバンを掴んでた鉤爪は力を失い、カバンを放す。
俺は空中で投げ出される形となる。
強烈な重力を感じ、意識が飛びそうになるも、数十メートル下の地上をみる。
湖があるか、森林があるか。
深さのある湖なら死なずに済みそうだし…!
森林なら木が勢いを殺してくれるかもしれない…!
だが
俺の願いは届かず続いた幸運もここまでみたいだ。
下はなにもない更地だった。
ああ、俺は死ぬのか…
マーヤとの約束果たせなさそうだ。
『この任務終わったら会いにいくから…絶対に…』
マーヤとの別れ際の言葉を思い出す。
まだ、死ぬと決まったわけじゃない……
最期の悪あがきの準備。
衝撃に備えるため、受け身を取れるように、地面に背中からつくように回転する。
最後の最後まで足掻いてやる。そういったじゃないか。
でも、そう思っても目を開けられるほど俺は強くなかった。
まず衝撃が伝わったのは背中から、そして足と激痛が走る。
終わった…と思ったが。
それは死ぬほどの痛みは感じなかった。
むしろ誰かに抱えてもらってる感じがする。
これは?
「まさか凶鳥だけじゃなく、人間まで落ちてくるとは予想外だったぜ」
声がし、目を開けると、そこには金髪の青年の顔があった。




