強欲と強欲 43
「こっちこっちい」
リロに案内されて、ケレッサとかいう村に向かう。絶対に
ひどいことになってるんだろうね、だからリロはこうやって案内するんだ。ただ単に家に帰ったとは思えないのは、おれの心も荒んでるからかな? でも、どうにも健全な目的で姿を消したとは思えないんだよなあ。
やっぱり、村であの罪人たちが人殺しとか盗みとか……もっとひどいことをしてるんだろうか? なんでわざわざ今とも思うんだけど、そういうものなのかもしれない。
第一に、全員が手ぶらのはずだった。何をするにしても先立つものがいるはずだよね。罪人ともなると……だめだめ、そんな決めつけは、大体どうして罪人として捕まったのかもわからないじゃないか。
でも、リロがこんなに喜んでるあたり……はあ。
「見えたわ!」
先にプリアが発見して、少し遅れておれも村をとらえた。
思わず、あっと声をあげちゃったのも無理はないよね。少し前の街と同じく、火の手があがってた。家もいくつか潰されちゃってる。
けど、それ以上に驚かされたのは、そこにいた彼の姿だった。
「オーク⁉」
間違いなくスロポスさんだった。黄色い体色に8本の角、あの大きさ。
そして、手に握ってる女の子をぷちりと潰してた。
こっちに気付いたのか、スロポスさんはのっしのっしとやってきた。プリアがどうする? って言いたそうにこっちを見るけど、おれだってどうしたらいいかわからない。一体どうなってるの?
ああもう、肩に寄りかかってこないでよ。
「よお」
軽い挨拶がまた怖いんだ。8人殺したおじさんもだけど、見た目はすごく冷静なのにやってることはやばいって言うのはすっごく怖い。ってか、ケレッサの村を襲撃してたんだよね?
「どうしたんだこんなところで」
「あ、え……」
どういったらいいかわからない。それを察したのか、それとも村から目を離せないので悟ったのか、スロポスさんは手をポンと叩いた。
「俺の縄張りだったからな」
縄張り?
「女神たちの解説タ~イム」
リロが嬉しそうに割り込んできた。
「えっとねえ、メニューからもわかるけどお、オークは排他的で一人で生活するのねえ」
それは何となく憶えてるけど……。
「で、自分で決めた範囲を縄張りにしてそこで一生を過ごすのお。当然そこにあるものは全部自分のでえ、勝手に入ってきたら敵とみなしちゃう」
じゃあ村が……って、村が一日二日でできるわけない。
「そ、後から来たオークが縄張りって言って、元々あった村を侵入者ってことで潰しちゃったのねん」




