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アンラッキーヒーロー6
「しょうがねえなあ」
男は大きく溜め息をついた。その直後、無造作に宮部に近寄った。
「わわっ!来るなっ来たら飛び降りょかぶはれっっ!」
男は宮部に皆まで言わさず、痩せた体を肩の上に持ち上げた。
「ああっ!危ないっ!」
怖がって暴れる宮部を、コンクリートの床の上に放り投げた。運動神経が悪い宮部は、受け身もとれずに背中をしたたかに打ちつけた。
「痛ぁ……無茶なことしないでくださいよ怪我したらどうするんですか」
宮部は背中をさすりながら愚痴をこぼした。流石に骨折などはしていないものの、痣くらいは出来ていそうだ。
「なんだてめえ。死ぬ気満々だったくせして、今さら怪我ごときでゴタゴタぬかすな」
言葉使いは荒いが、言っていることに反論ができなかった。
「なんでこんなことするんですか……?」
宮部にはわからない。この男は宮部とは何の関係もない赤の他人だ。何のために宮部にこんな悲しい想いをさせるのか、宮部にはわからない。
「なんせ、オレはこういうものなんでな」
男は胸ポケットから黒い手帳を取り出した。
捜査一課
日凪寿郎
(なんだ、刑事か)
日凪とかいうこと中年男性が、どうしていらぬ御節介を焼くのかがわかった。納得がいくと同時に唾を吐き棄てたくなった。




