直也と桜
いよいよ高校を卒業直前あのパーティー以来直也の家で、花嫁修業をしていた桜は、ひたすら頑張っていた。俺は「桜、無理してない?別に俺と同じ食事しなくてもいいんだよ。足にも負担かかるし、朝のランニングとか無理して付き合わなくても良いんだからね?」桜は「無理はしていないよ最近少し体を動かさないし、少しプールで水中歩行をやり始めたんだジャントレーナーが教えてくれるってリハビリーみたいなものだねお医者さんも許可くれた。直也のチームのみんな優しくていいチームだね?」俺は「まぁこのメンバーになってもう七年だからね家族みたいなものかな?桜がお嫁さんになる時も変わらないメンバーであって欲しいとは思うけど?いつ引退するか分からないからね後一冠に手が届かない悔しさがあるかな?四冠取って引退したいからね?目標達成まではやめたくないな?トーナメントプロは、ピークはまだ故障しなければ何年かできるし、ピーク過ぎたら引退するさ。世界回れなくなるからね財政的に、そうなればいよいよトレーナープロに転向だね子供達にテニス教えてさ。自分の子供にはやりたければ教えるしやりたく無くて他の道を見つけたならばその道を応援したいかな?」桜は「私も同じかなそれまでには。パワフルママを目指しますよ。」俺は「あっ、今日は桜の誕生日のプレゼント渡すんだった遅くなってごめんね」とポケットから小さな箱を取り出した。包装紙を綺麗に取り、箱を開けるとハート型の指輪真ん中には誕生石のルビーがはめ込まれていた。思わず桜は涙を流して「有難うね!直也に会えてよかった。」俺は頭を撫でながら「薬指出して指輪はめるから」と言って指輪をはめた。これは婚約指輪だから、と言って、卒業式に向かう二人であった、お互い進路も学部も同じ違うのは、現国、古典漢文の専門課程位で必修科目は同じであった。国立の大学で、文学部教育学科、サークルには入らず、自宅に帰る。この頃には車で送迎してもらうようになっていた。直也は「なんかやけに目立ってしまうね送迎車」桜は「でも自宅からだとどうしてもね?」俺は「免許証はあるけどさ、トレーナーが運転は駄目だって言うしさ」桜は「今や時の人だもんね直也は大事な体に怪我はさせたくないんだよジャンさんは。」俺は「それは分かるけどさ。近場のスーパーかショッピングモールかジムならOKで~す。通学はだめで~すってわざとらしいいかにもコメディ外人口調やめて欲しいんだよね?」桜は「ジャンさん日本語上手いもんね流暢で綺麗な日本語だし」直也は「車通学の話になるとエセ外国人になるんだよな〜」と二人はキャンパスライフを楽しんでいた。来週からまた、全米、全仏、全英、全豪のグランドスラムをかけた戦いが始まる。俺は「桜またこの季節が来ちまった今年こそ四冠達成目指してくるから来週から1ヶ月留守頼むな?」桜は「無理せず、無事に帰ってきてねキスは出発前にしてあげるから」俺は「頑張ります。取り敢えず全米オープン3連覇して来るから」桜は「そんな簡単には行かないでしょ?」俺は「はいすみません、調子乗ってました。」桜は「素直でよろしい!」と言って頭を撫でてくる俺は「あのですね流石の俺も学内では恥ずかしいでござるよ。」桜は「なんで武士言葉?」笑っていたそんな日々が続き早四年があっという間にすぎた。世界ランクも気がつけば八位この年の直也は絶好調で既にグランドスラム三冠を達成しいよいよ全豪オープン優勝に向けての最終戦のコートにゆっくりと歩みを進める直也対するは全米オープン二位のレガシー因縁の対決となった第一セット5対3で直也の勝ち続く第二セット5対4でレガシーのワンセット取り返す最後のワンセット最終ゲーム40デュースでのまま膠着状態が続くもう打ち合うて3時間半が経過お互いの精神が擦り切れてしまうぐらいにボロボロになっているが俺の足はまだ動くレガシーの足はどうだ!その時聞き覚えのある声が聞こえた桜と茜が「一球入魂!」と聞こえるあいつら見に来てるのかよと思いながら、俺は「期待に応えなきゃ男がすだるっもんだわな。」絶好のコースの玉が来たレガシーの股の下にドライブショットを打ち込む。レガシーがワンテンポ遅れマッチポイントを取った。また今度は観客席の半分が日の丸の旗振り一球入魂のコールが聞こえた。直也は軽く息をラケットのグリップに吹きかけサーブするレガシーの動きに合わせてレシーブするセンターに返さず逆サイドのコーナーを狙って打つレガシーはアウトだと思ったらしいが、ゲームセットウィナー直也東條!とコールがかかる。ネットの上で固く握手をし肩を叩き互いの善戦を讃えレガシーが「That was a great match. I hope to see you in every match next year—and next time, I won't lose, Champ.」
俺は「The pleasure is all mine. Rival—let's have another great match!」と返したその後フラフラの二人であったが観客席に向かい2人の手を掴むながら上に掲げ礼をした四方順番に同じ様に礼をして互いのユニホームに、サインを書いて交換をした。お互いが死力を尽くして戦った健闘を讃えると言う儀式みたいなものでサッカーにはよくある光景だがテニスではほんの稀にある光景だったこの年の前代未聞の快挙となるオープンテニス四冠達成であった。コートから帰る控え室の前にチーム直也のスタッフと桜が居たスタッフ一人一人にハグをして桜の番ハグをして感極まってキスを交わした。後から来た茜や咲川プロは、ヒューヒューと口笛を鳴らして「よっ御両人暑いね〜と冷やかしてきた」俺は「うっせー桜にしか俺の唇はやんねぇよ」と言った。茜は「だれがおまえのなんかいるかよ!」俺は「茜!次はお前の番だ俺に見せてくれ女子グランドスラム四冠!」と控え室に入った矢先に疲れがピークに達し倒れてしまった。あとは表彰式だけなのにと思いながら桜の膝の感触に包まれて眠ってしまった。あとから聞いた話だがレガシーの方が先にダウンしたようで少し回復したのか表彰台に先に上がって待っていた俺は表彰台の前まで肩を借りて後ろから桜が支えてくれた。トロフィーを掲げて首から金のメダルを下げて写った写真が残るレガシーのリンスタには支えてくれた桜と直也が写っていた。そのすぐ後、式を上げ、ふたりは晴れて、本当の家族になった。~完~




