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妖怪人間  作者: 神崎悟
ヒーロー始動編
3/3

第二話 はじめまして

扉に体全身を入れ、次の瞬間目を見張る光景を目にした。

先程まで開けたグラウンドにいたはずなのに、丘の様なところにワープしている。これも超常現象だが、目の前の『これ』に比べれば全然驚きはしない。

『これ』とは、自身の前方に見える、街のことだった。丘の上から見ているおかげか街の全体が見渡せる。建物が視界を埋め尽くす程広く続いている。高く聳え立つビル、スーパーマーケットに見える長方形の豆腐型のお店、そして中央辺りには何やら王宮の様なものが見える。街並みだけで言ってしまえば日本の東京に似ているような感じだ。

頭では理解しているが、当然信じ難い。

「これが、妖魔界じゃぞ、どうだ驚いただろう」

老人に声をかけられ、やっと現実に戻ってきたようなそんな感覚になった。

「うん、夢を見ている気分」

老人は自分を見て、少しばかし口角を上げ、笑みを浮かべていた。

「それじゃ、ちょいとついてくるんじゃ、この妖魔界でのお主の居場所となる場所に行くぞ」

そう言い老人は、少し歩き森林の中に入り少しばかし開けたところで止まり、何やら地面に向かって手をかざした。突如、老人が手をかざした所に蒼く光り輝く魔法陣のようなものが浮き出てきた。

「この上に乗るんじゃ、これはワープをすることが出来るぞ」

もうなんか、適応能力が高いのか驚かなくなってきた。まぁ妖魔界なんて場所じゃ普通だわな。

そう思いながら魔法陣に乗ると、視界が一気に眩い光で埋め尽くされ、次目を開くとそこはさっきとは別の場所になっていた。説明通りワープしたんだな。

目の前には見るだけで億劫になるような、岩の階段が続いていた。何段あるんだこれ、上空を見ても一向に終わりが見えない。まさかこれを登るとか言わないよなっ!?

「よし、この上にわしの道場があるんじゃ。さて、登るぞ」

だと思ったよ...。

...はあはあ、疲れた、どうなってるんだよ、もうかれこれ1時間ほど登ってる気がするぞ。しかもこれ途中で気付いたけど、階段の端付近まで行って下を見ると、それはまあなんと良い景色なんでしょう、底が全く見えない!落ちたら多分死んでしまうな!アハハハハ...もう驚きもしないわ。

この老人はなんで一切疲れてなさそうなんだよ。見た目の割に案外動けるんだな、そういえばさっき『わしの道場』とか言ってたな、道場開けるぐらい動けんだな。

そんな事考えてると、

「ほれ見てみ、終わりが見えて来たぞ」

「やっと、長かった…」

遂に終わりが見えた、長過ぎるだろ、というか今思うと先程のワープ魔法で頂上まで来れないのかよ。まぁ今気にしてもしょうがない。それにしてもすごいデカさのドアだなっ!アニメとかでしか見ないような感じだわな、まぁ今起きてる全てがアニメみたいだけどな。

老人が門扉を開けようとすると古いのか、ギィィィと軋む音が鳴り響く。

中に覗いてみると四人の人間のような人がいる、何やら特訓をしているようだ。

「戻ったぞ〜」

老人がそういうと四人が一斉に老人に向かって言葉を返した。

「おかえりなさい」

中にいる四人は老人の弟子なんだろーな、それにしても全員なんか人間みたいに見えるな、年齢も俺と同じく幼そうに見える、この人たちも俺と一緒で連れてこられたのか?そんなことを考えていると四人の中の一人、髪が茶髪で瞳も茶色く整った顔立ちをしている人が不思議そうに老人に喋りかける。

「先生はどこに行っていたんですか?」

老人はここでは『先生』って呼ばれてるんだな、師匠じゃないんだ。

「今日は皆にお知らせがある!、わしが少し留守にしていてたのも関係する。今日はお主らをより強くする為に今日弟子となる人物を一人連れて来たんじゃ、さっ前に出てくるんじゃ」

えっいやいやちょっと待ってよ、いきなり過ぎない!?ほら、弟子の人達も驚いてるよ、えっこれほんとに出た方がいいの?いやここまで来たらもう緊張とかそういうのは気にしない方がいいな。よし行くぞ!

「ど、どうもこんにちは、はじめまして、えっと神崎陽斗です」

くそやっぱり緊張する、弟子さん達もめっちゃジロジロ見てくるじゃんっ!そんな見つめないでくれっ余計緊張してくるからっ!

「みんなこの陽斗がこれからお主らと一緒に切磋琢磨していく新たな仲間じゃよろしくな!後陽斗は人間だから周りに言わないようにな」

え、それって言っていいの、ダメじゃないだって妖魔界だと大犯罪なんでしょ、いやまぁ確かにこの人の弟子なわけだしな、安全か。

そう呑気に考えていたら、突如自分に向かって何かが投げられ、見てみると顔の横に小刀が壁に突き刺さっていた。驚きと命の危機感を覚えた、だが、体は全くもって動かない。弟子の一人の青髪の人が青い瞳で強く鋭い目つきで睨んでいる。

「先生、妖魔界に人間はバレたら即死刑になる程の大犯罪ですよ。なぜ、それなのにここに人間なんかを連れて来たんですか?それ程こいつが強いようにも思えません。こいつをチームに入れるのが強くする為なら俺が先生に見してあげますよ、こんな奴が居なくたって十分今も強く、強くなれるという事をね」

ここに来て早々ピンチかこれは、やべぇなどうしよう。

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