23話
さ〜てここから次の町までまた気合を入れて走っていくか。リリーとも走って競い合ったし体力も幾分かマシになっているはずだ〜!!
うん。異世界にいるからってそんなに甘くないですよね。調子にのちゃった。
「ゼハーゼハー……気合い入れすぎた。ここからは……歩いて行こう。」
私は、端っこに寄りながらゆっくり歩いて行くと男性冒険者のグループが通り過ぎていく。その時に会話がきこえた。
「おい。この先の村、数多くの病人がいるらしいぞ。」
「それは本当か。なら予定をずらしてそのまま領都に向かうか。何せあそこのギルドの近くの宿で出る朝食がものすごく美味いらしい。しかも集中力が上がる時もあるみたいだ。」
「そうなんだ。そいつは楽しみだな。なら仕方ない、村は通り過ぎよう。」
方針が決まったみたいで冒険者のグループは、足早に去って行く。あいつらリリーの村が病気なのは知っていた。ってことは情報は隣町には、確実に知ってるよな。ただ治った事は知らないみたいだったから町に入れてもえるか心配だ。そんな事を考えつつ道を進んで行くが途中から歩く事で精一杯になり。
「少し休憩しよ。」
草が生い茂ってるところで大の字になっていると来た方向から馬のパカパカと蹄が聞こえてくる。すごい勢いで通って行きそのまま私の横を走り去って行った。かなり慌ててたけど何かあったのかなこの先に何もなければいいんだけど。
「よし、また行こう。」
そう言葉に出して歩き出そうとすると突然ドンっと何かにぶつかり思わず
「いたッ。すみません。」
つい前世のクセが出てしまった。
「おい、しっかり前を見て歩けよ。」
私より少しだけ背の高いの男の子が腕を組みながらそう言ってこちらを見ている。
「ご忠告ありがとうございます。」
「お、おう。次は気をつけろよ。」
と言ってすれ違った。そしてそのまましばらく道をテクテクと歩いていくと。
「おーい!!ちょっと待ってくれ!!」
さっきの男の子の声が聞こえてくる。
ごめんなさい先を急いでいるので聞こえないふりをしてテクテク歩いていくと
「なぁ。ちょっとぐらい待ってくれてもいいだろう。」
「え?アー、サッキノ、カタデスネ。」
「なんか喋り方が変だぞ。」
「ソンナコトナイデスヨー。」
自分の大根役者っぷりは残念だが今はこれが限界なのだ、よく頑張った私。
「ま、いいやそれよりもあんた、町に向かうんだろ。オレが案内してやるよ。」
「いえ、全然大丈夫ですよ。」
「1人よりも2人の方がいいだろう?」
こっちの世界でもあるのかこういうこと、っていうか年齢的に早くないか?
「でもさっき、逆方向に向かってなかったですか?」
「あぁ〜。でも問題ないよ。」
めちゃくちゃ怪しい。私今度の町ではあまり目立ちたくないんだよな。できればさっと泊まってさっと出発したいんだけど……よし決めた。このまま黙って歩こうそのうち諦めるでしょう。
テクテク
「さっき馬が急いできてよ。となりの村の病気は、なんか治ったみたいだぞ。」
テクテク
「噂によるとある少女が作った物を食べただけで。」
テクテク
「もし本当ならスゲーよな、それに冒険者たちからも新しい噂を聞いててよ。」
テクテク
「領都の冒険者ギルドの近くにある宿屋の朝食を食べると力が湧いてくるらしいぜ。オレも食いて〜。」
えーと私黙って歩いてるんだけなんだけど、この男の子が言ってることに色々既視感がある。いやいやたまたま違う村でそういうことがあって、領都のギルドの近くにはいろんな宿があるからそこのどこかだろう。しかしこの男の子、よりよってピンポイントで私に話しかけるかね。
後ろをチラッと見るとあれ、こんなに顔が整ってたっけ?耳も少し尖ってるし。魔法で隠してたよねこれ。よし、ならちょっと意地悪してみようっと。
「ねぇ。」
「ようやく、オレの話を聞いてくれる気になったか。」
「魔法が解けてるよ。君、エルフだったんだね。」
「えっ……なんで……うぅん。ソンナコトナイヨゼ。」
顔中汗だらけになりながらすごいカタコトで誤魔化そうとしたがその行動が全てものがっているよね。
「まぁバレてもそんな態度だから別に問題ないや。それでさ、オレの話を聞いてくれるのか?」
うん。開き直られるとこっちも怖くなってそこからは、黙って歩いていると、
「あ、おい!!」
また慌ててついてくる。
「オレはラードって言うんだ。バレたらしょうがないけど見ての通りエルフだ。あの町に行くとわかるがかなり軽蔑されてる」
えっ!!エルフって人気なんだと勝手に思っていた。
「うん?どうした、急に止まって」
「許せない。もし本当なら絶対許せない。」
軽蔑されるような事をしたらならしょうがないけど、それでも種族全てを軽蔑する事はないだろう。また目立つことになるかもだけど手伝えることがあったら手助けしよう。
「その話歩きながらでいいから聞かせて。」
「お、おう」
男の子、ラードだっけは返事はしたけどその場から動かず、呆然としていたので
「ねぇ。このままおいてくよ。」
「ちょっとまってくれ。」
と慌てて近寄って来た。
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