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決定……?

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 パチリと目が覚めたルナの赤い目に映るは、木々の葉の隙間すきまからのぞく、ぼんやりと明るい青空。

 朧気おぼろげな目をこすっては、実に一週間ぶりのまともな睡眠に、軽く伸びをした。


「ん……ぁ……!」


 ふぅぅ……!と大きく息を吐いては、周囲を見回した。


(そうだ……あたし助けてもらったんだった。)


 ルナの頭を過ぎるは、四体の下位魔物を圧倒する黒の姿。自分の話を聞いても気味悪がらずに同情してくれ、名前までくれたのは、黒が初めてであった。


(……皆。魔物が関するとみ嫌う。仮でも自分の育て親が魔物の研究者なんて、知れば関わらないようにするのも当然。)


 しかし黒は違った……と言うより、一般人とは根本から違った。


「魔物を知らないなんて……思いもしないよ。」


 くすりと笑ってしまうルナは、温かい布団を抱き寄せた。黒の布団を抱きしめると、不思議と落ち着けた。


(……でも、あたしが居たらどんなに強い黒でも……。)


 ふとした瞬間に、ルナは黒の無惨むざんな死体を思い浮かべてしまい、ぎゅっとくちびるを噛みしめる。


(黒にこれ以上迷惑をかけないためにも、やっぱり……あたしはここから離れなきゃ……。)


 名残惜しくも布団の温もりから出た少女は、布団のはしにそろえて置かれている物を見て目を見開いた。


 そこには葉っぱをんで作られたくつがあったのだ。


(……。ありがたくもらおう。)


 ルナは葉っぱでまれたくつき、靴底くつぞこが樹皮になっていると知れば、これからとげむ心配がなくなり喜ぶと同時に、くつを作った黒に対して感謝の気持ちでいっぱいになった。


(……そう言えば、黒はどこに?)


 その様に思ったルナは、拠点きょてんから地上をのぞき見た。上からの景色は高すぎて一瞬腹の底がゾゾッとちぢみ、くすぐったく思うも、やはり黒は居なかった。


「居ない……?……どこかに行っちゃったのかな?」


 首をかしげるルナはしかし、ごくりと固唾かたずを飲み込む。

 黒が戻って来てしまえば、抜け出して離れるのはもっとむずかしくなる。黒の性格であれば追ってくる可能性もある。それを思えば下位魔物より手強い相手であるのは明白めいはくであった。


 故に。ルナは思ってしまう。


(……離れるなら……黒が居ない今か。)


 少しさみしく思ったルナは、拠点きょてんから地上までの高さを見てやはり、腹の底がちぢんでしまう。


「大丈夫……木登りならやったことはある。」


 ルナの頭を過ぎるは、三メートル程度の木である。それと八十メートルえの木を比較ひかくするのは無茶があった。


(せめて、何かあれば……。)


 無茶ぐらい理解しているために、拠点きょてんに何かないか探し始めるルナは、直ぐに黒が布団のはしに置いていたつるの束を見つけてしまった。


(うん……。丈夫だから行けるはず。)


 つるを両手で持ち、引っ張って耐久性を確認したルナは、ちぎれる様子のないつるに安心し、つるを木の枝に結びつけて、下へらした。


(だいたい中間あたり……そこまで降りたらあとは自力で……か。)


 ずっと腹の底がゾワゾワしたままのルナは、他人に迷惑をかけることと、一時の恐怖きょうふ天秤てんびんにかけた。当然、天秤てんびんは一時の恐怖にかたむき、ルナの意志をより強固なものとす


「いや無理でしょ!?」


 思わず叫んでしまうルナは、自殺と等しい行動をしようとしていた事に自分であきれてしまう。


「そもそも、地上八メートルの場所に、足場もなしに拠点きょてんを造るとか……どう考えてもありえないでしょ!?」


 ぷるぷるとふるえるルナの足。

 それは、黒の行動に対する文句と、バカなことを挑戦しようとした自責と、シンプルな恐怖心がない混ぜになってしまい、脱力気味である証拠しょうこであった。


「やめやめ!拠点きょてんの下で死んだらそれこそ迷惑だよ!」


 黒が居ない時に降りるなどあきらめ、再び布団に寝転がり、木の葉の隙間すきまからのぞくぼんやりと明るい空を見上げる。


「何もすることがない……。」


 ぼーっと空を見つめるだけの静かな時間が過ぎていた。

 カサカサと木々の葉はわずかな風にらされ、こすり合い心地よい音を発する。その音に耳を澄まし、目をつむるルナ。


(思い返せば、何も無い時間って家を出て以来か……。)


 家を出てからは逃げて逃げてを繰り返し、色んな人のお世話になっては'死'という迷惑をかけて逃げて。森に入ってはずっと逃げて。ひまな時間などないに等しかった。


(何もない時間って……どう過ごすんだっけ。)


 開いたルナの赤い瞳は相も変わらず空を見る。

 ひまな時の過ごし方を忘れたが故に、ルナは今、空を見上げるしか出来ずに居た。しかし、それも長くは続かず、黒の布団にくるまればごろごろと転がる。


「……まだかなぁ……。」


 退屈故にボソリとつぶやいたルナの目はやがて、ゆっくりと閉じて行く。


 --

 -


 ルナが寝落ちして二時間後の事であった。


 拠点の下まで来た黒は、ガサッと果実の入った草カゴを地面に置いた。果実がそこそこ入っているというのに、くずれる様子のない草カゴに安堵あんどし、持ち上げる。


「……よし。耐久性も問題はなさそうだな。」


 黒は草カゴの完成に安心し、休憩きゅうけいはさむことなく、ひまな時間が来る前にタンッ!と跳躍ちょうやくし、木をけ上がる。


「ただいま。」


 トッと拠点きょてんの上に着した黒は、まだ寝てるかもしれないルナを思い、小声で言った。黒の予想通り、ルナはまだ布団に包まり眠って居た。悪夢にうなされている様子もなく、すやすやと気持ち良さそうに眠るルナの姿を見た黒は、ついほおゆるんでしまう。


無邪気むじゃきに眠るな。普通なら俺を警戒けいかいして眠れないだろうに。)


 黒は肩にかついでいた草カゴをゆっくり下ろし、ルナを起こさないように拠点きょてんはしに座った。


(それほど逃げ疲れたのだと考えるとなんだかな……。こくな世界だ。)


 黒がそのように思えてしまったのは、異世界こちらに来て二日で少女を保護ほごしたからだった。二日でそれなら一週間後は?一ヶ月後は?一年後は?こくな世界での生活を心配するのも当然であった。


(……あ。まずい。暇だ。)


 ポンッと現れるは、黒が恐れていたひまな時間。

 草カゴに入っているリンゴのような果実を適当に一つ取って、シャリッとかじる黒は、らした足をぷらぷらさせる。


 少しでも何かして気をまぎらわせようとする行動からなるものであった。しかし、その程度のことでは、自分の身に起きたことを嫌でも思い出してしまい、黒も考えないようにする事を流石にあきらめた。


(俺は異世界に来た。心の準備もなく突然に……。依然と何故かは分からないまま。)


 シャリッと果実をかじる音がやけに大きく聞こえる中、黒の頭を過ぎるは昨夜の自分。


(怒りはもうない。)


 そのように思う黒の服装は、昨日と比べると明らかにボロボロであった。引っかれて破られた箇所かしょからは生傷が見え、肩には痛々しい半分の歯跡がある。必然と服はボロくなっていた。


 拠点周辺の下位魔物を駆逐くちくするために、昨夜は怒りのままに森をけ回っていた。否。駆逐くちくと言うよりかは八つ当たりの方が正しかった。何も考えずにただひたすら理不尽に怒り、下位魔物を殺していた。


(ただ……。この思いは。)


 そして、怒りが冷めた今、黒の胸を色濃いろこく満たすは'漠然ばくぜんとした不安'であった。


(あぁ……嫌いだ。この思い。)


 ガリッガリッと種を全て噛みくだいた黒は、残った果実のへたをポイッと捨てた。


(やめだ。俺も寝よう。寝てればルナも目覚めるだろ。)


 そう思い黒は足をらしたまま横になり目を閉じたが、頭の中をぐるぐると回る考えたくない事。


 祖父母はどうなったのか、地球はどうなっているのか、消えた自分を探しているのだろうか、なんでこんな事になったのか、あの日眠らなければこんな事にはならなかったのではないか。そのような嫌な思考が頭を巡った。


「……。俺はどうすればいい……。」


そう独り言ちる黒の背はとても小さかった。


 --

 -


 パチリと目が覚めた黒は、自らに布団か被さり、両手がめ付けられる感覚がしては眉を寄せた。


(なんだ……?動けな……。)


 首をひねり、後ろを見た黒は絶句してしまう。ルナの赤い瞳が布団の暗闇の中から黒をじっと見ていたからだ。


「ルナ。布団かけてくれるのは分かる。優しさが働いたんだろうな……が、なんで手を縛った?」


 そう。黒は両手をつるしばられていたのだ。


「なんでじゃないよ!そんなはしで寝て……落ちたらどうするのさ!?」


 バッと布団をめくったルナは、黒の両手をしばつるを離さないようににぎっていた。


「ぉう……優しさ……。」


 手をしばられる時など、罠にかかった時くらいのために、黒はルナを敵判定しようとしていた自分を恥じた。


「分かった。今度からそっちで寝るようにする。ありがとな。」


「ううん。気にしないで!黒が落ちちゃったらあたしも困るし。」


 解かれ自由になった両手をさすりながら黒は起き上がるも、ふと疑問に思う。


(なんで俺は気付かなかったのか?)


 黒の体は、寝ている時でも身体にれられれば反射的に起きるよう、じぃばぁに設定されているのだ。

 釈然しゃくぜんとしない黒はルナを見るも、彼女はつるをくるくると輪っか状にたばねているだけ。しばらくの間考える黒であるが、すぐに結論は出た。


(現状に混乱してるだけだ。気を引きしめろ。ここは日本の森じゃないんだ。)


「……黒?どうかした?」


 つるを輪っか状にたばね終えたルナは、どこか考え込んでいる様子の黒の脇腹わきばらをつんつんとつつく。


「いや。何でもない。」


「あ、そう?」


 ルナは黒が脇腹わきばらをつつかれて、「くすぐったい!」と反応すると思っていた手前、何ともなさそうな黒の様子に、少しだけさみしく感じる。

 そんなルナの気持ちを知らずに、黒は草カゴに入っている果実に手を伸ばし、二つ取ってはルナに一つ渡した。


「悪いが、今日も果実だ。」


「そんな事ない……!もらえるだけでもありがたいし、それにこのくつも黒が作ったんでしょ!?」


 黒はそう言われてようやく、ルナが自分の作ったくついている事に気がついた。下位魔物を散々狩り尽くした後に、眠れもしなかった黒は草カゴのついでにくつも作ったのだ。


「おう……!どうだ?いい出来だろ?壊れるかもしれないから毎回調整が必要だけどな。」


「いやいや!ホントにすごいよ!黒って戦えて物までつくれて……。」


 ルナはそこまで言ってようやく気づく。黒の格好が昨夜より少しボロくなっていることに。


「なんで……そんなに傷ついてるの?」


「……。あれだ、最先端のファッションだ。」


「血の着いたファッションなんて斬新ざんしん!かっこいい!て言うと思った!?」


「じゃぁ。ぉ……驚いたか?実はこれ」


「じゃあって言ってるし!?そこから発展しても苦しいのは目に見えてるよ!?」


 ルナの迫力に気圧された黒はやがて、自らの祖父が言っていた事を思い出す。


「言うだろ?怪我と傷跡は男の勲章くんしょうだと。」


「ドヤ顔!?絶対違うはずなのにドヤ顔!?違うよ黒!いろいろとズレてるよ!!」


「なっ!?ズレてる……だと!?」


 結果。黒はショックを受けた。


(爺ちゃん。俺らズレてるってよ。)


 しょぼくれた黒は、するどく自分を見据みすえるルナの赤い瞳を見て言い訳を言う。


「ズレてるのは俺じゃない!爺ちゃんだ!」


「そっち!?ていうか、お爺ちゃんが居るの!?」


「……。爺ちゃんは……。」


「これは……どっち!?……ねぇ!?」


「ピンピンしちょる。」


「紛らわ!触れづら!!」


 ルナの怒涛どとうのツッコミにくすくすと笑う黒は、その頭をでてはシャリッと果実をかじる。


喉荒のどあれるぞ。」


「……ぅ。話をらして……。」


 ルナは清々しいまでに話を切り替えた黒をジトッとにらむも、でられた事にほおゆるんでしまう。


 シャリシャリと、黒とルナが果実を二、三口かじった頃、黒が切り出す。


「食いながらだけど、ルナはこれからどうしたい?」


「……ぁ……と。」


 突然振られた真面目な話にルナは答えれずに、黒かった目をらしてしまう。


「選択としては三つか?」


「……。……聞いてもいい?」


「どれもすすめたくないけどな。」


 黒のげる選択肢が気になるルナは、どこか言いづらそうな黒の顔を見て不安になった。


「一つは人里に保護を願」


「嫌だ!」


 ハッとしたルナは、驚いた様子の黒を見て直ぐに手を振る。


「ほ、ほら、おじさんが魔物の研究者って知ったら、どんな扱い受けるか分からないし……。」


「……。そうか。」


「うん。ごめん。食い気味に否定して。」


「いや、いい。そう言えば研究は犯罪ギリギリって言ってたもんな。こっちこそすまん。」


 黒は苦笑いするルナを見ては、適当に言葉を述べながら、その様子を記憶にきざむ。'それだけ'の反応のように思えなかったためだ。


「二つ目。俺と一緒におじさんの元へ行く。」


「……。」


「知っての通り俺は強い。ルナとおじさんの間を取り持つくらい問題ない。」


 ルナは黒の言うことに反感を抱いていた。なんとしてでもそれだけは嫌だったが故に、口を開こうとした時であった。


「昨日。自分の話を聞いていたか。だろ?」


「……ぅん。」


「当然、ルナの事情を理解した上での提案だ。おじさんと会うのは嫌だろ?俺も嫌だ。でも……。」


 黒は簡単にその先を言えなかった。その可能性は低く、黒自身もおじさんを信じることが出来なかったからだ。一度裏切られたルナに下手な希望を持たせるのは、違った場合に受ける負荷を大きくするだけであった。


 故に、'愛しているかも'など、口がけても言えなかった。


「とにかく、話し合いたいならこれを選べばいい。俺は全力で協力するし、ルナの安全を保証ほしょうする。」


(おじさんの元に戻ることは怖い。あの家に戻って、あの笑みを見たら耐えられない気がする。また……逃げる気がする。)


「……。ごめん。あたしはもう……おじさんに会いたくない。」


 そう答えるルナは黒の目が見れなかった。

 自分のことを思って選択肢を出してくれているのに'No'と答えるのは、申し訳なかったからだ。


「いや、気にするな。最初に言った通り、どれもすすめたくない。断られると思って言ってるから、気にせずじゃんじゃん断ってくれ。」


「……そっか。ありがと。それじゃ……三つ目。聞いてもいい?」


「……俺から生きる術を学んで、一人で生きていくか。」


 ルナは目を見開いた。瞬時にそれにしようと口を開きかけるも、ルナは一度思考してしまう。


(その間。黒が死んでしまう可能性は……?)


 ルナは今まで世話になった人達を皆死なせてしまっている。もれなく全員が魔物の手による惨殺ざんさつ。いくら強い黒であっても、不意打ちされては厳しいだろうという考えが、傷だらけの黒の様子から思えてしまったのだ。


「俺がこれをすすめないのは、ルナは女で子供だということ。はっきりいって戦力も力作業も厳しい。知識だけ詰めても出来なきゃ意味がない。こくだが、言いたい事は分かるな?」


 黒の言いたい事を理解し、ルナはその選択肢をあきらめた。もともと、魔物から逃げている際にも薄々感じ取っていた事実の為に、受け入れるのはすぐだった。


「確かに厳しい……ね。」


 提示された三つの選択肢。それはどれもルナにとって厳しい選択であった。同時にルナはこの後に黒が言うことを察していた。そして、自分がそれに甘えてしまうことも。


「そこで、一つ。おすすめの選択肢がある。聞くか?」


「……聞くよ。」


 ルナは甘えるだろう自分に嫌気が指した。誰かの迷惑にはなりたくないのに。自分が厄介事の原因だと理解しているのに。それなのに、引きつった笑みを浮かべ、手を差し伸べる黒を見てルナは笑ってしまうのだ。喜び故に。


「俺と行動を共にするか?」


 黒はルナへと手を差し出しながら思う。


(家も家族も失った俺には居場所がない。)


「……ぃじわるだよ。」


 ルナは黒の手をにぎりながら思う。


(家も家族も行き場もないあたしには……居場所がない。)


 故に、二人は思う。


((ここを居場所にしてしまおう。))


 互いの隣。それが自分の居場所だと認識する事で、自分の胸に空いたものをめようとしていた。


「よろしくな。ルナ。」


「……。うん。よろしく!」


 不思議と。悪くないとルナは思ってしまった。

おまけ



「なぁルナ。下位魔物ってことは、その上も居るってことだろ?」

「……。ついに来た……説明する時が……。」

「どうした?辛そうだぞ?具合でも悪いか?」

「……別に!」

「ぉ、おう?」


「まず魔物は下位・中位・上位に分けられて、下位から順に数が多いんだよ。」

「ふぅん。じゃ、上位は希少って言うことか?」

「そうだね!ま、中位とも遭遇することはあまり無いからね、ほとんどが下位だよ!」

「ふむふむ。確かに下位魔物しか狩ってないな。」

「ん?狩ってない?」

「……いや?下位魔物しか見ってない。」

「無茶だよ!?なんでそれで誤魔化せるっておもったのさ!?それに、その傷ってまさか、下位魔物を狩ってたの!?」

「……まさかぁ。そんな好戦的じゃない。」

「……。……やってるなぁ。たぶんやってるなぁ。」


「そ、それで!?他は!?」

「他?他は……魔獣かな?」

「魔獣?」

「人間が欲に溺れてなるのが魔物・魔族で、動植物が欲に溺れてなるのが魔獣だね。」

「動植物に欲とかあるのか?」

「そこら辺は研究が進んでないみたいだよ?あたしが読んだ魔獣の本も数冊程度だったし。」

「ふぅん。あ、そういえば、竜を見たんだが、あれも魔獣か?」

「竜を見たの!?」

「あぁ見た。でっかいぞ!こんなあったぞ!こんな!」

「手で大きさ示されても……。でも、竜も魔獣ってことに間違いはないよ。よく死ななかったねぇ。」

「寝てたからな!」

「運が良いことで……。」


「……それで、魔族ってなんだ?」

「上位魔物の上に位置される存在だよ。」

「じゃ、更に希少ってことか?」

「そういう事になるね!」

「なるほど、てことは……魔族が魔物を作ってるのか!」

「……何でそうなるの?!」

「あってたか!」

「んんんんん〜〜!!違う!」


--


「……わ……分かった……?あたし疲れたんだけど……。」

「あぁ。完璧だ。つまり、魔物は危ない。魔獣はもっと危ない。魔族はマジで危ない!だな?」

「……はぁ。そういうことでいいや。間違ってないから。とにかく……魔族は額に角が生えてて、凄く残虐で恐ろしい存在であると理解していてくださいっっ!!」

「うぃ!……でも魔物って人間が欲に溺れて堕ちた姿なんだよな。それがこんなに森に居るって事は……。」

「……。……悲しい現実だよね。」

「そうだな。ありがとな、いろいろと教えてくれて。」

「ううん!別にいいさ!」


「さてと、そろそろ探索にでも行くか。」

「あたしも行っていい?」

「……?危ないぞ?」

「ここに一人で居てもつまらないじゃん?」

「……それは、確かに。」

「だからさ、いいでしょ?お願い!」

「……ま、いいぞ。」

「ほんと!?」

「あぁ。その代わり、俺から離れるなよ?どこに危険があるか分かったものじゃない。」

「分かった!」


「じゃ、降りるか。」

「……また……おんぶ?」

「投げられたいか?」

「いやです。」

「ほら、降りるぞ。」

「うぅ……。恥ずかしい。」

「子供か。」

「大人だよ!!」

「子供だろ。」

「……ばか。」

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