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悲・怒……そして悦。

 --

 -


「食うか?」


 少女が拠点きょてんれ始めた頃、黒は取っておくつもりだったリンゴのような果実を全て少女との間に置き、布団の上に腰を下ろした。


「……いいの?」


「採りすぎたからな。」


「じ……じゃあ。」


 躊躇ちゅうちょした少女は、果実をかじった黒を見て、同じように一口かじった。


(っっ!!甘い……!!)


 口の中に広がる甘さに、強がっていた少女は目を見開いてしまう。その見開いた赤い瞳はジワジワと溜まった涙にれる。


「おいしいよ。すごく、すごくね。」


 少女は布団に果実の汁がかからないよう注意しながらガツガツと食べる。口いっぱいに果実を頬張ほおばっては、直ぐに飲み込み、やがて少女は黒の目すら気にせず、ただ食べる事のみに集中し、止まること無くかじり続けた。


(そりゃ、あんなけ軽かったら何も食ってないよな。)


 ボロボロと涙を流しながら、ヒックヒックと嗚咽おえつをしながら、必死に食べる少女は、そでなしの服で涙をぬぐう。その様子を見た黒は、ぎゅっと胸がめ付けられる。


 その姿が……十四年前、祖父母に保護ほごされた自分と重なったからだ。


(空腹はキツいよな……。)


 生きているという事をめるかの様に、果実を食べ続ける少女。そんな中、黒は何も言わず、果実をかじりながら少女を見守っていた。


 --

 -


 全ての果実を食べ終え、涙をぬぐったせいで少女の目は充血じゅうけつしてしまい、真っ赤になっていた。まだヒックと嗚咽おえつが少女の声を切る中。腹がふくれた様子の彼女に黒はホッとおだやかな気持ちになりながらも、違和感いわかんを覚えていた。


(いろいろと……気になるな。ここはどこなのか、さっきの妖怪のことと言い、この少女のことと言い。そして何よりも。)


 ふっ……と黒は暗くなってしまう。


(爺ちゃん達は本当に居るのか……?)


 そんな事を思っては、首を振るい、落ち着いた様子の少女へ向いた。


「それじゃ聞いていいか?ここってどこだ?近くの人里は?国は?川って近くにあるか!?」


「……。多いよ……。」


 少女のジトッとした目を向けられた黒は、最後に「ぁ……。」と思い出す。


「あとなんでこんな所にいるのかも。」


 黒がたずねた瞬間、少女はピタリと止まり、誤魔化ごまかすようににヘらと笑う。


「聞いても面白くないよ……?」


「面白い話を求めてる訳じゃないからな。」


「……。」


 口をつぐみうつむいた少女を見て、黒は眉を寄らせた。


(しまったな……気遣いが足りなかった。)


 少女が空腹であった事を考えた黒は、彼女の置かれている状況を理解して後悔していた。


(そもそも、逃げれないこの状況で、言いたくない事を聞かれちゃそりゃふるえるよな。)


「言いたくないなら追求しない。であれ」


「いや。言うよ。」


 別の事を聞き出そうとした黒の言葉をさえぎった少女の赤い瞳には、覚悟がめられていた。


(さっさと言って嫌われよう。いくら優しいこの人でも……。)


 そこまで考えた少女は首を振るい、口を開き始める。


「あたしの両親はね、魔入りしちゃったらしくて、もう居ないんだ。」


(魔入り……?魔物になるって事か?)


「代わりにあたしを育ててくれたおじさんが居たんだけど、全然あたしに構ってくれなかった。いつも研究ばっかり……。だからあたしはおじさんの難しい本とかを読むのが日課だったんだよね。」


 おかしそうに笑う少女は、ボソリとつぶやく。


「やっぱり……愛されてなかったんだ。」


 食事は黒みがかったパンと干し肉。飲み水もどこかにごっていて、とても育ち盛りの子供に食べさせるものではなかった。当然少女の腹が満たされる事もなかった。

 外での行動範囲も家周辺のフェンスで囲われた範囲内だけ。そんな対応が愛されてるなど思える訳がなかった。


「でもね、まだ家で過ごしてた時はそんな訳ないって否定して……見ないふりしてたんだ。だからおじさんに構ってもらおうとするけど……全部苦笑いされて「後でね」……って。」


「嫌われてたのか?」


「嫌われてた……というより、他人の子として接してたんじゃないかな。あたしからしたらさびしかったけどね。」


(だろうな……。)


 黒はうつむいている少女に共感していた。

 親が居ないというのは思いの外、子供にとって負担になる。それは嫌という程理解していた。


「……で、おじさんが居るはずなのに、なんでこんな森の中を逃げてたんだ?」


 聞くには、少女は他人の子として接され、そこに愛情がないとしても、平均より少し細め程度の姿から、おじさんは育児放棄いくじほうきをしていた訳ではない。家出するにしても、命を危険にさらす森の中を走るのはやりすぎである。


 黒は思っていた。(他にも方法があっただろうに……。)と。


「あたし……おじさんにイタズラして遊んでたんだ。」


「イタズラ……?」


「うん。'さびしい'って気持ちがよく分からなくて、その思いが物に当たって、そしたらおじさんは怒ったんだ。顔を真っ赤にしてね。」


(なるほどな……。構って貰えなかったこの子はそれにすら喜びを感じ、'こうすれば'と考えた。)


「危険があるにも関わらず家を出るくらいだ。おじさんの大事な物でも壊したのか?」


 黒が冗談じょうだんを言いながらたずねると、少女は首を振るい、悲しそうに笑う。


「あたし、見ちゃったんだ。おじさんの研究しているものを。」


「……?」


「魔物だった。」


「っっ!?」


 驚いた黒を見てくすくすと笑う少女の頭を過ぎるは、地下につながる階段を降りた先にあった鉄格子。その奥には二十を超える下位魔物が居たのだ。


「怖かったよ。だからその場から逃げて、地下から出た時におじさんと鉢合わせたんだ。おじさんは凄い形相であたしをにらんだの。怖かったね。魔物よりもずっと。」


 その時の情景を思い出した少女は、カタカタと手がふるえてしまい、それをかくすようにぎゅっとにぎる。


(五体でもキモイのにな、二十体となればもっとだろ。)


 少女の思いをさっする黒はしかし、ふと疑問に思った。


「家の地下だろ?鳴き声とかしなかったか?ほら、集まればすごそうだし。」


 黒と少女の頭に浮かぶは、「キョロロッ!!」と合唱する魔物の群れ。互いにそのシュールな情景を思い浮かべてはくすっと笑い、少女は首を振るう。


「それが、全然鳴かなかったんだよ。ほとんどの魔物が、ぼーっとしてた。本に書いてあったことと違って、逆に気味が悪かったけどね。」


「……でも、流石におじさんが研究してたら、気付けた機会はあっただろ?気付かなかったのか?」


「……うん。……いや、気付いてたのかもしれない。おじさんの本には魔物やそれに関するものばっかりだったから。」


 少女の頭を過ぎるは分厚い本が詰められた本棚。


「でも……そうであって欲しくないと思ってたのかもしれない。ほら、魔物に関する研究って犯罪ギリギリだから……て、知らないよね?」


「うっ。まぁな。でも、犯罪ギリギリのことを親がやってるって知ったら嫌だな。」


「でしょ?」


 悲しそう笑った少女はうつむき、「だから」と続ける。


「あたし聞いたんだ。'なんであたしに名前が無いのかって……。'」


「そう言えば名前がないって……。」


 黒が思い出したかのように少女の顔を見れば、その目にはなみだまっていた。


「っっ!?」


 驚いた黒は目を見開き、動揺どうようあらわにしてしまう。


「そしたらね……。おじさん笑ったんだ。いつもの苦笑いとかじゃなくて、心の底からの笑顔だった。」


 ふるえた声で伝えようとする少女。黒はピタリと不審ふしん挙動きょどうが止まり、嫌な予感がしたためにおそおそたずねた。


「おじさんは……なんて?」


「「研究対象に付ける名前はないだろ?」だってさ……。」


(……。本当に……愛してなかったのかよ。)


 黒はおじさんの中にわずかでも愛情があったと思っていた。

 少女がこれまで成長出来たのも、森をけることが出来るほど健やかな体が出来ていることも、よごれてても綺麗きれいな銀髪からも。そう思えてしまっていたのだ。


 故に。黒は裏切られた気分であった。


「もういい……。」


 ボソリと黒はつぶやく。声にも怒りがふくまれていたが、少女には聞こえていなかった。


「義父だとしてもさ……親だと思ってたんだ……。」


「もういいっ!!」


 ボロボロとなみだを流す少女。その両肩に手を置いて黒はくちびるを噛み締めていた。胸に抱く思いは'おじさんへの怒り'に、'少女への同情'。


 親を失った時の苦しみは黒も理解出来た。


(実の親が居ないだけでも辛いだろうに、養父は自分を研究対象に……。この子にとってそれは裏切りだ。可哀想ってレベルじゃねぇぞ……。)


 気付くと黒は少女を抱き締めていた。

 十四年前。黒が自分の首に突き立てていた包丁を弾き飛ばした後の祖父母のように。力強くしかし優しく。そして、彼女の事を思い口を開く。


「お前の気持ちを完璧かんぺきには理解出来ない。……が。辛いのによく頑張ったな。」


「…っっ!!」


 黒の腕の中で少女は目を見開いた。

 養父の家から出て森に入って、命を危険にさらした数など一ヶ月の内に数え切れないほど。それなのに少女が今まで生き残れたのは、一重に少女が'生きたい'と必死になって足掻あがいたためだ。


(そうか……)


 少女の顔がゆがむ。


(あたし……!……頑張ったんだ……!)


 それは悲しみ故ではなかった。自分の足掻あがきが無駄ではなかった事に安堵あんどしたが故に。

 その足掻あがきが認められた事に喜び、強い抱擁ほうように、人の温もりに'生きている'と実感させられたが故に。


 少女の瞳からは、先程とは違った意味の涙があふれ出ていた。


 ドクンッドクンッと強く鼓動こどうする黒の心臓。黒はなみだを流す少女をめる中、考えていた。


(何がこの子のためになるのか……。)


 次第にふるえて来た少女の体。ヒックヒックとしゃくり上げる彼女の背中を優しくさする黒は、上天より自分たちをのぞく月を見てつぶやく。


「ルナ……。」


「……ぇ?」


「'ルナ'。俺はそう呼んでもいいか?」


 少女は黒の目を見ながらも、ぽかんと口を開けていた。人に'名前'を呼ばれた日などなかったからだ。


 だからこそ、衝撃しょうげきは大きかった。


「る……な……?るな……ルナ……。あたしの……呼び名?」


 少女は噛みめるようにその名をり返した。

 忘れてしまわないように。今胸に抱く思いもその名にきざむように。


 流すなみだの意味がまた変わる。


 それは、愛情でも人の温もりでもなく、本当に欲しかったのは、人に呼ばれる名だと言うことに気づいてしまったから。


(あたしの名前はルナ……。あたしの名前は……ルナ……。ルナ……!)


「ぅっ……!ぅあっ!!ぅぁあああ!!」


 少女は泣きさけぶ。胸の奥でせき止めていたものが一勢にあふれ出たのだ。黒を抱きめ返すその力は強く。強く。自分の存在を伝えるかのように。証明するかのように。


 その叫び声は、森にひびき渡る。


 --

 -


 泣き疲れたルナが寝た頃、黒はその細い体をそっと横にして布団をかけた。


(確認しなきゃな。)


 立ち上がった黒の目がけわしくなる。

 それはあって欲しくないという願いからである。そんな思いと向かい合った黒は、タンッ!と跳躍ちょうやくし、すさまじい速度で樹上をけ渡る。


(どこだ……。)


 獲物えものを探す肉食獣がごとく、ギョロギョロと動かされる黒の瞳は、樹上も地上もせわしなく見て回り、耳はどんな小さな音でも聞きらさないように常にましていた。


(どこだ……!)


 ザッザッ!と幾分いくふんも必死になって木々をけていた。早く出て来てくれ、早く見つかってくれ、せめて存在の証明をしてくれ。そんな思いが常に黒の胸の中を満たしていた。


(どこなんだ……!?)


 ザッザッ!と幾十分いくじゅっぷんも森をけ回って居た。しかし見つかるのは、何か巨大な生物が付けた爪痕つめあとばかり。

 黒はトンッ。と地面に着しては、跳躍ちょうやくし、タンッ!タンッ!と木々をけ上がる。


「爺ちゃん……!婆ちゃん……!!」


 黒の声が森にひびわたる。

 馬鹿ばかげた考えが頭の中を占領せんりょうする中。黒はガサッ!と開けた地に出た。


「はぁ……はぁ……はぁ……。まじか……。」


 あらい息を肩で吐く黒は、目の前の光景を見てそのようにつぶやいてしまう。

 五十メートル範囲の地面が焼きげ、中央にだけある木に体を預けて眠る、五メートル程の竜が居た。


「グルルル……。グルルル……。」


 五十メートルはなれた所でも聞こえる寝息ねいきや、月明かりに照らされてギラギラ光る竜鱗りゅうりんするどい爪や牙。その迫力はくりょくは、作り物のたぐいではないと容易よういに理解出来た。


「……はは。」


 しばらくの間思考が停止してしまっていた黒の口からは、ようやく。かわいた笑いが発せられる。


「……異世界へようこそっ……てか。」


 黒の抱いていた疑念ぎねんは確信へと変わる。

 

 どこかも分からない鬱蒼うっそうとした森。よく分からないふわふわの植物。ルナの銀髪赤眼。魔物と呼ばれるちた人間の成れの果て。それらを研究する者。そして、目の前の竜。


「現実じゃ有り得ねぇものばかりだ。」


 黒はカリカリと後頭部をく。


「あぁ……くそ。」


 黒はガリガリと後頭部をく。

 黒をおそった衝撃しょうげきは十四年ぶりの悲しみ。両親をなくした時と同じ悲しみであった。


 その瞳が一瞬だけ……薄らと赤黒くまる。


「……っざけんな。」


 ボソリとつぶやいた黒は振り返り拠点へ向けて歩き始めた。流石に竜相手に喧嘩けんかを売るほど冷静さは失っていなかった。


 しかし。


「キョロロ……。」


 ガサッと目の前から飛び出してくる下位魔物。それを認識した黒は瞬時しゅんじにその顔面をなぐり飛ばした。


みにくい体で徘徊はいかいするのは嫌だろ……?」


 口では魔入りした者に対しての気遣いだが、その行動の元を辿たどるとそこには、'嫌な事が起きたからやつ当たる'と言う、癇癪かんしゃくを起こした子供と同じものがあった。


 破裂はれつした魔物の頭。その体が木に打ち付けられては、ずるりと地面にくずれ落ちた。


(……イラつく。なんでこうなった?)


 ザッサッと拠点へ向けて歩く黒は、事実に気づく前までの自分を嫌い、チッと舌打ち一つ。


「何が生き残るだの、帰るだの……。てめぇに帰る場所はもう……。」


 そこまで口にした黒はギリッ!と歯をきしませる。


「キョロッ!!」


 ガサッ!と草むらから黒へ向けて飛び出した下位魔物。ギンッ!と見開く黒の黒いひとみが下位魔物をとらえては、その右手が下位魔物の顔をつかむ。


「キョロ!?ギョロッ!!」


 じたばたとあばれる下位魔物が黒の腕をつかみ、凄まじい握力でにぎつぶそうとするも、それは黒を逆上させるだけであった。


「うぜぇ!!」


 ドゴォ!と木に打ち付けられる下位魔物。ずるっとくずれ落ちる前に、黒はその顔をつぶした。


 黒は木のみきについた足跡など見もせずに、ズキズキと痛む右腕をさする。手をにぎっては開いてをり返し、グッとにぎること四回目。


「チッ。」


 舌打ちをして黒はその場を後にした。


 --

 -


 黒を前にして逃げ出した下位魔物が、休まずけ続ける事半日。森の中にひっそりと建てられた家に辿たどり着いた。


「キョロォ……。キョロォ?」


 ドアノブを引き、ズカズカと中へ入って行く下位魔物は、迷いのない足取りで、玄関げんかんから一番遠い部屋に入った。


「〜〜♪」


 カチャカチャと、鼻歌を歌いながら作業するその者。四角いフレームのメガネをかけた身長百八十程の白衣姿の男性は、背後よりせまる下位魔物に気付いていない。


 下位魔物はそのくさったような細い腕を振り上げると。


「キョロッ!!」


 鳴いた。


「おっと……?」


 ようやく下位魔物の存在に気付いた白衣の男性は振り返り、そのみにくい姿を目に映し、メガネの奥の黄色いひとみが愛しい者を見るかのように優しくゆがむ。


「……やぁ。もう帰ってきたのかい?」


 優しそうな声を発する白衣の男性は、手をげて「キョロッ!」といた下位魔物の頭をでる。


「じゃ、こっちに来て。」


 下位魔物の手をにぎった男性は、歩調を合わせ、ゆっくりと先導せんどうし、古びた木の椅子いすに座らせる。


「大丈夫。痛くないからね?」


 男性は下位魔物の頭を開き、組み込まれていたゴツゴツとした石……'記憶石'にグチッとコードをつなげた。


「キョロ!?」


「大丈夫。落ち着いて?……ね?」


 チリンッと鳴るすず

 あばれかけた魔物は直ぐに沈静化ちんせいかし、大人しく椅子いすに座る。


「キョロォ……。」


「さぁ。君が見たものを僕に見せたまえ。」


 赤黒い血が付着した真っ赤なかべに下位魔物の見た光景が映し出される。


 そこには、四体の下位魔物を倒した圧倒的な力を見せる黒と、その黒の背後にて口をあんぐりと開けておどろいているルナの姿が映っていた。


「っっ!!」


 目を見開いた男性はしかし、直ぐにその顔が嗜虐的しぎゃくてきゆがむ。


「……へぇ。'また'、居場所を見つけちゃったか。」


 男性は記憶石につないだコードを外し、少しふるえ出した下位魔物の頭を閉じては、優しくでその手をにぎる。


「案内してくれるかい?……最後の仕上げに行かなくてはね。」


「キョロロッ!」


 白衣を着た男性と下位魔物は手をつないでは家を出て、鬱蒼うっそうとした森の中へと入って行った。

おまけ



「ふふ。あと少し。あと少しで'君'ははるか高みの存在となる。この悦び……君は分かってくれるよね?」

「キョロッ!!」

「ふふ。いい子だね。家出するような悪い子とは違う。君達は素直で従順で……何より美しい。」

「キョロロォ……。」

「照れることはないさ……!その可愛らしい半面は、見つめる度に僕をとりこにする。」

「キョロッ!キョロロッ!!」

「っっ!!そうかい。心配してくれてありがとうね。でも、僕は大丈夫だよ。なんせ、独りは慣れてる。」

「キョロォ?」

「……。つまらない話じゃなくてさ、楽しい話でもしようか?」

「キョロ!」

「最近!新鮮な魔獣の脳みそが手に入ってね!これが研究の一歩に役立ってくれるといいんだけど。」

「キョロ……。」

「え?楽しくないって?ふふ。君はやっぱり素直で可愛らしい。」

「キョロ?」

「ふふ。分からなくていいんだよ。理解されないのも……慣れてるからね。」

「キョロ……。」

「気にしないで。君は、僕の言うことを聞いてればいいんだから……ね?」

「キョロ!」

「ふふ。ふふふ……ぁははは……!!」

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