朱雀さんの愛情表現68
朱雀がきゃしゃな体を白いパイル地の長いワンピースにくるんで戻ってきた
「足は」というと、窓に座ったまままっすぐ自分に向かって伸ばした。
足の裏がきれいになっていたので葛の葉はスリッパを出すとポンと飛んで部屋に入ってきた。
永遠に生き年を取らない小憎らしい美少女の朱雀は、ハツラツとした熱気を小柄な体から
ほとばしらせてまだ反省もしていないらしい、そのエネルギーだけで葛のを疲れさせるには十分だった。
お茶を飲むとだいぶ落ち着いてきたらしくピークを通り越した、肉体的疲労、精神的疲労でふらふらに
なっている、葛の葉にやっと気が付いたようだった。
「お前、どうしたんだ?具合悪いのか?」
「そうじゃ、見てわからんか、それより何があった」
話を聞いているうちにいろんな疲労が重なって心がトゲトゲにけば立つのを感じたがここは我慢
というか怒る気力もない
「青龍なら、さあちゃんに頼んで井戸でひやしてある、皮は夕方やるから、白虎殿にあやまって
婆様の店に行ってこい」
朱雀が「どうやって・・・」足をぶらぶらさせながら言った
「そんなもん精神正意、米つきバッタのように頭を下げるしかないだろう」
「性技?バッタのような?それはどんなわざ」
「ちがう、急にそっちに行ってどうする、心よ、心から謝れつーてんのじゃ、大体お前は甘えすぎ
白虎殿を喜ばすためにおどるんじゃないのか?」
「そうだった」朱雀が下を見て言った。
「お前は何やったんじゃ」
「あんまり覚えてないけどボコボコけったような」
「それから、婆様のところへ行くときこれ持って行って」
屑の葉は、墨でかいた巻物を渡した。
「お前、わざわざ墨で書いたの?ワード使えばいいのに」
「わしはこないだ婆様を怒らせてしまったから、それも読んでもらえんかもしれん
でもあのままではいくら婆様でもしんでしまうか発狂する」
「なんでそんな話になる」朱雀が言ったが、葛の葉は黙ったままお茶を飲んだ