第8話「英雄の資質(前)」
私たちはお互いに自己紹介を終えてから、魔物たちにどう対処するかを話し合っていた
時間が経つ事に地響きが大きくなり魔物の声が聞こえてくる
「おいおい、こんなの見た事ねぇぞ」
彼らのリーダー剣士のガルドが顔を顰めながら呟く
彼らも森の深部まで来ていた以上、初心者ではないのだろう。
それでも、この規模は想定外らしい。
「無理もありません。明らかに何らかの異変が起きてます。同種の小さな群れならともかく、ここまで異なる魔物が集団で行動するなんて普通はありえません。」
そういうとパーティの斥候役ルークも声を上げる
「俺は普段索敵役やってるから、この森の魔物には詳しいつもりだ。ここらのやつらが全部合わせてもあの量はおかしい。異変が起きてるってのに賛成だ」
話してるうちにも魔物達は近づいてくる。そして見つかった瞬間に先頭集団が駆け出し、さらに地響きが激しさを増す
「きました!最初は私とセレスさんの魔法で相手の出鼻を挫きます。敵の勢いが弱まったらベルンさんが中央に詰めてください」
「しっかり合わせなさいよエレシア」
『フレイムショット』『ウインドストーム』
森の中で炎魔法は...などとは言ってられないので威力重視の私の炎をセレスさんの風でさらに威力と爆風範囲を広げる
最前列は一気に吹き飛んだが狭い道により縦長の隊列になったことで後ろはほとんど無傷だ
だがそこにベルンとガルドが接近し、ルークも遊撃に入る
これがまた絶妙な連携で特に鎧を着込み大きな盾と剣を持つベルンの防御が圧倒的だ
大軍の魔物に押し込まれながらも、一歩も下がらず斬り返していく
ベルンが受け止め、ガルドが仕留める。
二人を中心に前線は安定していた。
「私も深く入るか」
風の魔法を使って飛び上がり、魔物の群れの中に飛び込む
『ウインドハンマー』
着地点の近くにいた魔物を吹き飛ばして安全に着地をする
『エアカッター』
さらに風の刃で後続を纏めて両断する。それによって倒れる前列の魔物たちで後続からの視線を切り木陰に入る
そして隊列に対して側面から今度は短剣で敵を切り刻んで突き進むと群れの中にオークが混じり始めた
身体強化を使って加速しオークに切りかかり、その瞬間短剣に魔力を流し込む
すると短剣の刀身が伸びた
これがこの短剣を作る時に仕込んでおいた機構だ
伸びた刀身でオークを仕留め1度離脱する
「やっぱり昨日ナリアを襲ってたのよりだいぶ弱い...こっちが通常個体か」
みんなの場所に戻るとそこまで来ていた魔物はもう仕留め終わっていた
「エレシアが隊列を分断したお陰で後続からの流れが消えて勢いが弱まったんだ。それによって対処がかなり楽になって助かった」
「それは良かった。私は少し先まで切り込んで来たけど、この先からオークとかのこの森では中位~上位クラスの魔物も混じってた。一息はつけたけど油断しないで。ここからが本番だよ」
「とはいえその魔物たち自体は俺たちでも勝てる相手だ。しっかり迎え撃って数を減らしていけば...」
「いやまて」
ガルドの発言をルークが途中で止めた。私としてもガルドに賛成だったのだが
「こいつらだけじゃない。奥にまだいる」
目に魔力をこめ、魔物の群れのさらに先まで見通す。そこには禍々しい魔力を纏ったオークがいた
「なんだあいつは...」
「大軍を指揮する異様に強いオークってまさか!オークジェネラルじゃないでしょうね!?」
森の奥から現れたそれは、確かにオークの特徴を持っていた
だが、普通の個体より一回り大きい
何より、その目には獣ではなく“知性”が宿っていた
【鑑定】
オークウォーリアー Lv.34
HP1200 MP577 STR346+57 VIT248 INT53
MEN189 AGI61 DEX75
スキル
棍棒術Lv.5、剣術Lv.7、魔力感知Lv.2、統率Lv.1、嗅覚
自動再生Lv.4、鼓舞、威圧、
詳細
オークが戦士として進化した姿。高い身体能力と武器技能を持ち、通常のオークとは比較にならない戦闘能力を誇る。
稀に周囲の魔物を従えるような行動を見せる個体も確認されている。
「ジェネラルではないみたいですよ。オークウォーリアーです……でも、統率系スキル持ち。あれがこの魔物の群れの核なのは間違いないです」
とはいえウォーリアが率いてる群れがあるということはジェネラルが生まれてる可能性もある。これから先戦うかもしれないな
「どっちにしても進化してる個体か…まあ今いきなりあいつに攻撃しに行けるわけではないからまず目の前のこいつらをなんとかするぞ!」
ガルドの声でもう一度群れの方へ目を向ける。戦闘では中心となるベルンではなくガルドがリーダーなのはこういう部分からなのかもしれない
再び戦いが始まり、その後もしばらく戦闘は続いた
ベルンとガルドが前線を支え、ルークが側面の敵を削る
セレスさんは後方から魔法で数を減らし続けた
私は状況によって後ろから魔法を撃ったり、ルークとはまた別に遊撃に入ったりした
だんだん数を減らしてウォーリアに近づいてきた時
「ちょっとまて、さっきまでよりだいぶオークが強くないか…?」
「ああ、攻撃を受けた時も重さが違うな」
ナリアを襲っていたあいつのような、異様な強さを持つオークが増えてきた。対処が出来ないわけでは無いが一体一体にかかる時間も増えて、ベルンも多くの攻撃を受けるようになる
徐々に消耗は私たちに蓄積していった
そしてその原因は、単純な数だけではない
オークウォーリアーが低く唸るたびに、周囲の魔物たちの動きが僅かに鋭くなる
まるで、あいつを中心に群れそのものが一つの生き物みたいに動いているようだった
今日は短めです!そもそも私の文章を長くしたら読んでるほうもしんどいのと、朝の通勤時間に読んでる人が多いみたいなので軽く読めるこのくらいでこれからはやっていこうと思います!




