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03 世界

 世界は大きな発展を遂げた。っと言っても、産業革命が起きたことも、大航海時代が始まったこともない。

 ある場所が街と呼べるくらい進歩しただけである。それでも、元は一軒だったこの世界が、何軒も佇むようになったのは、やはり大きな進歩と言って良い。

 しかし、この世界には肝心の人がいない。


 そう、俺の現在の問題は人である。

 高齢社会とか、移民のような現実問題ではないぞ。まだ、この世界には俺しかいないのだからな。


 人を創ることが出来ないのは、死活問題である。

 俺の心はうさぎであるので、寂しくて死んでしまいそうだ。

 ……そういえば、別にうさぎは寂しくても死なないらしい。なら、俺の心はただキュートなだけだではないか。


 俺は、世界を創り、街を創ることも出来たが、人は創ることが出来ないのだ。

 ここに来た時にもはエッチな妄想をしていたが、全く実現しなかった。

 何か原因があるのだろうか、創造にもトリガーが必要なのか?


 しかし、全く心当たりがない。

 ……と言ったら、嘘になる。


 どうやら、俺も無限に創れるという訳ではないのだ。こうやって何軒も建ててきたから分かる。

 俺の一軒家の窓からは一望できないほどの大きな街の散策へと出掛けた。


 二軒目の家は、俺の家から真反対の方角に建てたのだ。徒歩で、俺はそこまで向かう。

 この街には家が乱立しているが、

 庭はどの家にも付いている。

 どの家にも個性を出している。


 この家には、煙突をつけた。特に内装に本気を出した。煙突をつけているのだから、暖炉をつけた。

 しかし、この世界には火が存在しないので、暖炉は寂しくこちらを見ている。

 火を創造するのも、人を創るのと同じで、何故か出来ないのだ。


 確か、この辺りであっただろうか。

 俺が創造のトリガー、然り創造について新たな情報を発見したのは。

 創造し続けると、創造の自由性が落ちていくのだ。それは微弱的であるが、確実だ。


 頭の中で想像するものが、少しぼやけてしまったり、それどころか、創造すら出来なくなる。

 そして、現在こそ、創造の出来ないクールダウン中なのである。

 こうなったのは、昨日くらいであろうか。寝て起きても、創造することが出来なかったのだ。


 ここから推察出来ることは、創造にも魔力やMPのような消耗するものがあるということだ。

 そして、その回復には一日以上時間が掛かるということだ。


 これを()()()と名付けよう。想像力と掛けて、ダブルミーニング。


 多分だが、今の俺の創造力のレベルでは、創れないものがあるのだろう。人とかがそれに当てはまるのだろう。

 他に出来ないものと言ったら、創ったものを消すことは出来ないのだ。


 創造主として、ものを創ることは出来るが、消滅をすることが出来ない。創造主というのは、創造しか脳がないのか。

 いや、きっと創造主は万能のはずだ。

 レベルが上がれば、こんなことも容易い。


 そして、その創造力が弱まると、一番困るのは飯だ。

 飯は創造のみを頼りにしているので、創造出来ないとなれば、俺は食うものがなくなってしまう。


 そうなると、俺は餓死となってしまうので、創造も慎重にしないと、俺は早くも死んでしまうかもしれない。


 となると、俺は栽培でもしないといけないだろう。しかし、俺は動くものというのはまだまだ創造に時間が掛かりそうだ。


 なので、俺は先にこの家にキッチンを用意しておいた。

 中世のキッチンなんてものは見たことがないので、木のスプーンに、縁を金属で囲っているジャッキ、滑らかな擦られであろうスープを入れそうなお皿。

 そんなのを、キッチンの目と鼻の先にある木棚にしまっている。

 使わないとしても、コレクションのように並べるというのが、欲を満たしてくれるので、良いのだ。

 コレクションは、やはり漢のロマンだ。

 このコレクションも早く使えるようになりないなと俺は思うのであった。


 次の家は、二階建てに挑戦した。

 二階建てにするなら、一番奮闘するべきなのは、やはり階段であろう。

 梯子や直線の階段というありきたりなのは、想像するだけで出来る俺にとっては容易いので、もう少し挑戦してみることにした。


 なので、螺旋状の階段にしようと思ったわけだ。

 しかし、螺旋状の階段の問題点、それは場所を多くとってしまうことだ。急な路線変更でここを豪邸にする訳にはいかないので、質素な隣の家と同じにしないといけない。俺の家でさえ、小豪邸なのでな。


 けれど、この懸念も俺が創造主であれば、何の憂いでもない。

 玄関から数枚の壁を隔てた場所で、ある程度のゆとりを持たせてから、階段を想起する。すると、目の前に生えるように家が現れてきた。

 中に入り、階段を登ると、そこは青空の下であった。その後に二階を創り出して、この家は完成した。


 そしてこの世界初の二階建ての家の隣には、小さな背の塀に囲まれた黄金色の麦!!……を植えるための田畑がある。


 けれどもう少し経てば、ここも風で靡く黄金色の麦で溢れるだろうな。問題があるとしたら、まだ風さえも、この世界にはないことかな。




 俺がこの世界に来てから、何日が経ったかと言えば、すぐそこにある地面を見たら分かる。

 二日だ!!


 地面をよく観察しないと、初見の人には分からないだろうが、地面の印は地面を削ってできたものではない。


 地面を触ったみても、感触はあるのだ。しかし、少し指の先を曲げ、穴をつくろうとしても、地面は削れず、ただ地面を撫でるだけであった。


 どうやら、普通の地面ではないようだ。

 この世界の地面は異常なのか。いや、太陽がないので、この世界全体をこれまでの世界の常識でものごとを測ってはならないのだ。


 しかし、地面に印をつけようのしたなら、俺が印を想像すれば良いのだ。そうすれば、すぐに印は出来た。

 とりあえず、よく分からない常識は後回しにしよう。


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