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『飽き性な俺の器用貧乏、異世界で「神の模倣者」へと至る 〜3ヶ月で極めて捨てる生活を卒業し、天狐様と終わらないクエストへ〜』  作者: A古町
第1章Celestial Fox

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第八十話:ベンチの面談と、新四天王の「再就職試験」

第八十話:ベンチの面談と、新四天王の「再就職試験」


「……おい、ベリさん。休憩時間が五分オーバーしてるぞ。その分の時給は『虚無』に帰していいのか?」


 境内の隅、木漏れ日の差し込むベンチ。卒なく(そつなく)現れたのは、ノートPCを小脇に抱えたショータと、油揚げを片手に持った正一位の女神コンだった。


「……ショータ殿。申し訳ない。……旧友ともが、あまりにひどい顔をして訪ねてきたものでな」


 ベリさんが箒を立てかけ、隣に座るルシファーを促した。


「……。そちらの方は? 随分と、高密度の魔力を纏っているようだが」


 ショータの【異世界プロデューサー】の解析眼が、ルシファーのステータスを瞬時にスキャンする。


「……。魔王軍の同期、ルシファーだ。……ショータ殿、こいつも魔王軍を『辞めたい』そうなんだ。うちで雇ってやってくれないか?」


「バッ……バカを言え、ベリアル! 私はただ、お前の生存を確認しに来ただけで……っ!」


 ルシファーは慌てて立ち上がり、反射的にペコリと頭を下げた。新四天王としてのプライドよりも、ブラック組織で培われた「目上の者(あるいは強者)への礼儀」が、無意識に体を動かしたのだ。


「……ほう。辞めたい、か。コン、どう思う?」


「ふむ。ルシファーか……。顔つきは良いが、少々『真面目すぎて損をするタイプ』の相が出ておるな。……まぁ、話だけでも聞いてやろうではないか」


 コンが拝殿の階段にチョコンと腰を下ろし、ショータもベンチの向かい側に「面接官」として陣取った。


「急遽だが、中途採用面接(カジュアル面談)を始める。……ルシファー、座れ。……まず、お前のその『翼』。時速何キロで、何キロの荷物を運べる?」


「……えっ? 武勇や魔力ではなく……運搬能力か?」


「当たり前だろ。うちは今、各国の同盟を結ぶ『超高速物流スカイ・デリバリー』のハブを狙ってるんだ。……お前のその圧倒的な機動力、魔王のために浪費ロスさせるのはもったいない。……どうだ、うちの『物流部長候補』として、世界を飛び回る気はないか?」


 ショータの、現世の「キャリアパス提案」。

 「魔界の最高戦力」を単なる運び屋……物流の要へと勧誘し始めたショータ。

 ルシファーの瞳に、組織の歯車ではない、自らの「個の力」を正当に評価される悦びが、静かに灯り始めていた。


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