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役職

中世日本に存在した役職を、ストーリーでは若干アレンジした。

取っ付きにくい役職名だが、ストーリー上、大変大切な項目である。

〇大役職


乙名(おとな)

乙名とは、歴史的に村落の指導者を意味する言葉として室町時代より残る言葉で、もともとは『長老』『宿老』を意味してきた。惣村が発達すると、共に、代表者や有力な名主がその役割を担う様になっていく。

『ケダモノたちよ』では村の長老としての色が濃く反映され、事実上、その区画のトップの座を意味している。


沙汰人(さたにん)

沙汰人とは、日本中世から命令や処置を執行する者を指す総称。具体的な役割は、命令伝達、土地の管理、年貢の徴収、追補や保安維持、裁判の執行など多岐にわたる。特に惣村のリーダーとして地域をまとめるものを沙汰人と呼んでいた。

『ケダモノたちよ』では相島が税の徴収など、役割を持っている。歴史的にも、彼らのような権威を持つ者の中には、ケダモノが存在したことだろう。


刀禰(とね)

刀禰とは、日本平安時代には郷・保・村の役人の称となり、公に仕える者の総称として認識された。

荘官組織の末端、下級神職、漁業の統括者などにもその名を残る。

『ケダモノたちよ』では沙汰人に次ぐ権威の存在として、乙名や沙汰人の業務を遂行する実行者として描かれている。彼らは血脈や後ろ盾がなければなれない沙汰人という存在より下になるも、貧民でも刀禰までは努力次第で出世できるということもあり、1つの到達点とされている。




〇小役職


統括(とうかつ)

統括とは、その名の通り、村に点在する区画の統括者である。乙名とこの小役職は共にセットであり、5人の乙名は、それぞれ自らの居住区画を治める。その暮らしぶりは、その区画の繁栄を表すと同時に、その乙名の人間性を現しているのだろうか。


副統括(ふくとうかつ)

副統括とは、統括のサポートをする、もしくは同義となり、乙名に信用された者が成り得る小役職。総じて沙汰人、血縁者が成りやすい。逆に競争相手となる沙汰人も多く、敵視されやすい。

副統括を潰したとしても、乙名の信用を得れなければ成り得ない事が、結果的に乙名を暗殺することを助長しやすくもなる。


顧問(こもん)

顧問とは、統括と副統括を知恵と政略を以ってサポートする、相談役。彼らも乙名によりその任を拝命するが、その業務故、それなりの名家、知恵を持つ沙汰人が任命されやすい。その性質上、彼らも乙名の性格を色濃く反映されやすい。


刑務長(けいむちょう)

刑務長とは、治安維持を任された刀禰以上の者が就く役職。現代の警察署長のようなポジションだが、その殆どはその地区の乙名に飼いならされている。


刑務主(けいむしゅ)

刑務主とは、刑務長に次ぐ治安維持を担う団体の権威を持つ役職。ちなみに『主』は官位にも主水司(もんどのつかさ)主殿寮(とものりょう)があり、現代にも主任、主査といった形で引き継がれる。主とは数多の中心を意味する。


官人(かんにん)

官人とは、正確には公僕であり、様々な用途に準拠・執行する者。物語上では、警官の代理としてのニュアンスが強い。彼らの立場に就くだけでも、、当時としては勝ち組と言える権威と富を得れていた。


守役長(もりやくちょう)

守役長とは、学童に勉学を教える寺院の教育者の最高権威を持つ役職。現代の校長先生としてのポジションであるが、それ以上に政治的な権威も持っていた。


守役主(もりやくしゅ)

守役主とは、守役長に次ぐ教育者の権威を持つ役職。現代の教頭先生と同じ立ち位置である。


守役(もりやく)

守役とは、教育者の総称で役職。現代の先生と同じ扱いであり、〇〇先生と呼ぶのと等しい。守役は子守をする意味から来ており、同時に子どもにとって必要とされる勉学、知識を教育する者としての役職が確立されていった。




〇学童


・学童会長

学童会長とは、現実では生徒会長となる立場である。この位置には指導者としての資質、素養を求められ、いずれは乙名として村を執り仕切る器を期待される。


・学童会主

現実では生徒会副会長となる立場である。副とされても、学童会長と同じ素養を求められ、その未来も同じく指導者的なポジションを期待される。


・学童

現代で言う生徒は、学童と呼ばれていた。これには学ぶ童という意味があるが、何故そう呼ばれるようになったのか、定かな情報はない。


>近日更新…!

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