新たな犠牲者が来るそうです。
麻の服は次々に量産されて行った。
しかもアイネとミーシャがユウトには及ばないもの、かなりの速度で作れるようになったため、生産量が上がった。
また、ユウトが染色もしたので緑や黄色系が多いもののカラフルな服や動きやすいおしゃれな服が増えた。
そんな、夏も盛りを過ぎた頃だった。
突然、あの声が聞こえてきた。
「は~い。みんな大好き邪神様だよ。昨日の時点で生存者が当初の半数を切ったので、新たに人を呼びました。」
当初の半分ってことは5千人が死んだのか。
俺らの集落はなんだ間でユウトが強いから外敵要員での死亡率が0だ。
だが、他は違うだろう。
それでも、俺が最初に思ったのは意外に長かったということだ。
「そんな訳で今度は4万人ほど連れてきたので頑張ってね。」
そう言うと声が聞こえなくなった。
えっと・・・
「どうする?」
「それは新たに増やすかってことよね?」
ユウトとジェシカが話し始める。
「私は賛成よ。」
「俺は反対だな。」
まさかの意見が食い違った。
「困っているのよ。助けたいでしょ。」
「これ以上になると問題が起き始めるぞ?」
その言葉にジェシカが詰まる。
「まあ、方法はある。」
ユウトが言う。
「近くにもう1つ集落を作ってそこに新たな人たちで集落を組ませる。勿論、リーダーもだ。」
確かに、そうすれば小さな問題は防げるし、助けられる。
「ただ、問題が大きくなるかもしれない。」
「どういうこと?」
「どうあがいても、貧富の差が生まれる。」
確かにそうだ。
これはこの世界に来ての日数が関係するから仕方ない。
「つまり、暴力的思想の奴が俺らを襲って来るかもしれない。しかも、別集落の人間全員を巻き込んで。」
「そ、そうね。」
ジェシカは悩む。
「でも助けたい。」
ユウトは知ってたといわんばかりに言う。
「燻製所の屋根は取り外せる。そこをのろし代わりにすれば・・・」
「行きましょう。」




