開拓ついでに魔法の練習をしました。
鹿の皮や筋はエルフィが物作りスキルで鞣したり、糸にしてくれた。
ユウトに鞣し方を聞いたら
「基本的には繊維を適度にほぐすことと油を取ることだな。まあ、詳しい方法は知らないほうがいい。」
と言われてしまった。
鹿のおかげで食料に余裕ができたので今日はみんなで畑を作ることになった。
ユウトとアリアだけは柵に使う太い枝を集めるために近場で別作業だ。
「この木が邪魔ね。あとで切りましょう。ひとまずはこっち側を耕すわ。」
と言っても斜めに切った棒や丸太で行なうため効率が悪い。
1本だけ、石製の鍬があったのだが地中の石のせいですぐに欠けてしまった。
そんな訳で時間が掛かる。
「おーい。ジェシカ。」
木に登っていたユウトが作業を見てジェシカに声をかける。
「なに?」
「魔力操作の応用だ。」
そう言うと太い枝を切り落として降りて来る。
「魔力には属性が7つあるんだ。」
ユウトの魔法の講義が始まる。
魔力の属性は風水土火闇光無の7つあるらしい。
魔術においてはあまり関係ないが魔法は自分の属性の魔法しか使えないらしい。
「それでみんなの属性は・・・」
そう言って順番に言っていく。
俺は風、ジェシカは土だそうだ。
「で、魔力を流す練習はしただろ?あれを土属性の奴は地面に手をついてやってみ。」
ジェシカが試すと・・・
「あっ。」
という言葉と共に地面が盛り上がる。
触ってみると耕したように柔らかい。
「あとは上手く範囲を広げてやれば簡単に終わるだろ。小石とかも上にどかせるから頑張ってやってみろ。」
他にも水属性は海水を塩を作る器に入れたり、風属性は作業している奴に風を送ったりすればいいと教えてくれる。
「他は練習しにくいから、頑張れ。」
他は投げ出される。
とは言っても、イメージが重要と言う言葉を頂いたので個人で練習するだろう。
今日の所は上に出てきた石をどかす作業についてもらうことになったが。
ユウトのアドバイスのおかげで作業効率は一気に上がった。
「こっちは終わったぞ。」
大量の枝を確保したユウトたちが合流した。
「この木を切り倒したいのだけど、できる?」
「できるけど枝を落としてからやりたいな。ちょっと時間が掛かるがいいか?」
「まだ時間もあるし、こっちの作業はまだ終わらないから大丈夫よ。」
そんな訳で畑の範囲に入っていた木の枝を落としていった。
しばらくして、ユウトが木を切ると言って作業を中断させる。
安全のために彼が指定した場所に避難してみる。
「じゃあ、切るぞ。」
アイテムボックスのようなものから剣を取り出して振る。
目で追えない速度で振られたためによくわからん。
だが、切れたようでユウトが持ち上げて誰もいない所に横たえる。
「あとは根っこだな。」
そう言うと少し離れた所で手をつくと根っこが地面から持ち上がってきた。
それも避けて、ユウトの作業は終わった。
範囲が意外と広かったため耕すのに1週間もかかってしまった。
でも、とうとう畑が完成する。
「じゃあ、豆とジャガイモを半分ずつでいいかしら?」
ジャガイモは予め直射日光に当てて目を出してから切り分けた、種芋にしている。
ジャガイモって緑色になることを知らなかった俺は驚いた。
「いや、成長スキルがあるから豆を3分の2でいいと思う。それと物作りで肥料を作れるかも試そうか。」
結果だけ言うと肥料は成長スキルで作れるようだ。
それに少し離れた所から使えるのもよかった。
そうじゃないと肥溜めに直接触れる必要があったから、さすがにかわいそうだったからな。
成長スキルは1日1回。
10日分成長を進めるようだ。
ユウトの話だとジャガイモは100日前後で収穫できるので10日後には食べれるようだ。




