その9
気まずい‥‥
俺が何か気の利かそうとした言葉を考えてると奏が勢いよく立ち上がりトイレと言って出て行った。
これ友達とかも無理なんじゃないかと俺は考え込んでいた。
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奏は階段を早足で降りてトイレの扉を閉めて鍵をかける。
あああああああー!!私どうしちゃったんだろ!?言っちゃった。そしてダメだった。消えたい消えたい消えたい‥
悲しい、とても悲しい。告白されたりしたことは何度かあったけど私は優が気になっていてお断りしていた。お断りされた方はこんな気分なんだ‥‥
どうしよう、どうしよう‥‥
優の顔もうまともに見れる気がしない。話も上手くできなそう。
思えばいきなりこんなこと言っても優は私と付き合ったりしてくれるような人じゃないって今まで話しててわかった上だったはずでもう少し時間をかけてと思ってたはずだったのに‥‥
焦ってたのかな私。それに加えて優が久しぶりに家に来てくれたから私がもう我慢できなくなってしまったんだ‥
こんな状態の私じゃ優も困っちゃうよね、優と気まずくなるのは絶対嫌。
でもダメだ、本当にどうしよう
トイレでうなだれてから5分くらいだっただろうか。
あんまり優を待たせてるわけにもいかずトイレから出てトボトボと階段を登り部屋のドアの前で止まる。
開けたくない‥嫌われたよね?優だって気まずいよね?早く私の家から出て行きたいよね?今日来なければよかったと後悔してると思う、私のせいで‥‥
ダメだ!そんなの絶対ダメ!!
優にそんなふうに思われたくない!諦めたくない、1度ダメだからってなんだってんだ、優は私のこと好きじゃないなら振り向かせればいい!好きになってもらうんだ、こんな事でくじけちゃダメだ!
私はそう決心しドアを開けた。