その10
私が部屋に入ると優はキョトンとした顔でこちらを見ている、あれ?そんなに不思議そうに私を見てどうしたんだろう?
確かにいきなり変なこと言った私はそんな目で見られるのかもしれないけど‥‥
「泣いてたの?奏」
「へ?」
「目真っ赤だよ?」
「え?」
あ、そうだった、泣いてたのか私‥‥そんな事も構わずに思考だけがグルグル頭の中を駆け抜けていたのだ。
優のこととなると周りとかなりふりとか構っていられなくなるのかな私?
ああー、ダメだ!今決心したばかりじゃない!
「ごめんね、優。なんか変な空気にしちゃって。でも私の本当の気持ちだったから‥」
「うん、なんか俺こそごめん‥」
「だから1回ダメだったとしても私優のこと好き。どんな優でも私は好き、優に振り向いてもらえるように頑張る」
なんて恥ずかしいこと言ってるんだろう、顔から火が出そう。
そう言うと優は少し下を向き考えたように
「俺さ、奏みたいな良い子に好かれるような人間じゃないよ?奏はさ、俺のこと学校とかのイメージしか知らないと思うけど‥」
「優、私さっきも言ったけど優ならどんな優も好きだよ?」
「もし俺が最低なやつだったとしても?奏ってそんなやつ嫌いじゃん?」
「優ってさ、私にも何か遠慮してるよね?1年の頃から、私薄々気付いてたよ?でもね、優は自分は最低な人だったらって言ってるけど私はそうは思わない、だって優はとっても周りを気遣える人だもん」
「は?」
優は何言ってんのこいつ?みたいな顔でこちらを凝視してくるけど構わない。もっともっと私に遠慮なんてさせない、私には本当の優を見せて欲しい。
「だから優に絶対好きになってもらう!ウザいって思われるかもしれないけど来週から優のお弁当私が作るから優は明日からお弁当持ってこなくて良いよ!」
「拒否権は?」
「ダメ!」
奏はニッコリ笑う。目元を真っ赤にさせて精一杯の笑顔を見せた奏はなんだかいつもの奏より魅力的に思えた。それと同時に優の心に少し安堵をもたらした。




