その58
俺は奏とデパートに来ていた。海に行くために水着を買いに来たのである。まさかまた海に行く日が来ることになろうとは‥去年までは海とかありえねぇわ、海水ベタベタするし外は暑いわで。変われば変わるな、奏が誘ったからだが。
さてと、どんな水着を選べばいいのかまったくわからん。奏のチョイスに期待しよう。
「俺の水着奏が選んでくれ」
「え?私が選んでいいの?」
「だって俺よくわかんないしな、海とか全然行かないから」
「わかった!じゃあ私が優をコーディネートしてあげる!どんなのがいい?」
「うーん、落ち着いたやつ?」
「じゃあ普通に服と一緒に着れるのにしようか?きゃあっ!」
「なーにやってんですか?奏先輩!」
「ええっ?岬ちゃん!?何でここに?」
「何でとはないじゃないですかぁ?あたしと先輩の仲でしょお?」
「お前っていつもいきなり現れるな‥」
「いきなりとはなんですか!?奏先輩の家に行って奏先輩に迷惑‥じゃなかった!奏先輩と遊んであげようとしたら優先輩と一緒に出て行ったから尾行したんです!」
「尾行って‥大体奏とそんなに仲良かったか?」
「はーい!奏先輩とあたしは大の仲良しですよぉ!ねぇ?奏先輩」
奏に抱きつき岬は奏に頬擦りする。
「な、なんかそうみたい‥」
言わされてる感満載なんだが‥まぁ前みたいな毒気が抜けてるから純粋にそうなのだろう多分‥
「で、こんなところに来ているということは海にでも行くつもりですか?」
「まぁそうだけど」
「優のね、水着を選んでるところなの」
「へぇー、ならあたしも一緒に海行くー!」
「おい、なんてついて来るんだよ?」
「奏先輩が来て欲しいなぁって顔してたからですよ!ねぇー?」
「えーと、う、うん。じゃあ岬ちゃんも一緒に行こうか?」
「さすが奏先輩!チュッ!」
岬が奏にキスをした。お前らデパートで一体何してんだ‥視線が痛いから少し離れた。
「み、岬ちゃん優の水着選ぶから一緒に見てくれる?」
「ほほぉ、優先輩に着せる水着ですかぁ。ならセンスのいいあたしが選んであげましょう!」
「いや、目立つのやめろよ?お前派手なの選びそうだし」
結局奏と岬があーでもないこーでもないといってようやく決めて買えた。買うだけでどっと疲れた。




