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その11
あの日奏の家に行ってから奏は少し変わった。
より積極的になったと言うかふっ切れたと言うか何というか奏の切り返しの早さに少し驚いた。でも気まずくなるよりは良かったかなと優は思う。
ほんの少し、ほんの少しだけ涙交じりでニッコリ笑った彼女に心を揺さぶられたのは内緒だ。
あれから本当に奏は俺の分の弁当を作ってきた、それに昼休みになると‥
「優!お昼ご飯一緒に食べよう?」
いつもは学食か母が作った弁当をヒロキら仲良くなった奴らと食べていたが俺の手を引っ張って屋上へと連れて行く。
「中野くん、優をお借りします。」
「最近特になかいいよなぁ?優、白石さんに告白されたりしたのかぁ?」
「はぁ?何言ってんだよ?」
ヒロキが意地悪い顔をして弄ってくる。
奏をみると顔を真っ赤にして下を向いている。
「白石さん、優のことならお構いなく、どこぞでも連れてってね〜」
「ありがとう、中野くん。優行こっ!」
いそいそと俺の手を引っ張って屋上への階段を登っていく。
屋上のドアを開けると眩しい太陽が俺たちを出迎えた。ここはよくカップル達が昼休みに自分達の時間を過ごしている。
今日も数組のカップルがイチャついていた。




