9
更新遅くなりました。
お付き合い頂けると嬉しいです。
俺は今、心底後悔している。
「如月王子、またスマホ見てほほ笑んでるって・・・」
「うそ~絶対女子に連絡先は教えてくれなかったのに」
「まさか彼女!?」
「でもさでもさ~ラインとは限らないよね。ニュース速報みてるのかも」
ニュース速報をほほ笑んでみる高校生男子とかありなのか?
「2組の女子調べではラインらしいよ。相手の名前はわからないけど、画面がそれっぽいって」
きゃいきゃいと教室で女子たちがざわめく。
それにますますイラつく。
「りゅうちゃん眉間に皺よってるよー」
「誰のせいだよ」
りこはきょとと首を傾げる。
お前のせいだよ、お前の。
りこの頭に手を伸ばして、せめてその頭を乱してやろうとしたところでスマホが震えた。
微かなバイブ音にりこが反応して、目をキラキラさせた。
思わず舌打ちしながら、スマホを見ると案の定ラインだ。
『田之上くん、今日の放課後暇?』
「なんてなんて~?」
りこは誰から来ているか察しが付くのか、頬を染めながらきく。
まぁわかるわな。
普段面倒くさがって、ほとんど友達とラインで連絡なんて取らない。電話で十分だ。
しかし、如月と強制ライン交換からかなりの頻度でメッセージがくる。
教えるんじゃなかった。
『今、何してる?』
『○○って映画みたことある?』
『さっき英語あてられた~』
すげぇどうでもいい。
お前は付き合いたての彼女かよ。
しかし、既読スルーすると数分後に何故かりこに連絡がいく。
「りゅうちゃん。ライン返してあげて。なんか人間不信になりそうってラインきてる。可哀想だよ・・」
あほか。人間不信がわざわざそんなこと送らねぇよ。
一番可哀想なのは俺じゃねーか。
そんな事が何度かあって無視もできない。
おまけに如月の彼女探し(俺だが)がかなり加熱している。
この2週間で俺はかなりストレスが溜まってきている。
『暇じゃない』
そっけない位シンプルにそう返した瞬間に既読になった。
こいつずっとライン見つめてたんじゃないだろうな・・・。
かなり気持ち悪い。
「りゅうちゃーん。今日何か用事があるの?」
りこが声をひそめて尋ねてきた。
間違いなく如月がりこにラインを送ったのだろう。
あいつ、俺がりこに甘いことわかってるんじゃねぇだろーなぁ。
どこか人間不信だよ。
「がきんちょの迎え」
りこと如月のお守りを考えると、弟妹のワガママなんて可愛いものだ。
実際かわいい。
りこはスマホで何か打ち込む。
『田之上くんのご兄妹に会いたいんだけど、いいかな?』
如月からラインだ。
こいつ、もう少し遠慮しろ。あと、りこをメッセンジャーにするな。
面倒くさい。
幼児に会ってどうすんだよ。
『あほか』
そっけない返事をおして、もうスマホを見るまいと鞄の奥に投げ込む。
ストレスがたまる。
なんなんだあいつ。話が通じねぇ
「りゅうちゃーん。手土産何がいいかって相談が来てるけど、2人とも何が好きなの?心配だし、私もいくよー」
おい。なに勝手について来ることになってるんだ。
りこ一人でも大変だが、如月も相当面倒くせぇ。
うさんくさい王子キャラ云々の前に性格に難があるだろ・・・。
人の話なんてきいてねぇし。
はぁとため息をつくしかない。