「チーズと塩と豆と」角田光代/森絵都/江國香織/井上荒野
角田光代/森絵都/江國香織/井上荒野「チーズと塩と豆と」集英社文庫 2013/10/18 193ページ 日本語 ISBN-10:4087451224 ISBN-13:978-4087451221 15.5 x 10.6 x 1 cm
さて、角田光代/森絵都/江國香織/井上荒野「チーズと塩と豆と」集英社文庫 2013/10/18 193ページ 日本語 ISBN-10:4087451224 ISBN-13:978-4087451221 15.5 x 10.6 x 1 cm 読了。
直木賞作家4人によるアンソロジー。
ヨーロッパの大地を舞台に食を絡めて描く、それぞれの愛の物語。
……と要約されるが、井上荒野さんはいつもと一緒。
突然の状況変化に見舞われ、苦悩する視点人物の心情が描かれる。
違うといえばラストに仄見える希望の形か。
お涙頂戴モノが二篇。
角田光代さんは生まれ故郷との、森絵都さんは親子の確執を描いている。
角田さんの間(行間)は名人芸で、たとえ結末が異なっても成立する情感が見事。
対して森さんは話の作りが明確だ。
解説で童話作家出身と知り、なるほど、と首肯く。
発端から中盤の展開、そして結末に至るまで、読者が無理なく筋を追いつつ小説のすべてを理解可能な構成としている。
よって、この話に別の結末はない。
それと正反対とも感じられるのが江國香織さんのBL風。
何が言いたいのかわからないような展開、適切なのか、それとも非適切なのか不明な他作品からの引用、視点人物(も多少はそうだが)以外の謎めいた登場人物。
ざっくり言えば現代小説の枠組みで、結論は書いてあるが、それが話の結末ではなく、物語は終わらない。
四人の作者がそれぞれの物語の核とした各料理(と言っておく)の選択が、それぞれの物語で外れていないところがプロの技か。
四者四様の皿の愉しさに満足。




