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超ショートショートはじめました  作者: あき伽耶


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幼馴染はじめました

出されたお題は「幼馴染はじめました」です。


挿絵(By みてみん)

 目が合った。 

 飲み屋街の喧騒のなか、じっと僕を見つめてくる同年代の男。

(どっかで会ったことがあるやつか……?)

 男の背後の電飾看板が明滅し、パッと強く光ったとき、僕の頭に昔の記憶が蘇った。 

 思わず駆けよった。

「……大輔、大輔じゃないか! 久しぶりだなあ、僕だよ、翔だよ!」

「やっぱり! 翔だったのか!」

 懐かしい! 隣に住んでた大輔だ。小6で引っ越して行ってそれ以来だ。

 大輔と僕は居酒屋に直行し、会わなかった時を埋めるように語り合った。閉店で店を追い出されると、公園のベンチで缶ビールを開けた。

「俺たちもよく公園で遊んだよな」

と思い出に浸ろうとしたとき、信じられないことが起きた。突如、夜空にUFOが出現したのだ!

 驚愕する僕に、大輔は落ちつき払った声で言った。

「そろそろ思い出せよ、翔。俺たちの星のこと。帰星するから、お前を迎えに来たんだよ」

 大輔の背後でUFOが眩しく明滅すると、それを合図に僕は全てを思い出した。

 そうだ、そもそも僕は地球人じゃなかった、故郷の星で幼い頃から大輔と……


***


 強い光に目がくらみ意識をぼうっとさせる奴を見ながら、俺はほくそ笑んだ。手にした懐中電灯に似た、記憶改ざん装置をそっとポケットに戻す。

「星に着くまでは、まあ仲良くやろうや、地球人のサンプル君。なにしろ俺たちついさっきから、幼馴染はじめたんだから」




(了) 

お読みくださり、ありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
幼馴染の二人が再会してビールを、というところまで全く普通で、展開の予測がつきませんでした。 このあとが怖そうですが。 面白かったです!
noteで拝読したのですが、こちらに感想を書かせていただきますね。 面白いです! 電飾看板の明滅が、UFOの明滅を喚び起こして、記憶がよみがえった・・・ と思わせておいての、この結末! 完全にやられま…
何と…!幼馴染との感動の再会から一転、ですね。SF好きなので、ぐいぐい惹きこまれました。 今回もコンパクトで、そしてインパクトのある作品を読ませていただき、ありがとうございます!
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