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Season 1 前の席

この物語は、私が見た夢をもとに作った物語です。

「全season5」


その日は、いつもより教室が遠く感じた。

担任はA先生。副担任はN先生。

二人とも、私のことをよく見てくれている先生だった。


でも、その日は朝から落ち着かなかった。


理由は、席替え。


新しい席は、一番前だった。

黒板のすぐ近く。先生の目も、生徒たちの視線も、全部集まってくるような場所だった。

「……ここ、無理かも」

席に座ったまま、小さく呟く。


それでも、一時間目が始まる。

私は何とか授業を受けた。

二時間目も、途中までは頑張った。

黒板を見る。ノートを書く。先生の話を聞く。

いつも通りにしていれば、大丈夫。

そう思っていた。


けれど、二時間目が終わった瞬間、張りつめていたものが切れた。


チャイムが鳴る。


私は何も言わずに立ち上がり、教室を出た。


「……少しだけ、離れたい」

誰にも見つからない場所に行きたかった。

気づけば、私は普段ほとんど使わない階段を上っていた。

上の階へ行くにつれて、人の声が少なくなっていく。


四階。


そこは普段あまり使われていない場所だった。

特別支援の教室があり、廊下も静かだった。

私はそのまま渡り廊下の方へ向かった。


その時だった。

「え? なんでこんなところにいるの?」

先生に声をかけられた。


私は一瞬、固まった。

「……先生の荷物、持っていきます」

とっさにそう答えた。


そして、先生の荷物を持って特別支援の教室まで届けた。

「ありがとう」

先生が笑ってくれた。

私は小さく頷いた。


けれど、心の中は全然落ち着いていなかった。

ここにいてはいけない。

戻らなきゃ。

そう思って、私は階段へ向かった。


三階へ戻ろうとした、その時。


廊下の向こうから声が聞こえた。

「……あれ?」

A先生だった。

その隣にはN先生。

さらに国語担当の先生もいる。

私は慌てて窓の方へ行き、外を見ているふりをした。

何もしていない。

そう見せたかった。


でも、先生たちは私のところまで来た。

「何してるの?」

A先生が聞く。

「……何も」

「さっきからここにいるよね?」

N先生も心配そうに聞いてくる。


私は答えられなかった。


国語担当の先生は授業があるため、「じゃあ、戻るね」とその場を離れていった。


残ったのは、A先生とN先生。

二人の視線が、ずっと私に向いていた。

「どうしたの?」

その優しい声が、逆に苦しかった。

私は窓の外を見つめたまま、何も言えなかった。


本当はずっと、言いたかった。

「助けて」

でも、その一言が出てこなかった。


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