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ある少女は言った
あーあ。また死ねなかった。
自殺をしようとするのは何もこれが初めてじゃない。親からの圧、追われる課題や勉強の多さ、努力しても伸びない学力。ただただ平然と歳をとっていく人生に私はなんの価値も見いだせなかった。
今はもう神にも縋る思いで、死を実行しようとしている。
うろ覚えで路地裏を通り抜けて古臭い神社を訪れた。誰が手入れしているのかただ古いだけで木々は整えられ、石に生えたこけすら神秘的に見えるほどだった。ただ、人の気配はなく、揺れている木々だけがこちらを覗いていた。
1段1段階段を登っていく。
階段から落ちても人はあんまり死ねない事を私はもう知っている。まあ私は3回中3回当たり所が悪く死ねなかった。
もう私の目には何も映し出してはいない。
ただそこにある景色を景色として認識しているだけで。
「こういうのは礼儀を重んじた方が叶いやすいもんだよね」
そう呟き、私は賽銭箱に5円を転がし、
辺りに誰もいないことを確認して
「どうか死ねますように」
と呟く。
どうしても叶えたかった。
もう怖いなんて感情はないと思っていた。
死すら怖くないのだから、
「そんな若人が言ったって、神は冗談だと思って聞かぬぞ」
そんな声が目の前の神社の上から聞こえるまでは。




