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異世界ギルドは当然歩合制  作者: Whale
僕らのプロローグ
10/20

初クエスト……?

「おーいトオル〜起きろー」

ああ、とっくに起きてるよ。十四時間くらい前から


「おはよう、ガリル」

「良い朝だな!」

「朝からテンション高めだな。」

「なんてったって今日はお前との初めての共闘だからな!!」

今日の予定について話しながら階段を降り食堂へと入る。玄米に焼き魚に、サラダ、あとリンゴ、それらをもって先に座っていたカレンの隣に座る。ガリルは向かい側だ。


「おはよう。」「よお!」 

「おはようございます。」 

「そんな畏まるなって」

「そうだよ、カレン、あのときみたいにさ…」

「なんのことかしら?」


ーー午前八時、ギルドカウンター前


「あの、ギルトに登録したいんですが。」

「はい、ではこちらに。」

「〜〜〜」

「〜〜〜〜」


「それではここに血を、」

カレンは自らの左手の親指を刺し、こすりつける。また青白い光だ。


「はい、これにて登録完了となります。良き一日を。」


「さぁ、依頼受けるぞ!」

「それについてはおすすめしかねます。」

受付のエナさんが助言してくる。


理由を聞くと、今日は雨が降るとのこと。彼女は特殊系の異能持ちで完璧な三日先までの天気予報が出来るらしい。あと三十分後に小雨が降り始め一時間後に本降りに、その後は止まないらしい。


「さて、どうしたものか…異能の特訓でもするか?体育館でも借りて」

「いいね」「いいですわね。」 

「てかお前普通にしゃべれよ、ところどころイントネーションがおかしいぞ?」

「えーあー私の秘密聞いてくれる?」 

「どうしたのカレン、藪から棒に?」

「良いから、まじめな話なの…」


ーー「なるほどな、ってことはお前は二つ持ちって事か?」

僕たちは今例のカフェでコーヒーを飲みながらカレンの話を聞いていた、どう考えても出会って間もない人間にする話ではない、ヒトの闇が見えるなんて、そうとうつらい人生だったろ……あ!あ!あ!もしかして…


「あーあのさ、カレン、もしかしてさ?僕のさ?あのさ」

「全部見た」


終わった。この際だからガリルにも話しておこう。

「ああ、ええと、僕の秘密も聞いてくれるか?カレンは知ってるみたいだど…」


ーー「その話は本当なのか?」

「生憎」

「それに、私が見たんですもの、ホントよ」

「困ったことがあったら俺に何でも言えよ?やれるのことはやってやるからよ。」

「ああ、助かる」


ついに言った、言ってやったぞ。  


僕の心には青々とした晴天が広がる。


「生憎よ、俺はおまえたちに話せる秘密なんてのは無いからよ。」

「別に期待してたわけじゃねーから」「別に良い」


「あんがとな二人とも、俺を信頼してくれて。」


ーーーーー「それじゃあ特訓を始める!」

「おー」「おー」

「まずは二人の限界をみしてくれ」


そう言われても…ぶっ倒れたくない…


「あ、あの、そのだな、ぶっ倒れ……」

「そこまで本気を出さなくていい、実践で使える限界を出してくれ。」

「おうよ。」


まずはイメージ、サッカーボール大の球体のイメージ

すると、僕の周りに四つの球が現れる。


次にそれを動かすイメージ、ひとつずつ移動させる

無事全部、ゆっくりながらも動く。


そしてその内のひとつに集中し一気に動かす!

今までのスピードの数十倍で移動する。


そしてそれを、ふたつ…みっ…やばいクラクラしてきた、これじゃあ二つが限界だ。一つ消して球を三つにする、すると二つに比べて少しばかり劣るが三つ目もそれなりの速度で動くようになる。


「こんなもんかな?」

「あの時よりは上達したんじゃないか?」

「部屋でこっそり練習してたし。あたりまえじゃん」

「トオル、こっそりなら黙ってなきゃ」  

まあまあのできだったろう。


「次、カレン」

「はーい。」

彼女は随分明るくなったと思う。笑うようになった。


カレンは自らの目の前に小さな入り口を作り出す、彼女のエストックの刀身が入るほどの大きさだ。そしてそこから五メートルほどのところにでくちをつくる。


一気に刺すとその瞬間出口から刀身がててくる。まさにつなかっている。


今度は片手が入りそうな入り口を創り出す、そのまま手を突っ込むと…


「ヒャツ!」 

僕の肩をたたく……正直これはもう止めとほしい、不意打ち怖い。


「なかなかだったな?なあ?トオル?」

「やめてくれ、ガリル」

「ついでに俺のも見せよう。」


そういうとガリルはかごに入ったたくさんのボールをこちらに投げわたす。ああ、ソフトボールか、この世界のスポーツはどうなってんだろうな。


「少し離れて俺に向かって投げてくれ。」

「え、良いの?本気出すよ?」

「ああ、どんとこい。」


僕とカレンは十メートルほど離れて同時に振りかぶり投げる、顔面をめがけてーー



バンッバンッ


二つの射撃音がさぞ当たり前かのようにそのボールを撃ち落とす。早すぎて見えなかったが恐らく僕らがモーションに入ってからホルスターから銃を抜き弾丸を創り、込め正確にど真ん中を撃ち抜く。そのせいで……僕らの眉間は赤くなっている……。


「ちょっと!ガリル!撃ちかえすなら撃ちかすって!いいなさいよ!先!に!」

「そうだよ、ガリル、君も一日荷物持ちをしたいの?」


「ハッハッ、悪かったな、そんじゃあ修行をはじめんぞ」

ガリルはそう言って話をそらす。


ーー日が暮れる。いつもなら薄暮の空は今日は暗くどよんとしてる、僕らは急いで宿まで帰り、その日は解散した。


生憎の雨すら屋根にぶつかることによって生み出される音のおかげで妙に心地よい。この時はまだ気づかなかったんだ、僕は、いや僕たちが世界中を驚かすあの出来事の最初の一ページを捲ったことに……。



僕らのプロローグ ー終ー



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