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episode8『リミとフセ』

episode8

『リミとフセ』


[part1]


教会に佇んでいた2人の少女。青いドレス服の少女リミ、赤いドレス服フセ。ドレスはソラのクラシカルロリィタ服に近く、アリス風がモチーフだ。


リミ「あなた達……誰ですか?」


フセ「……どうせ、敵だ……まともな奴……なんてこの世界にいない……」


双子は警戒心MAXだ。


null「僕達はまともな人だよ」


ウミ「おい、それは明らかに怪しい奴のセリフだ」


フセはnullに近づく。水色に近い白髪ロングヘアーの少女は人形にも見える。


フセ「……お前、アベンド……だな?……()()!!」


フセは手元から赤いナイフを持ち出し、ナイフに炎をまとう!!そしてnullに薙ぎ祓い!


nullは無表情で淡々と行動、ナイフを生み出し、フセの赤いナイフを弾く!!


null「ソラ、ウミ……グリッチ因子は主に3つの属性が存在して、1つは物理、1つは魔力、もう1つは狂気……まあ精神汚染だね」


ウミ「今、話すことか!?」


null「(話を続ける)そして、グリッチ因子の属性同士がかち合うとこの世界が一瞬バグるんだよね……」


ナイフ同士が重なると周囲に青白い円環が発生する!!


ソラ「何ですか!?これ!!」


空間に円環が発生した際にフセは大きく怯んだ。nullはその隙を見逃さなかった。


null「PALE RING(円環)発生、追い打ちをする」


nullはコートの下から黒い手を生やしてフセを叩いた!!


フセ「うぅぅぅ!!」


フセは壁に叩きつけられる程ふっ飛ばされる。しかし、すぐに起き上がる。


フセ「クソ……!なんだ!?……お前……」


ソラ「私達!危害は与えません!!人間……です!!あなた達も迷い人ですよね!?」


リミはフセを止めに行く。


リミ「フセ、話は本当のようです……」


リミとフセはお互いを見つめる。彼女達は青と赤い瞳を持つオッドアイだ。


ウミ「俺達は喫茶店を拠点にしてる。そこは奴らも来ない安全地帯だ。一緒に来てくれないか?……nullもそれでいいだろ?」


null「異論はないね」


フセは反論する。


フセ「でも、null(お前)……アベンド……だろ?何で人間……を庇う?」


null「僕は悪いアベンドじゃないから……」


ウミ「いや、だからそれは怪しい!」


ウミはやれやれと思いながら双子に説明する。


ウミ「nullは人間に悪影響を与えたりはしねぇ。とりあえず、今……まではな。俺達を信用できないか?どっちみち迷い人はここに滞在するのは危険だ」


フセ「リミ……」


リミ「彼らを信じましょう……リミ(一人称)達は何も知りませんから……」


フセは不貞腐れる……が一応、同意した。


フセ「……フセ(一人称)やリミを邪魔するなら……殺す……忘れるな」


ソラ「約束します……」



[part2]


喫茶店『Point nemo』にリミとフセを招き入れた。彼女らの年齢は13歳ほどで身長はnullくらい(145cm)、現在リミはモカとクリームシチュー、フセはココアとチョコレートケーキを無心になって食べてる。


その光景を見てソラは遠くから写真を撮る。


ソラ「尊い……です。双子の食卓、優雅すぎません!?ルーブル美術館で飾れるレベル!」


ウミ「はぁ……」


ソラ「それに宝石のようなオッドアイ!美しいなんて言葉では表せません……(パシャパシャ)」


フセ「……さっきから……うるさい……」


フセが不満をぼやいている所で砂糖入りコーヒーをすするnullが入ってくる。


null「君達は過去や現世時代の記憶は無いの?」


スプーンを手にした双子の姉、リミが話す。


リミ「何も知りません。どういった家庭なのか……何故、ここに来たのか……わかりません」


null「ふーん」


リミ「でも名前と、フセとは双子ってことと……特異能力、[b:感覚共有]を持ってます」


ソラ「感覚共有?」


null「順番に……まず特異能力、正式にはグリッチ因子の能力について教えて」


フセはフォークをケーキに突き刺す。


フセ「……なんで?」


null「……実に感情に身を任せた返答だね。君達が元の世界に帰るためには君達の能力を知っておいたほうがいいでしょ?」


フセ「……で、見返りは?」


null「君達を保護、帰還への支援をする。異論はある?」


フセ「……チッ、わかった……フセ(一人称)は赤い炎……リミは青い氷……魔法みたいなアレ」


ウミはフセの性格に対して毒づく。


ウミ「なんだこいつ、面倒臭いぞ……」


リミ「すいません、フセはこんな感じなんです……」


ソラ「大丈夫ですよ。慣れましたので」


フセ「……」


フセは怒ってるような表情になった。



nullはリミのほうを見る。


null「感覚共有って言ったけどそれについて説明できる?」


リミ「はい……感覚共有というのは双子同士で意識が共有しています」


ウミ「そしたら双子(2つ)の情報が1つの頭に入ってきて混乱したりしないのか?」


フセ「……それで……いい。ずっと……リミの心や感覚を噛み締められる」


ソラ「それって……フセさんはリミさんのことを……」


フセ「……軽いな……そんなんじゃない……何を食べたか……いつ食べたか……いつ心が感じたか……動いたか……全てわかる」


フセは再びチョコレートケーキを食べ始める。


リミは無表情で更に説明する。


リミ「今、フセがチョコレートケーキを食べた食感、味、フセの感情などが入ってきました。これが感覚共有です」


nullはマグカップにスティックシュガーを追加する。


null「感覚共有はいつ頃から?」


リミ「生まれた時から……です」


ウミ「生まれてからずっと運命共同体ってわけか……」


null「更に質問。君達の関係を説明できる?」



リミ「…………」


フセ「お前……調子に乗るな」


フセがギロリとnullを睨む。


null「君達の今後の行動パターンを推測したいだけなんだけど……」


ここでウミの介入。


ウミ「null?……もういいだろ?」


nullは再びコーヒーをすする。どうやら諦めたようだ。


リミ「リミ(一人称)とフセはいつでも行動できます。必要な時に話しかけてください……」


リミは笑みを浮かべる。



[part3]


リミとフセはまだ喫茶店の店内で居座っている。ソラはウミの部屋で作戦会議を立てる。


ソラ「共依存百合です!同性愛者です!双子がお互いを見つめている表情、もはや愛情ではなく、磁石ですよ!!」


ウミ「はぁ(また始まった)」


ソラ「それに感覚共有って美しい能力……四六時中お互いを舐めるように監視し合ってるんですよ!?」


ウミ「あー……そ、そうだな……」


ソラ「推し活でも百合CPはてぇてぇモンでしたからね!……やってます。絶対やってます!!100%……いや200%は確実です!!!恐らく、ぐちゃぐちゃに……!!」


ウミ「落ち着け!!一旦落ち着け変態!!」


ソラは我に帰った。




ソラ「あの……すみません……」


ソラは気まずくなり、言葉が詰まる。


ソラ「ドーパミンとオキシトシンが出てしまいました……」


ウミ「俺はお前の内なる性格に若干引いたわ……」


ソラ「そ、そうですか。でも……推しに命とお金をかけるのは普通じゃないですか?」


ウミ「いや、知らん。俺は推しとか考えたことねーからな」


ソラ「『満たされる……!』っていうのありません?あっ、でもウミ君は放つ側でしたね」


ウミ「バカ!だからそれをやめろって言ってるの!」


ウミは赤くなりながらソラを叱る。


ウミはベッドに大の字になる。


ウミ「でもあいつら勝手に動いたりすんじゃねーかなー」


ソラ「心配ですよね……」


ウミ「てか、そんな簡単に脱走させんなよ……nullとかrecefiaに言いたいわ」


ソラ「…………」 


ウミ「ソラ?」


ソラ「あ……いえ!そうですよね」


ウミはため息をしながら部屋をぼーっと眺める。


隅に置いてある人の身長程の高さの鏡に()()()が写る。


ウミ「?」


()()()()()()()()()()()1()8()0()c()m()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



ウミは反射的に目を逸らす。視界にソラが入った。


ソラ「どうしました?」


ウミは動揺するが、もう一度鏡に目線をずらす。


影は消えていた。


ウミ「別に……」


恐らく、気のせいだろうとウミは自分にそう言い聞かせた。


ソラ「とにかく、あの双子をちゃんと帰させたいです……今度こそ」


ウミ「ああ」


ソラはウミの部屋を出る。




………ウミは何の理由か定かではないが、スマホを取り出し、動画を見始めた。


動画には制服を着た女性が映りこむ。あまり公にできなさそうな動画だ。


ウミは別に何もリアクションしなかった。この世界では生理欲求が極端に減少する他、彼自身が求める為に見たわけではない。ただ、なんとなくなのだ。




[part4]



リミとフセは1つの部屋に一時保護されている。


部屋の内装はベッドが2つあり、隣接せず、それぞれが独立していた。


リミ、フセはベッドに腰掛ける。


リミ「…………」


フセ「…………」


お互い言葉を発しない。感情を共有している為、声をかける必要がないのだ。


フセ「アレ……するぞ?」


リミ「……はい」


するとリミとフセは腕をまくり、白い腕を見せる。そこに自前のナイフの刃をお互いの腕に当てる。


リミ「……」


フセ「……」


反応はない。いや、何も感じなかった。


肌から赤い液体が滲み始める。


リミ「痛いですか?」


フセ「……痛くない」


グリッチ因子を所持してから再生力だけではなく、痛点への耐性も強化されている。


リミ「……では」


更に続ける。


リミ「……」


フセ「……」


リミ「痛いですか?」


フセ「ちょっと……だけ」


リミ「リミ(一人称)もフセの痛み……共有してます」


ポタポタと床に液体が垂れて汚れていく。


リミ「不思議ですね……何故、傷を与えることにここまで執着するのでしょう?」


フセ「……心が……脳が……そう言ってる……血を……味を……求めている」


リミ「綺麗なドレス……『また』汚れますね」


フセ「どーせ……すぐに元に戻る……」


双子は微笑んだ。




episode8

END



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